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今回は、神奈川県で精密機器製造業を営むA社さまへの2社間ファクタリングご利用事例を紹介します。
首都圏に隣接する神奈川県は、交通インフラが整った工業地域として発展してきた歴史があります。中でも精密機器製造業は、電子部品、自動車部品、医療機器などの分野で技術力の高さが評価されており、地元の中小規模企業は国内外からの注文を支えてきました。
しかしながら、近年は深刻な人手不足の影響により、従来のような安定した受注・供給が難しくなりつつあります。日本経済全体が人口減少に直面する中、熟練工の高齢化と若手人材の流出が、特に中小規模の製造業にとって致命的な課題となっているのです。
一方で世界的には製造業の業績は回復基調にあり、需要自体は増加しているものの、その恩恵を十分に享受できない中小企業は少なくありません。

人材不足

神奈川県内で精密機器製造を営むA社は、従業員30名ほどの家族経営的な企業であり、自動車部品の精密加工を主な事業としています。
長年にわたり、高精度の部品を供給することで取引先からの信頼を築いてきましたが、ここ数年の業界の変化と人材不足が大きな壁となっているといいます。
具体的には、熟練工の高齢化が進んでおり、今後数年以内に半数以上が退職予定という厳しい現実。その一方で、取引先からの受注は増加傾向にあり、技術力に見合った仕事が舞い込んでいるにもかかわらず、それを受けきれない状況が続いていました。
代表のKさまは、このまま人材が確保できなければ、増加する受注に応えられず、取引先の信頼を失うだけでなく、経営の先行きそのものが危ぶまれると感じていました。

キャッシュフロー

しかし人材を確保するためには、賃金の引き上げや人材育成のための研修、設備投資などが必要になるもの。
新卒者や中途採用者を集めるためにも、自社の魅力を高めるために工場環境の改善も検討しなければなりませんでしたが、キャッシュフローが逼迫しており、銀行融資を申し込む余裕もない状態にあったといいます。
A社さまは取引先からの売掛金が常に数千万円単位で発生しており、資金繰りの大半はこの売掛金の回収を待ってから動かざるを得ない状況でした。
そんな折、A社さまの経営顧問から提案されたのがファクタリングの活用だったそうです。
A社さまの場合、取引先である大手企業の信用力が高く、その売掛金の信頼性も十分であったため、私たちとしてもお断りする理由はまったくありませんでした。
結果として、A社さまは以下の契約内容にご承諾され、2社間ファクタリングで1350万円を即日現金化することに成功されました。

<2社間ファクタリング>
【売却対象売掛金】 1550万円
【弊社買取対象額】 1400万円
【買取代金】1350万円(お客様お渡し代金)
【買取率】 88%
【ファクタリング手数料】 11%

調達された資金を活用して、A社さまは複数の取り組みを同時に進めることができたようです。
まずは賃金水準を一部引き上げ、新規採用の募集をかけたことで、地元の若手技術者を1名採用することができ、さらには既存の従業員向けには新しい研修プログラムを導入してベテラン技術者の技術継承を目的としたOJT(職場内訓練)を進める体制を整えられたといいます。

モチベーション

また、工場内の一部設備を改善し、働きやすい職場環境をつくることで、従業員のモチベーション向上にも繋がっているようです。
ファクタリングを通じて資金繰りが改善されたことで、A社さまは余裕を持って経営改善策を実行できるようになりました。
それまでは目先の資金不足に悩まされ、十分な受注を受けるかどうかを迷う場面もあったといいますが、資金調達のスピードが早まったことで、取引先の発注に対して迅速に対応できるようになり、その結果としてA社さまは新たな受注をいくつか獲得し、次の半年で売上を前年比15%向上させることに成功しました。

ファクタリング

A社さまの事例から見えてくるのは、資金繰りの改善が人材確保と育成という中小企業の課題解決の第一歩になるという点です。特に製造業においては、人材と技術が企業価値そのものであり、その確保にはスピーディーかつ柔軟な資金調達が不可欠です。
ファクタリングは、売掛金という既存の資産を活用することで、信用力や担保に依存せずに早期に現金を手にすることができるため、A社さまのように、取引先が大企業であり、売掛金の信頼性が高い場合には、非常に有効な資金調達手段となります。
日本全体では依然として人手不足や経済環境の不透明さが続く中、神奈川県の中小企業も厳しい経営状況に置かれています。
しかし、世界的な製造業の回復基調をチャンスと捉え、必要な資金をファクタリングなどの手法で確保し、人材確保や技術継承に投資することで、競争力を維持・向上させる道が開けることに期待できます。
A社さまは今回の取り組みを通じて、持続可能な成長への第一歩を踏み出すことができたのです。