皆さまこんにちは。
トップ・マネジメントです。

東北以外の各地で梅雨入りし、スッキリとしない天気の日が続くようになりました。

仕事でもプライベートでも、何をやるにしても億劫になりがちな季節ですので、1年の中で梅雨の時期が一番嫌いだという人も多いことでしょう。

でも、少し外を歩いてみると彩り豊かな紫陽花が花を咲かせていたり、カエルの鳴き声がまるで合唱のように聞こえてきたり、この時期ならではの風情を楽しめるものです。

通勤中や外回りの帰りの際など、少し寄り道をして公園に立ち寄ってみたり、遊歩道を歩いてみたりすれば、空はどれだけ曇っていても、気分は少しだけ晴れやかになると思います。

国内外から悲しみや不安が募るニュースが毎日のように伝えられる昨今。

心が安らぐような小さな幸せを探しながら、毎日を過ごしていきたいものですね。

さて今回のスタッフブログのテーマは、「止まらない仕入れコストの上昇で、黒字倒産増加の可能性あり」です。

ぜひご一読ください。

原油価格の高騰と円安進行が与える経営へのダメージ

歯止めがかからない仕入れコストの上昇で、黒字倒産増加の可能性あり01

歯止めのかからない原油価格の高騰と急速な円安進行の影響により、多くの企業が仕入コストの上昇に悩まされているのではないでしょうか。

帝国データバンクが今月発表した「全国企業倒産集計」によると、5月の倒産件数は前年同月比12.1%増の517件。

前年同月比の増加は、実質的に22ヶ月ぶりとのことです。

一時は新型コロナ関連の様々な資金支援策の効果により、倒産件数が抑えられてきものの、ここにきて一転、増加の兆しがみえてきています。

これはやはり、上述した原油価格の高騰と円安の影響、それにともなう仕入れコストの増加が企業の経営に大きな打撃を与えていることを示すとともに、このまま収束がみられないようならば、現状は経営を維持できている企業であっても、決して予断を許さない状況に至る可能性を表しているといえます。

特に不安視されるのが、黒字倒産の増加ではないでしょうか。

黒字倒産は、損益計算書上では黒字であるにもかかわらず、支払いに必要な資金が不足することによって倒産してしまう状態を指しますが、まさに現状における仕入れコストの増加によって発生の可能性が高まる倒産原因のひとつといえます。

可能な限りの企業努力が求められる時
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黒字倒産の可能性が高まりをみせる現状で、各企業に求められるのは、それぞれが出来る最大限の企業努力。

つまり、利益の確保とともにキャッシュフローの悪化を防ぐ施策を、早い段階で実行していかなければなりません。

中でも商品やサービスにおける価格転嫁は、すでに多くの企業が進めている、または決定済みの施策のひとつなのではないでしょうか。

実際に、今年に入ってからは食料品の値上げラッシュが顕著であるほか、今夏には電気料金の値上げが各電力会社から発表されています。

仕入れコストの増加分を価格に転嫁できれば、売上の安定も期待できるため、企業としては真っ先に実行に移したい施策であることは確かです。

しかしその反面、価格が上昇することにより、取引相手によっては取引の打ち切りに踏み切る可能性も考えられるなど、売上の減少を招く要因にもなりかねません。

価格転嫁は、適切かつギリギリの範囲内での実行に留め、取引への影響を最小限に抑えたいところです。

また、価格転嫁に限度がある以上、二手、三手目と他の施策の実行に打って出る必要があるわけですが、その中でも早急に進めておきたい施策が2つあります。

ひとつは固定費の削減、もうひとつは過剰在庫の整理や回避です。

この2つは、手元資金を出来るだけ確保するためには基本的かつ効果的な施策であることは言うまでもありませんが、残念ながらキャッシュフローが安定しない企業ほど、おろそかになっている傾向にあります。

たとえば、固定費を削減するのであれば、事務所の賃貸費、事務用品やリース機器の代金、人件費などの抑えこみなどは比較的に実行に移しやすい施策です。

最近ではテレワークの実施など、在宅勤務を取り入れることによって、オフィス面積の縮小を図り、安価な物件に移転する企業も多くあります。

また、各種紙文書を電子データ化するペーパーレス化を進めることにより、事務用品の削減やコピー機などのリース機器を小規模なものに変更してコストを抑えることが可能になります。

さらに、経理や事務の業務をオートメーション化できれば、人件費を削減することもできるでしょう。

固定費の削減と同時に、過剰在庫の整理や回避にも努めれば、より多くの手元資金の確保にも期待できます。

在庫不足によって取引先からのクレームや信用低下を避けたいからという理由で、在庫はなるべく多めに確保しておきたいと思う気持ちは重々理解できますが、過剰在庫や長期在庫は無駄な資産の何ものでもなく、管理費などの関連費用の支出も膨らんでしまうものです。

キャッシュフローの安定化を目指すためにも、今一度、在庫の見直しを徹底的に行ってみてはいかがでしょうか。

まとめ
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先行きが見通せない現在の国内外の情勢の中で、仕入れコストの上昇は避けられず、ここ1〜2年の間にわたって抑えられていた企業の倒産件数は増加に転じることが予想されます。

中でも、利益は確保できているにもかかわらず、キャッシュフローの悪化によって生じる黒字倒産のリスクが非常に高まっているのは確かでしょう。

最悪の状況を回避するためにも、各企業がそれぞれの企業努力を惜しむことなく実行に移すことが重要です。