皆さまこんにちは。
トップ・マネジメントです。
2月22日の日経平均株価が終値で3万9098円に達し、1989年の史上最高値を更新しました。
今年に入り、グングンと上昇を続けていたこともあり、最高値の更新に対する期待は日に日に高まっていましたが、ようやく大台に乗ったという印象です。その要因としては、アメリカの株高や円安、日銀の金融政策、さらには東証プライム市場において3期連続最高益の見通しが立ったことなどが考えられ、今後もさらなる高値更新が期待されます。
その一方で、2023年の名目GDP(国内総生産)は、ドル換算で僅差ながらもドイツに抜かれて4位に後退。2010年に中国に抜かれたことによって3位に転落して以来、さらに順位を下げた結果となりました。アメリカ、中国はさておき、人口が日本の3分の2であるドイツ抜かれるのは、あらためて日本経済低迷の深刻さが浮き彫りになったといえるでしょう。
ただ、先述の要因を背景に、高水準の株価は今後しばらく続くとする見方もあり、企業への資金流入の活発化も見込めます。日経平均株価の市場最高値更新を機に、バブル経済の崩壊から30年以上にわたって続く日本経済の低迷に、ようやく歯止めがかかるのか注目です。
さて、今回のスタッフブログのテーマは「賃上げに踏み切れない企業が真っ先に取り入れるべき改善策」です。
賃上げの動きが活発化する中ではありますが、資金不足や利益低迷などを理由に、賃上げへと踏み切れない中小企業の経営者の方へ向けた内容です。
ぜひご一読ください。

賃上げの意思がありながら未実施の企業はおよそ3割

賃上げの意思がありながら未実施の企業はおよそ3割

約1年前の調査結果にはなりますが、2023年に大手生命保険会社の発表にすると、約3割の企業が、賃上げの意向こそあるものの未実施または不可能と答えたようです。
賃上げに踏み切れない理由は、企業によって様々かと思いますが、その多くは資金不足や利益低迷であることでしょう。
原材料の高騰や円安傾向などは相変わらず解消される気配すら感じられず、現時点において賃上げ不可能である企業は、今後も資金の確保が難しい状況が続く可能性は高いといえます。
それでも、なんとか賃上げを実施したいという意向を持った経営者の方は少なくありません。では、苦境が続く中で賃上げに踏み切るには、どのような改善策を取り入れるべきなのでしょうか。

賃上げを支援する補助金や助成金の活用

賃上げを支援する補助金や助成金の活用

真っ先に取り入れるべき改善策は、補助金や助成金の活用です。
経営や事業を支援する補助金や助成金は複数あることは、経営者であれば知っていることが当たり前であるはずです。
ところが、それらの制度を知っている、または受給要件を満たしているにも拘らず、未受給になっているケースがよくみられます。
実際に、弊社へご相談に訪れるお客様に対して、補助金や助成金の受給についてうかがってみても、「申請の時間が取れない、書類作成が煩わしい」といった理由で躊躇したままになっているケースが本当に多い印象です。
従業員の賃上げを支援する助成金の代表格といえば、「業務改善助成金」や「キャリアップ助成金」、補助金であれば今年の3月から募集が開始される「大規模成長投資補助金」も賃上げに役立てられる制度のひとつです。
それぞれの詳細については割愛しますが、これらの制度に関する要項に目を通したうえで受給要件を満たしているようなら、必ず申請してほしいと考えています。
賃上げに対して消極的であった企業でも、補助金や助成金の活用によって踏み切れたというケースは少なくありません。また従業員にとっても、賃上げはモチベーションのアップに直結する改善のひとつであるため、生産性の向上、さらには利益向上にまでつながったという結果もあります。つまり、補助金や助成金の活用による賃上げは、企業に一過性の効果をもたらすのではなく、様々な相乗効果を持続的に得られる土台づくりにもなるわけです。どちらの制度も、基本的には申請のみで資金の補填が可能だという点も大きな利点でしょう。
賃上げに向けた取り組みと聞くと、大きな改革が必要に感じる経営者の方も多いようですが、まずは厚労省や経産省などのHPから受給できる補助金・助成金の制度を探すことから始めてみてください。

商品やサービスの価格転嫁

商品やサービスの価格転嫁

もうひとつは、価格転嫁です。
おそらく、多くの企業で原材料や光熱費の高騰を理由に価格転嫁を実施していることかと思いますが、人件費を加味した価格設定をしているところはそう多くはない印象です。
しかし、国を挙げて賃上げの取り組みを推進している昨今ですから、人件費を価格転嫁する戦略には正当性が認められなくてはならないはず。ですので、価格を維持したまま、利益の削減が続き、人件費の捻出が難しいようであれば、さらなる価格転嫁も視野に入れるべきでしょう。
その際には、取引先または消費者に対する説明が求められますが、昨今の風潮を鑑みれば、問題なく受け入れてもらえる可能性が高いといえます。
賃上げを実施するにあたって重要なのは、何よりも利益の確保と向上。そのための一策として、まずはもう一段階上の価格転嫁を検討してみましょう。