皆さまこんにちは。
トップ・マネジメントです。
いきなりですが、経営者の皆さまは読書を習慣化されていますか?

弊社へファクタリングの相談に訪れる経営者さまとは雑談もよく交わすのですが、そのなかで読書に関する話題が出ることがあります。
結論からいえば、読書を習慣的に行なっている経営者の方は3割ほど。そのほかの7割に関してはネットニュースや新聞、週刊誌には目を通すものの、本を読む習慣はまったくないというのです。
確かに、経営者として日々の業務を行うだけでなく、自宅では家事や育児にも協力しているという方は少なくなく、忙しい毎日のなかで読書をする時間的な余裕はつくれないというのも理解できます。

しかし、日本のみならず世界中の成功を遂げた経営者や実業家の多くは、大変な読書家である傾向があり、毎年数百冊もの本を読むことを習慣にしながら、日々の業務に勤しまれていることはよく知られた話です。
もちろん、そのような著名な方々だけでなく、業績が好調な中小企業や成長著しいベンチャー企業、スタートアップ企業の経営者も読書を習慣にしている傾向は強くみられるものです。
このように述べると、「では、読書を習慣化できれば経営は上向くのか」と短絡的にとらえる方もいますが、そうではなく、まずは経営に結びつく選書や読み方など、“経営者としての読書術”で習慣化するということが大切であるといえるのです。

優れた経営者は多岐にわたるジャンルの読書を習慣化している

優れた経営者は多岐にわたるジャンルの読書を習慣化している

そもそも、どうして優れた経営者は読書を習慣化しているのでしょうか。これは、高い実績や名声を誇る経営者の経営手法や理念、哲学などを吸収して参考にしたり、実践するためです。
したがって、経営者がもっともよく読む本のジャンルはビジネス本や自己啓発本であることは言わずもがなでしょう。

では、読書を習慣化できている経営者はビジネス本や自己啓発本ばかりを読んでいるのかといえば、そんなこともありません。読書を習慣化している理由の根底には、「多くの情報や世界観に触れて、様々な分野についての知見や理解を深めたい」という欲求が根付いています。
つまりビジネス書や自己啓発本ばかりに固執しているわけではなく、小説やエッセイ、経済学や社会学といった学術書、さらには歴史書やエンタメ関連の本まで、多岐にわたるジャンルの本を乱読するような特徴がみられるのです。

読書の習慣化へ向け、まずは10冊のビジネス書をかい摘む

読書の習慣化へ向け、まずは10冊のビジネス書をかい摘む

ただ、これまで読書習慣がまったくなかった方が、いきなり様々なジャンルの本に手をつけても、おそらく内容の整理が難しいでしょうし、なによりも途中で飽き始め、果ては挫折してしまうことが目にみえています。
そこで提案したいのは、まずはビジネス書から手をつけてみること。それも、1冊を厳選するのではなく、自身が認知している、あるいは参考にしたい別々の経営者個人や企業のビジネス書を10冊選書します。

そして、それらを1ページ目から順番に読み進めていくのではなく、目次を見ながら興味を惹かれる項目だけをかい摘むようにして読みます。この方法は、一冊を通しで読み進めるよりも圧倒的に時間を短縮できるのはもちろんなのですが、なによりも簡単に読書の習慣化に結びつけることができます。

さらに、この流れを通すことによって、自身のビジョンにマッチする経営者や企業を選別できるようになりますので、今度はその経営者や企業が関連する本に絞って購入する。ここまできて、初めて1ページ目から本格的に読み進めるという読書に切り替えるという方法がおすすめです。

10冊の本をかい摘んで読み終えた時点で、おそらく読書習慣はある程度身についているはずですので、苦もなくじっくりと読書に向き合えることでしょう。同時に、著者や監修者を絞ることで、得られる情報にはブレがなくなり、経営にも一本の筋を通して投影できるようになるはずです。
こうして読書習慣を確立できたのちは、多岐にわたるジャンルの本にも目を向け、いくつもの得られた情報や知見を取捨選択しながら経営者としての厚みを増すフェーズに移るというのが理想的だといえます。

読書時間は毎日必ず捻出できる

読書時間は毎日必ず捻出できる

ただ、このような提案をしても「読書の時間が取れないからできないんだ」と反論されてしまうことは予想できます。忙しく疲労の蓄積する日常のなかで、本に向き合う余裕などないのは確かかもしれません。
ですが、たとえば経営者として、仕事の時間が1日に10時間となった場合、その10時間をぶっ続けで仕事に勤しんでいるということはそう多くないはずです。

食事の時間、移動時間、仕事がひと段落した隙間時間、これらの時間は断続的かもしれませんが、トータルして考えれば、そこそこの時間的余裕が生まれているはず。
厳しいことを言えば、結局のところ読書時間が取れないのではなく、意識的に取ろうとしていないだけなのです。なにも2時間、3時間をまとめて確保して読書に勤しむ必要はありません。
確実に生まれるであろう時間的余裕に数十分でもいいので読書時間に充て、それを継続する。これだけでも読書の習慣化はできるものです。

本から得られる情報は、SNSよりも芯が強く深掘りもできる

本から得られる情報は、SNSよりも芯が強く深掘りもできる

また、「必要な情報やノウハウはSNSで仕入れるから、わざわざ読書をする必要もない」と話す経営者の方も多くいます。
はっきり言えば、SNSにおける情報の速報性に関しては本をはじめ、どの媒体も敵わないでしょう。

しかし、「経営者としての心得」や「仕事の効率性アップ法」といったようないわゆるTips系に関していえば、客観的なチェックもなく、投稿者の思いつきや突発的に発信されているものの多くあり、情報としての芯はか細いもの。
一方で本の制作にあたっては、プロの編集者や校正者、校閲者の客観的なチェックが入りますので、SNSよりも情報の芯が太く信憑性も高まっています。情報やノウハウの深掘りという面でも、SNSより本のほうが優れていることはいうまでもないでしょう。
最近では、電子書籍も充実しており、無理に本をカバンにねじ込んで重たい思いをしながら運ぶ必要もありません。
Amazonなどで試し読みをするのもよし、書店に足を運ぶのもよし。読書を習慣化する第一歩として、まずは10冊のビジネス書を選書することから始めてみませんか。