みなさんこんにちは。
トップ・マネジメントです。
全国的に桜のシーズンを迎えていますね。
今年は、多くの桜の名所や公園で宴会が解禁されたこともあり、久しぶりに会社やご家族の皆さんとお酒を飲みながらのお花見をされた方も多いことでしょう。
マスクの着用も個人の判断に委ねられるようになったため、街中ではマスクを外した人々の姿も目立つ様になりました。また、先日のWBC優勝も重なり、これまで閉塞感が漂っていた世の中が、一気にパッと明るくなったと感じさせる毎日が続いています。
一方で、4月からは食品やサービスの一部が再び値上げされることが決まっています。明るい話題に比例して経済も上向いてほしい・・・と願っても、当面はこのまま停滞が続きそうな予感がしてならないものです。
さて、今回は「リバースファクタリング」と呼ばれるファクタリングサービスについて解説していきます。
あまり聞きなれないサービス名ですが、一体どのような仕組みでどういったメリットやデメリットがあるのでしょうか。ぜひご一読ください。
“逆さ”になったファクタリング
ネット上などで、「リバースファクタリング」という言葉を目にされたことのある事業主様も多いのではないでしょうか。
「リバース」とは、「逆にする・反対」といった意味を持つ言葉です。「リバースファクタリング」は、その名の通り、通常のファクタリングを“逆さ”にしたサービスであり、最近密かに注目度が高まっています。
“逆さ”にしたサービスと言われても、あまりイメージがわかないものですので、ここからは通常のファクタリングと比較して解説していきます。
目次
通常のファクタリングとリバースファクタリングの比較
まず、一般的なファクタリングである「買取型ファクタリング」の流れを確認してみましょう。
① 掛取引が発生する
② 商品もしくはサービスを納品する
③ 買掛先が請求書を発行する
④ 買掛先がファクタリング契約を結ぶ
⑤ ファクタリング会社が売掛金を買取り、買掛先に代金を支払う
これが通常のファクタリングの基本的な流れです。
一方、「リバースファクタリング」の流れは以下のようになります。
① 掛取引が発生する
② 商品もしくはサービスを納品する
③ 買掛先が請求書を発行する
④ 売掛先がファクタリング契約を結ぶ
⑤ ファクタリング会社が売掛金を買取り、買掛先に代金を支払う
通常のファクタリングと比較すると、④の契約における対象が「買掛先」から「売掛先」に入れ替わっています。
通常のファクタリングでは、依頼元が請求書を発行した買掛先であるの対し、「リバースファクタリング」は、請求書を受領した側である売掛先がファクタリング契約を結ぶことになるわけです。
つまり、「リバースファクタリング」とは、通常のファクタリングとは逆に売掛先を対象としたファクタリングであり、売掛先がファクタリング会社に依頼し、買掛先への代金の支払いを代行してもらう仕組みになっているのです。
リバースファクタリングのメリットとデメリット
リバースファクタリングにも、通常のファクタリングと同じ様にメリットとデメリットがあります。売掛先、買掛先、双方それぞれのメリットとデメリットについて確認しておきましょう。
①売掛先のメリットとデメリット
売掛先にとって最大のメリットとなるのは、買掛金の支払いを実質的に先延ばしできる点です。
一時的な資金不足が発生している場合には、支払いサイトを伸ばすことで資金繰り改善につながる可能性も生まれますし、支払いに遅れることもないため、買掛先への不信感を回避できます。
また、複数の支払いを一本化できるようになりますので、振込手数料や経理作業といった細かな経費や労力の削減も図れるでしょう。
さらに、「リバースファクタリング」は、依頼元が売掛先となるものの、利用手数料の支払いは買掛先が負うことになります。したがって、売掛先にとっては、一切の費用を負担することなく、資金繰りの改善につなげられるようになるのです。
一方、デメリットとしては3社間ファクタリングのみの契約となること。3社間ファクタリングということは、買掛先から「リバースファクタリング」利用に対して合意を得る必要があります。
そのため、たとえ早期の支払いを受けられるといっても、利用手数料の負担を避けたい買掛先であれば、合意を得られない可能性も出てくるということです。
また、そもそも「リバースファクタリング」を取り扱うファクタリング事業者は、そう多くはなく知名度も高くはありません。現状において「リバースファクタリング」は、取引金額の大きな大企業向けの資金調達手段という認識が強く、知名度も低いことから買掛先に利用を打診しても合意を得るのは容易ではないと考えられます。
②買掛先のメリットとデメリット
売掛先が支払いを先延ばしにできると同時に、買掛先にとっては本来の支払い期日よりも早く売掛金を回収できるようになります。これが、買掛先の最大のメリットです。
また、本来の支払いサイトの中で売掛先の経営状況が悪化したとしても、確実の売掛金の回収ができるようになりますので、貸倒れリスクの防止策としても役立ちます。
その反面、先にも述べたとおり「リバースファクタリング」では依頼元が売掛先でありながら、利用手数料の負担は買掛先に発生します。
「リバースファクタリング」は、3社間ファクタリングの利用が前提となりますので、2社間ファクタリングと比べれば負担額は抑えられるものの、それでもやはり大きな負担となることもあるため、慎重に検討する必要があるといえます。
まとめ
今回は、最近密かに注目度が高まっている「リバースファクタリング」を紹介しました。
「リバースファクタリング」は、売掛先が依頼元となる、通常のファクタリングとは逆になった資金調達サービスです。
なお、トップ・マネジメントでは現状において「リバースファクタリング」は取り扱っておりませんが、今後の状況や需要次第では、導入を視野に入れる余地はると考えています。