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今回ご紹介するのは、山形県で運送業を営むO社様のご利用事例です。

従業員数は6名と企業規模は小さいながらも、創業から30年以上、ドライバーによる無事故無違反なのはもちろん、受注した輸送業務に対する迅速な対応と丁寧な仕事ぶりが高く評価され、取引先からの信頼も厚いO社様。

資金面に関しても、決して莫大な収益を得られているとはいえませんが、時勢に合わせた細かな経費削減を心がけるなどの堅実な経営を続けていたことで、これまでに大きな資金難に陥ったことはないとのことでした。

ところが今年の6月、とある出来事が大きな引き金となって、事業開始から初めてともいえる資金面の大きな危機に直面されます。

O社様の代表であるE様からご連絡をいただいたのは、今年6月の初め。全国すべての都道府県から緊急事態宣言が解除されて間もない頃でした。

生活必需品ともいえる食品の輸送業務をメインに行うO社様は、2月以降から続く新型コロナ渦であっても、経営を逼迫するほどの大きな影響は受けることなく、資金繰りは比較的安定していたといいます。

ところが6月に入って、O社様の元に取引先から悪い報せが入ります。

運送業

「経営悪化のため、6月の支払いを7月にスライドさせてほしい。また今後の発注に関してもご相談したい」
というものでした。

E様は、急な報せに呆然としたといいます。
というのも、この取引先は長年の付き合いがあるとともに、O社様の売り上げの約6割を担っていたとのこと。E様は、全額とはいわず一部のみでも支払えないものかと交渉したものの、残念ながら取引先はこれを拒否。長年の付き合いによって結ばれた信頼関係にヒビが入ることも懸念した上で、受け入れるという苦渋の決断に至りました。

いくらこれまでの経営が順調であったといっても、内部留保が潤沢とはいえない中小零細企業様にとって、当月の回収金が6割も減少することは、死活問題のなにものでもありません

そして、さらに追い討ちをかけたのがドライバーの突然の休職。新型コロナに対する不安やストレスを理由に、4名のドライバーのうち2名が無期限の休職を申し入れたといいます。

当月の収益が大幅に減少することが確定しただけでなく、ドライバー2名の休職も決定。運送業にとってドライバーは経営に不可欠な原動力であるため、直ちに補充しなければ、現状で請け負っている取引に支障をきたすことになります。

車輌維持費や従業員の給料をはじめとする各支払いの危機に加え、急遽生じることになった求人コスト。

資金ショートの可能性も否めない状況となったことで、E様は緊急の資金調達を検討し始めました

中長期を見据えた大口の資金調達ではなく、目下の運転資金を確保することが目的。したがって大量の書類提出や申し込みから着金までの期間が長丁場となる銀行の融資申請は断念し、即日対応が可能な資金調達手段を徹底的にリサーチしたといいます。

一時はノンバンクのビジンスローンの利用も考えたといいますが、やはり目下の運転資金確保のためだけに、銀行融資よりも割高になる利子の負担は背負いたくなかったとのこと。

ひらめき

知人から助言やインターネットなどで様々な資金調達手段を模索しているなかでピンときたのがノンバンクのファクタリングだったといいます。

「ファクタリングであれば、未回収となっている売掛金の売却のみで資金調達ができる上に、融資のように利子を伴う毎月の返済は必要なく、ノンバンクのファクタリング事業者であれば即日の対応も可能な模様」

ノンバンクのファクタリングが自社の現状に最もフィットした資金調達手段であると考えたE様は、あらゆる事業者をリサーチします。

いくつかの事業者のホームページを閲覧して回った結果、45000件という他社よりも圧倒的な取引経験を評価いただき、弊社へとご相談くださいました。

目下の各支払いと新しいドライバーの採用コストが補えるだけの資金を充足できればよいというE 様がご希望された調達額は160万円で、これを取引先に通知する必要のない2社間ファクタリングで契約したいとのことでした。

O社様ならびに取引先であるA社様の調査を行ったところ、支払いが延期とされた売掛金は総額およそ180万円

3社間ファクタリングをご希望であれば、全額の買取りも視野に入れたいところですが、2社間ファクタリングでは、利用される企業様に回収を委ねなければならない規約があります。

A社様が経営難に陥っている以上、O社様が翌月以降、確実に売掛金を回収できる可能性は高いとは言えません。また他の取引先からの支払いを受けることで精算することもできますが、それではO社様の資金難をより加速させかねないことは確かです。

データ

そこで、弊社が提案したファクタリングプランは以下の通り。

≪2社間ファクタリング≫
【売却対象売掛金】 180万円
【弊社買取対象額】 160万円
【買取代金】 140万円(お客様お渡し金額)
【売掛金買取率】 89%
【ファクタリング手数料】 13%

E様には、「売掛け金の全額を買い取りすることは弊社とO社様双方に大きなリスクが生じること」「2社間ファクタリングの手数料は、その仕組み上、3社間ファクタリングよりも手数料が割高になること」などを丁寧に説明。

「希望額から10万円ほどの差額であれば問題ない」と承諾いただけたことで契約に至りました。

7月に入ってすぐに、E様から「無事に新しいドライバーの確保できたこと」や「未回収となっていた売掛け金の回収の目処が立ったこと」についてのご連絡をいただき、月末には問題なくご精算いただくことができました。

今回のケースのように、残念ながらお客様からのご希望額には達しない金額での契約を提示する場合もございます
しかし、これは精算や回収におけるリスクを最小限に抑えてお客様の経営を維持していただきたいという観点からの提示を心がけているためです。

今後も、お客様が無理なく利用できる計画性の高いファクタリングプランの提案を実施していく次第であります。