いつも弊社のブログをご愛読下さり誠に有難うございます。
さすがに毎日更新するのは難しいですが、皆様の事業にお役立ち出来るような記事を更新していきたいと思いますので、本日も宜しくお願い致します。
さて、本日は老人ホーム経営者様やデイサービス事業者様などの介護事業をご経営される方々へ向け弊社で実際にファクタリング契約を行なった事例を用いて書かせて頂きます。
その前に、新たに介護事業をお考えになっている方も、本ブログをお読み頂いているかもしれないので、介護ビジネス業界について少しご説明したいと思います。
目次
介護ビジネス業界における現状及び動向
介護ビジネス業界における市場規模は、現在の10兆円程から、2025年に団塊の世代が後期高齢者へ移行する事も踏まえ、今後20兆円規模の市場に拡大されるのではないかと予測されています。
新規参入の障壁も少ない事から、今後新規事業として参入をお考えの経営者の方にとっては、目の離せない業界でもあります。
「高齢者人口の増加を背景に拡大 2025年には団塊の世代が後期高齢者へ」
介護業界の過去の推移を見ますと、平成17年以降、年を追うごとに上昇を続けており、平成27年までの介護業界は拡大傾向にあると言えます。
高齢者人口の増加を背景に介護業界は拡大を続けています。平成28年12月現在の要介護(要支援)認定者数は630万人。平成12年の218万人に比べ、15年で約3倍近く増加しています。
さらに10年後には、人口800万人を超える”団塊の世代”が後期高齢者を迎え、さらなる増加が見込まれています。
こうした高齢者人口の増加を背景に、介護業界は拡大を続け、今後もさらなるニーズの拡大が見込まれています。
「事業継承、買収、異業種参入など活発化する介護業界」
拡大する介護業界の動向を受け、業界内では活発な動きが見られます。平成19年、訪問介護大手のコムスンは管理義務違反や介護報酬の不正請求などの不祥事が発覚。
同年6月に介護事業からの撤退を表明しました。訪問介護最大手のコムスンが撤退したのち、業界首位のニチイ学館が居住系サービス事業を継承。
セントケア・ホールディング、ジャパンケアサービスグループ等が訪問介護事業を継承しました。
平成24年3月、有料老人ホーム大手のメッセージはジャパンケアサービスを買収し、子会社に。有料老人ホームのさらなる強化を進めます。
平成27年12月には、損保ジャパン日本興亜HDが居酒屋大手ワタミの介護事業を買収。さらに、平成28年3月、有料老人ホーム大手のメッセージを子会社化。
損保ジャパン日本興亜の介護業界での存在感が一気に増すかたちとなりました。
「介護職員の不足と賃金の改善が課題」
高齢者人口の増加に伴い拡大する介護業界ですが、一方で介護職員の人材不足という課題も抱えています。
人材不足の要因の一つとして、介護職員の賃金の低さにあります。
平成27年のケアマネージャーの平均年収は369万円、ホームヘルパーの平均年収は304万円。同医療系の看護師(478万円)や准看護師(395万円)に比べて低い水準にあると言えます。
今後も日本の高齢化はさらに進み、それに伴い介護業界の拡大はさらに続きます。成長する産業の中で、人材の確保は急務であり、賃金の見直しも含め、抜本的な改善が期待されるところです。
【参照元:業界動向サーチsearch.comより一部抜粋】
介護事業経営における資金繰りの悩み
株式会社トップ・マネジメントでは開業から今日に至るまで、1000社を超える介護事業経営者様から資金調達に関するご相談を受けて参りました。
少子高齢化の影響を受け、これから更なる需要が見込まれる介護施設業界ですがサービスが細分化されており、種類によって利益率に大きな差がある為、新規参入する場合はその特色を知っておく必要があります。
大きく分けると介護施設運営には、自治体や社会福祉法人が運営する公共型施設と、民間事業者が運営する施設があり、更にその中で役割に応じ種類が細分化されています。
【参照元:LIFULL介護から一部抜粋】
『老人ホーム・介護施設の種類、それぞれの特徴』について詳しく解説しているサイトがございますので詳しく知りたい方は上記参照元リンクより、お読み頂けます。
ご自身のご家族など、将来お役立て出来る知識としてご活用できるかと思います。
介護事業経営者様からお受けする相談内容BEST3
次に、弊社が過去ご相談を受けた介護事業経営者様が、《資金ショートした理由》として最も多かったものから順番に並べてみました。
- 税金や社会保険料を滞納し続けた事が原因で、介護給付費を差押えされた
- 入居者の死亡事故等が原因となり、入居者親族から多額の損害賠償請求を受けた
- 介護に携わる従業員の人件費や求人募集費用などを補うキャッシュフローが不足
介護事業の担い手は大半が中小企業
今後20兆円規模の市場に拡大されるだろうと予測される介護ビジネス業界ですが、一部の大企業(ニチイ学館、ベネッセHD、SOMPOケアメッセージ、セコム、ツクイ、ユニマットリタイアメントコミュニティ、セントケアHDなど)以外の大手参入率に関しては、莫大な市場規模にも関わらず依然として低く、現在も介護ビジネスの市場を担っている大半は中小企業という調査結果が出ている。
業界平均の収益率は決して高いとは言えない介護ビジネス業界ですが、介護サービスの種類により利益率が大きく変わってくる事も。
【参照元:PRESIDENT Onlineより一部抜粋】
大企業と比べキャッシュフローが脈弱な中小企業にとって、国民健康保険団体連合会(以下、国保連)から支払われる介護給付費以外の収益等を増やしていかなければなりません。
しかし既存の事業者に加え、新規参入業者も多い業界の為、中々介護給付費以外での増収に結びつけられていないという事が、介護事業様から沢山のご相談をお受けする中で私共が感じた印象です。
弊社へお問い合わせ下さる介護事業者様からは《資金ショートした理由1》のような税務署や社会保険事務所からの差押え解除に関するご相談や、納税の支払い督促を受けているといったご相談を最も多くお受けします。
《資金ショートした理由2》に関しては「施設型介護」と呼ばれる介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、グループホームなどで痴呆症を発症した高齢者などを抱える施設の経営者様からのご相談を多く頂きます。
入居者が介護職員が目を離した隙に施設から脱走してしまい、施設の外で交通事故に遭い亡くなってしまったり、施設内で入居者が転落事故死など起こしてしまい、入居者の親族から損害賠償請求や慰謝料請求の申し立てをされるケースもあるようです。
民間企業ですから、裁判になり、施設で事故死が起きたという事が明るみに出てしまう事で今後の施設運営に支障をきたすリスクよりも、親族に対し高額な和解金を支払い裁判を避けるという選択肢を選ぶ経営者様も少なくありません。
《資金ショートした理由3》については、元々離職率の高い業種ですから、重労働という環境化で働く介護職員のモチベーションを上手に管理し施設を運営していかなければ、介護職員は辞めてしまいます。
キャッシュフローに余裕があれば、常に求人募集をかけ介護職員を確保する事も可能ですが、新たな人材を投入する余裕が無い状態で働いてくれている介護職員の給料支払いを万が一遅らせてしまったりしたら、それは人材の流出のきっかけとなり、施設運営を行う上で絶対に良い結果は生み出しません。
介護事業でなくても、会社を経営していく上で人件費の支払いは最優先項目です。
その為《資金ショートした理由3》は、介護事業経営者様に限らず様々な業種の経営者様からも、多くのご相談を受ける項目の一つになります。
そろそろ、本日の本題である「介護報酬債権ファクタリングで資金調達」に移っていきたいと思います。
介護事業・経営者様の介護報酬債権をファクタリング
ファクタリングを利用するに至った経緯
『私は千葉県で介護付有料老人ホームを3事業所経営をしており、開業から5年目までは経営も安定しており順調でした。
しかし、ある日税務署からの支払い督促が会社に届き、納税が全くされていないという事が発覚しました。
調べてみると3年前に雇用し、昨年体調不良を理由に会社を辞めた経理担当者が会社の預金通帳から現金を横領していた事が分かりました。
気付いた時には既に手遅れで、雇用していた全社員の社会保険料、法人税、源泉所得税などの預り金を全て使い込まれてしまい全くキャッシュとして支払われていない状況でした。
横領した金額は、全部で8000万を超えていました。顧問弁護士を通じ元経理担当者に返還を求める依頼をしましたが、所在不明で連絡が取れなかったので、警察に被害届を出しました。
税務署へ事情説明に伺ったところ、「滞納税が1000万を超えているので国税局の管轄になりますので、そちらと話して下さい」と税務署担当者から言われ後日国税局と話しましたが、結果としてはかなり厳しい内容でした。
滞納税を溜め込んだ結果、国税局から介護給付費を差押えすると・・・
「6000万ある滞納税を毎月400万ずつ分納する事が出来ない場合、3か所の老人ホームの内、1番売上げが多い事業所の介護給付費を滞納額が無くなるまで毎月全額分を差押える」と言われました。
私の経営する老人ホームの売上げは、1番多い事業所で650万前後、次いで500万前後、一番少ない事業所で400万前後の売上げです。
従業員も全部で50名ほどおりますので、毎月400万も税金分で支払ってしまうと、毎月の人件費や固定費が確実に支払えなくなってしまいます。
しかし、国税局に改めて分納計画の見直しを嘆願しましたが、全く聞き入れて貰えませんでした。』
横領事件をきっかけに資金繰りする事が日課に
毎月の固定費に加え400万からの税金の支払いが増えた事で、「資金繰り」が私の日課になりました。
無担保で貸してくれる金融会社から片っ端からお金を借り、知人友人、親戚にまで頭を下げ続け、何とかトータル1000万円以上のお金を作りましたが滞納額を完納するまで、あと5000万足りません。
残りは仕事で何とかするしかないと思い、介護給付金以外の収益を増やす事を考えました。
介護付有料老人ホームを経営しておりますので、新規の入居者を受け入れる際の「入居一時金」をお預かりできる為、まずは新規入居者を探しました。
「入居一時金」預かり額は入居者1人につき1000万円お預かりするルールで運営しており、丁度その時期に入居できる部屋が3か所空室でしたので、もし3人入居させれば3000万入ってきます。
私は金融会社や知人友人親戚から借り受けた1000万を使い滞納税の分納額を払いながら、ようやく2ヵ月かけて2人の新規入居者を探し、ご入居頂ける事になりました。
やった!これで2000万は確保出来そうだ!
と、思った矢先にまた別の事件が起こってしまいました。
男性入居者が近所の民家で変死!
私共のホームでは高齢者も多く、特に痴呆症を発症された入居者を多く受け入れております。
痴呆症も大変で、物忘れが酷いくらいならまだいい方です。
ひどい方になると施設のいたるところで排便してしまったり、勝手にホームを抜け出し深夜徘徊してしまう入居者もいらっしゃいます。
けれども、さすがに勝手に出て行ってしまい、事故でも起こされでもしたら大問題ですから施設に内鍵をかける等して対処しておりました。
しかし、入居者の男性が1名夜中に見当たらなくなり、ホームの敷地内、敷地外まで職員全員で隈なく捜索しました。
見つからなかった為、警察に連絡したところ翌朝発見されました。
近所の民家の池の中で、凍死していたそうです。
2月でしたからね。なぜ池の中におったのか・・・。
亡くなった入居者の親族から裁判を起こされる
勝手に抜け出してしまったと言えど、監督責任は我々事業者にあるので、当然亡くなられた入居者のご親族からは訴えられる結果となってしまいました。
慰謝料として3000万支払えという内容でした。入居一時金で1000万頂いておりましたが、全く割に合いません。
しかし、裁判で判決が出てしまい事件が表沙汰になってしまえば私の運営する老人ホームは、お終いです。
50人からの従業員の生活もありますし、顧問弁護士に相談した結果、「和解額を決めて示談にしてもらった方が良い」と言われたので、2000万で和解をお願いし示談にして頂きました。
亡くなられた入居者のご親族には、一括でお支払いする事が難しい為、分割で支払っていく事でご理解して頂けました。
国税局からの差押え
結果として事件は表沙汰にはなりませんでしたが、税金問題を解決する事が出来なくなってしまい、国税局は介護給付費の支払先である国保連に対し差押えをかけました。
1番入金額の多い事業所の入金を国税局に抑えられてしまい一時的にパニックになりましたが、そこで働いてくれている職員たちの給料は何とかしなければならないと思いインターネットで御社を見つけ、ご連絡致しました。
ファクタリングでの資金調達を試みる
お客様の概要
地域:千葉県
業種:介護事業
創業年数:8年
年商:1億8000万円
従業員数:50名
株式公開:非上場
滞納税の有無:国税局から介護給付費を一部差押え、社会保険料を分納中
解決方法
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- ヒアリングした結果、差押え対象となった事業所が1か所だけだったので、国保連に残り2つの事業所に対して、差押えが国税局及び社会保険事務所から入っていないか確認した後、介護報酬債権譲渡通知書を内容証明郵便で国民健康保険団体連合会に発送後、介護報酬債権をファクタリングにて売買させて頂きました。
- 国税局や社会保険事務所に対し、更なる差押えを回避する為、毎月2事業所分の介護報酬債権を弊社で売買し、その中から社会保険事務所に分納していく事で合意させて頂きました。
- 一刻も早く滞納税を完納する為、新規入居者を斡旋してくれる福祉専門コンサルタントをご紹介致しました。
- 【買取り対象金額:900万円】(2事業所分の介護報酬債権)
- 【ファクタリングによる資金調達額:850万円】(お客様お手渡し金額になります)
- 【ファクタリング手数料:50万円】(ファクタリングによる売買手数料になります)
- 【買取り日数:30日間】(買取り実行日から数えて売掛債権回収予定日までの日数が30日間でした)
トップ・マネジメント担当者より一言
今回のお客様のケースですと、国税局から差押えされてから弊社へお申込み頂きましたが、もう少し早めにご連絡頂けるともしかすると差押えされずにファクタリングさせて頂けたケースではないかと思いました。
税務署との交渉も、どのようにしたら良いか適切なアドバイスを与えられる自信があり差押え前であれば回避できる手段を持っておりますので、似たようなケースでお困りの経営者様がいらっしゃれば是非弊社まで早めにご相談ください。融資などお断りされるケースでもファクタリングなら実行出来る場合がほとんどです。
あと、余談ですが、今回ファクタリングさせて頂いたお客様には大切な親御様をお預かりしているという自覚をもっと厳しく持ち従業員にも指導していかなければならないというお話はさせて頂きました。
自分も人の子なので、近い将来我が身に降りかかる事かもしれないと思ったら他人事に思えなくなってしまいました。
やはり、自分を生んでくれた両親を老人ホームなどで面倒をみてもらうと考えた時、きちんと丁寧に介護してくれなければ誰だってやりきれなくなるでしょう。
本日も長文にお付き合い頂きましてありがとうございました。
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