いつも弊社ブログをご愛読頂き誠にありがとうございます。

弊社に資金調達の事でご相談にこられるお客様の中には、起業して間もないお客様もおります。

前職から独立をされ起業される方がほとんどで、内容としては勿論ファクタリングによる事業資金のご相談をお受けするのですが、ふと疑問に思う事がありましたので、今日はブログに書いてみようと思います。

はじめに起業されて間もない経営者様にお伝えしたい事

自分に合った資金調達先を考え申込みにあたりしっかりと優先劣後を決める

起業後、資金調達の方法としてファクタリングを選びご相談を頂く事は、弊社としてとても有難い事なのですが、ご面談時にヒアリングさせて頂くと金融機関からのお借入れを全くされていらっしゃらない方がおります。

その理由が、例えば以前会社を倒産させてしまいご自身の信用情報が「ブラック」であったり、「自己破産」の申し立てを行った過去があるといった内容のお客様であれば、ファクタリングで事業資金を調達しようとお考えになるのはごく自然な事です。

経営者様の信用情報がブラックであれば、銀行融資はおろか、民間のノンバンクですら保証人か担保が無ければ融資を受ける事が出来ないからです。

しかし、ご来店頂いた経営者様の中には、ご自身の信用情報が全く汚れていらっしゃらない方(特に若い世代の経営者)がごく稀にいらっしゃいます。

そのような経営者の方とご面談した際、起業するにあたりの資金調達はどのようになさったのか伺うと、独立前に貯めた自己資本が元手だったり、親族からの資金提供であったり、友人知人関係者からの出資金、などが回答としては多く、私が「何故、金融機関は利用しないのですか?」と伺うと、金融機関は担保や保証人を用意しないと借りる事が難しいと思っていらっしゃったり、書類を大量に揃えたりする手間や融資実行までの時間がかかってしまうので煩わしい等といったご回答を頂く事がございました。

確かに、自分で貯めた自己資金や利息等が発生しないであろう親族間での借り入れで起業し、初期投資だけで始めた事業が軌道に乗り、自己資本だけで全て賄えてしまえば大成功です。

しかし全てが予定通りにいかないのが会社経営であり、人生です。

友人や知人に出資してもらったり、ここ数年話題になっているクラウドファンディングなどで他人から資金を集めれば、将来的に売上げの中から配当をお支払いしなければなりませんし、自社株を譲渡しなければならない事だって出てくるでしょう。

確かに起業後すぐに民間の金融機関から資金調達するという事は、実績や信用がまだ無い、設立後間もない会社にとって、融資が下りるハードルは決して低くありませんし中々承認が下りないのが現状です。

しかし、『民間の金融機関』ではなく、『公的な金融機関』であればどうでしょう?金融機関という事で一括りにしてしまい『民』と『公』の違いをご存知ない経営者の方もいらっしゃるので、まずは【公的金融機関とは?】についてお伝えしていこうと思います。

国内における主な公的金融機関

公共的な目標達成を目的とした金融機関の事を公的金融機関と言います。

これらは、国が経済の発展や国民生活の安定、国際協力や産業の育成等「一定の政策」を実現することを目的とした機関になります。

一般的に公的金融機関では、融資期間、審査基準、金利、連帯保証人といった部分での借入条件が、民間金融機関と比べ緩やかである事が特徴です。

主な政策金融機関

≪日本政策金融公庫≫

 

日本政策金融公庫とは、日本政府が100%出資する株式会社です。

一般的な営利追求型の株式会社と違い、国の政策として中小企業や小規模企業、農林水産業などの経営の成長と安定、地域経済の活性化、金融安定などを支える金融支援を行っているのが特徴です。

そんな日本政策金融公庫の行う数ある金融支援の中に、新規に起業した個人や会社向けの

『新規開業資金』『新創業融資制度』というものがあります。

【参照元:日本政策金融公庫

 

≪株式会社日本政策投資銀行≫

 

(英文名称:Development Bank of Japan Inc.)通称『DBJ』

DBJの融資は、中長期の資金を中心に融資する点が特色。

事業の収益性を検討した上で、中長期の返済計画が立てる事ができ、必要に応じて据置期間を設けることも出来るのが特徴。

利用者のニーズに沿って、固定/変動さまざまな金利形態に対応可能。

【参照元:株式会社日本政策投資銀行

 

≪商工組合中央金庫≫

 

設備資金や長期運転資金をはじめ、手形割引などの短期運転資金まで、中小企業の経営者様が事業のために必要とする資金に対して幅広い融資を行っているのが

商工組合中央金庫(略称:商工中金)です。

融資を受ける為には、商工中金の株主になっている中小企業団体(商工中金株主団体)とその構成員が融資の対象先となっております。

主な中小企業団体として

中小企業等協同組合/事業協同組合・事業協同小組合・火災共済協同組合・信用協同組合・協同組合連合会・企業組合

協業組合

商工組合・同連合会

商店街振興組合・同連合会

生活衛生同業組合・同連合会・生活衛生同業小組合

酒造組合・同連合会・同中央会

酒販組合・同連合会・同中央会

内航海運組合・同連合会

輸出組合・輸入組合

市街地再開発組合

等があります。

融資の相談の際には、中小企業団体(商工中金株主団体)の構成員である必要はありませんが、融資の時点で、中小企業団体(商工中金株主団体)の構成員等になっていないと融資してもらえないのが特徴です。

【参照元:商工組合中央金庫

 

≪国際協力銀行≫

 

海外融資のノウハウ・経験を活用しつつ、投資金融や輸出金融等を通じて中堅・中小企業を含む日本企業の海外投資や製品輸出等に必要な長期資金を民間金融機関との協調融資で支援してくれるのが国際協力銀行です。輸出金融、輸入金融、投資金融、事業開発などを通じて海外における事業活動を行う企業をサポートしてくれる公的金融機関になります。

【参照元:国際協力銀行

 


 

他には、特殊法人として

 

≪沖縄振興開発金融公庫≫

 

沖縄県において、新たに事業を開始しようとする方、事業を開始した日以後

5年を経過していない方、新たな事業分野の開拓を行う方を対象とし、

新規事業関連支援融資制度を設けているのが沖縄振興開発金融公庫(通称:沖縄公庫)です。

融資の種類としては『新規開業支援資金』、『新事業育成資金』、『女性、若者/シニア起業家支援資金』などがあります。

【参照元:沖縄振興開発金融公庫

 


 

その他の公的金融機関としては

独立行政法人である【住宅金融支援機構】、【国際協力機構】、【福祉医療機構】、【奄美群島振興開発基金】、等があります。

 


 

国内における公的金融機関についてざっとご説明させて頂きましたが、

この中で、最もポピュラーな機関である『日本政策金融公庫』の「新創業融資制度」で

融資を受ける為にはどのようにすれば良いのか、まとめてみました。

日本政策金融公庫の新創業融資制度

新創業融資制度を利用する為には以下3つの要件を満たす必要がある事

 

1.創業の要件

・新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

個人事業主の場合は開業届、法人の場合は設立届をそれぞれ所轄官庁に提出する必要があります。


2.雇用創出等の要件

・雇用の創出を伴う事業を始める方
・ 技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズに対応する事業を始める
・現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する
現在の企業に継続して6年以上お勤めの方
現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方
・ 大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方
・産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方
・ 地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める方
・公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方
・民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方
・既に事業を始めている場合は、事業開始時に上記のいずれかに該当した方

上記のいずれかに該当している必要がありますが、簡単に言い換えると

・従業員を雇用する開業
・技術やサービスが差別化されていてニーズがある分野での開業
6年以上勤めた企業と同じ業種での開業

であれば、問題ないという事になります。


3.自己資金の要件

新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金)を確認できる方

創業時に借入れを希望する創業資金(借入限度額は3000万円が上限)の1割以上を自己資金として準備しておく必要があります。

 

審査を有利に進めるには?

      •  借入希望金額と自己資本の比率
      • 事業計画書の作成内容とその事業の実現可能性

     

  • このあたりがポイントとなってくるようなので事業計画書などの作文が苦手な方は、専門家に依頼するなどしたほうが無難かもしれません
  • 自己資本を自分で用意するのが難しい場合として、事業立ち上げ後、売掛金が発生している状態であれば弊社ファクタリングをご利用下さる事で、円滑に融資が下りるまでのご協力をさせて頂く事も可能です。
  • 創業後の資金調達方法についてのまとめ

    創業間もない企業様で、資金調達をお考えになられている経営者様は、まずは上記記載の公的金融機関のご利用をお勧め致します。

  • ファクタリングでの資金調達を選択され、弊社にお問合せ頂く事は誠に有難い事なのですが、まずは公的金融機関の利用をご検討頂いた上で、ファクタリングによる売掛債権の資金化をお考えになられたほうが、支払いコスト面においても、賢明な選択だと思います。
  • その際、何かお力になれる事や創業資金の融資を受ける為のご相談など、可能な限り尽力させて頂きたく考えておりますのでお気軽にご相談ください。本日もお付き合い頂きまして有難うございました。ファクタリング会社トップマネジメントのブログをご覧頂きありがとうございました