皆さまこんにちは。
トップ・マネジメントです。

5月の大型連休も終わりました。
今年は最大で10連休だったという方や、飛び石ながらも3連休を2回経験されたという方も多いのではないでしょうか。

また、久しぶりに行動制限の要請がない大型連休だったこともあり、海外国内を問わず旅行へ出かけられたという方もたくさんいらっしゃることでしょう。

新型コロナの重症化リスクも低減し、個人のプライベートな活動も企業の経済活動もようやく平時に戻りつつありますが、心配なのは急速な円安と物価の高騰です。

1〜2年前のコロナ禍真っ只中よりも大きな打撃を受けている企業も少なくないようで、国内の経済情勢は依然として厳しい状況にあります。

安定した日常を取り戻すにはまだまだ時間がかかるのかもしれません。

さて今月のスタッフブログで取り上げるテーマは「資金繰りの悪化が発生してしまう主な要因」についてです。

ぜひご一読ください。

資金繰りの悪化はどうして発生するのか?

資金繰りの悪化はどうして発生するのか?

資金繰りの悪化とは、収支のバランスが崩れることによって運転資金、つまり現金が枯渇してしまう状況を指します。

資金繰りを安定させるには、一般的に「月商の3ヶ月分の現金を確保しておく必要がある」とはよく言われますが、規模の小さな中小零細企業にとっては難題ともいえ、常に収入と支出をギリギリのラインで繰り返されているという会社も少なくありません。

では、そもそもどうして資金繰りの悪化が発生してしまうのでしょうか。

今回はその主な要因として考えられる状況6つを挙げて解説してみたいと思います。

収入の減少にもかかわらず支出が増えている

まず考えられるのは、売上の下降とともに収入が減少しているにもかかわらず支出が増大してしまっている状況です。

事業を進める上では固定費や変動費を問わず、様々な支出が必要となるわけですが、支出額が収入額を上回るようなことになれば、当然ながら収支のバランスは崩れるものです。

これは、資金繰りの悪化の要因としてはごく当たり前のものですが、気づきに遅れが生じがちなケース

ですので、売上が下降し収入が減少すると判断できた際には、思い切って経費を削減するといった迅速な対応が不可欠になります。

売上の上昇を期待し過剰在庫を抱えてしまう

2つめは過剰在庫を抱えてしまっている状況です。

在庫不足を回避して売上を上昇させるためにも、なるべく多くの在庫を確保しておきたいと考えるのは事業者として当然でしょう。

しかし、在庫の仕入れ時にはもちろん、場合によっては保管にあたっての管理費の支出も必要になるものです。

予測通りに在庫を捌ければ何も問題はないですが、過剰在庫となれば仕入れ費用だけでなく管理費の支払いも無駄になり、資金繰りの悪化を引き起こす要因にもなりかねません。

支払い日や入金日の不安定化

取引先から、支払いサイクルの短縮を求められたり、入金日の延期を要請された経験をお持ちの事業者様も多々いらっしゃるかと思います。

取引先との信頼関係を維持するためにも、そういった要望にはなるべく応えたいところですが、安易に受け入れることによって自社の収支バランスが崩れ、資金繰りを悪化させてしまう恐れも十分に考えられます。

売掛債権のデフォルト

たとえ入金日が延期されても、請求通りの売掛金を回収できれば僅かなダメージで済む可能性もありますが、取引先が支払いを未了のままデフォルトしてしまうと、資金繰りに大打撃を与えることになります。

そんな最悪のケースを避けるためにも、日頃から取引先の業況に目を向けるとともに、デフォルトの兆候がみえるようであれば、現金払いを要請したり、場合によっては取引の中止を求めるなどの対応策を考えておくことも大切です。

急激な受注増加

情勢や市場の変化などによって、急激に受注が増加するケースがあります。

事業者としては、大幅な売上上昇を期待できるため、喜んで受注したいところですが、同時に仕入れも増大することを忘れるわけにはいきません。

多くの場合、売上金を回収するよりも前に仕入代金の支払いが必要になるため、自社の運転資金で応じられる範囲での受注に止めなければ、資金繰りに思わぬ悪影響を及ぼしかねないものです。

投資失敗による運転資金の圧迫

事業拡大のためには、設備増設や人員補充といった投資が必要になるケースが多いものですが、もしも計画通りの売上が得られなければ、たちまち運転資金を圧迫し、資金繰りを悪化させてしまうことも考えられます。

もちろん、投資は売上上昇のためにも不可欠な行為ですから、否定するつもりは毛頭ありません。

ただ、中にはあまりにも無謀な計画を立てた上で、自社の手元資金に見合わない投資を断行した結果、資金繰りを大きく乱してしまうケースも多々みられます。

したがって投資を検討する際には、投資によって期待できる予測を立てるだけにとどまらず、自社の資金繰りにどれだけのリスクが生じるのかもしっかりと見極めることが重要です。

まとめ

まとめ

今回は、資金繰りを悪化させる主な要因を6つ紹介しました。

どれも「当たり前」のような要因だったかもしれませんが、資金繰りの悪化はそんな「当たり前」を見過ごしたり軽視したりすることによって起こるものです。

資金繰りの悪化を回避するためにも、自社だけでなく取引先の経営状況も常日頃から注視し、適宜対応策を講じられるよう準備しておきたいものです。