現金化

小切手の現金化の方法とは?
取り扱いの注意点もわかりやすく解説

小切手の現金化の方法とは?取り扱いの注意点もわかりやすく解説【現金化】

経営者のみなさんは、最近小切手をお使いになりましたか?

最近はすっかり使わなくなったという経営者の方もいれば、まったく使ったことがないという方もいることでしょう。

また、起業したばかりの若い方などの中には、小切手という存在や仕組みすら知らないという方もいるのではないでしょうか。

確かに、最近では昔ほど小切手を使う機会は減ってきていることから流通量も減少傾向にあるようですが、小切手を利用するにあたっては現金を用意する必要がないため、その安全性の高さから代金の支払いに利用される経営者の方々もたくさんいらっしゃいます。

そこで、今回は小切手とはどんなもので、どのように扱うのか。また、利用にあたっての注意点などについてもご紹介します。

小切手とは?

小切手とは?小切手は、決められた金額の支払いを約束する有価証券であり、現金の代わりに支払いを完了できる決済手段のひとつです。

小切手自体にお金としての価値はありませんが、小切手には支払い金額が記載されており、銀行に持ち込むことによって、記載された金額の現金に引き換えることが可能になります。

小切手は発行することを「振出」とよぶことから、振出す側の企業や個人のことを「振出人」といいます。

一方、受け取る側は「受取人」とよびます。さらに、小切手を現金に引き換える銀行などの金融機関は「支払人」です。

つまり、小切手は「振出人」「受取人」「支払人」の3者間で取引きを行うことになります。

小切手の振出から現金化までの流れ

小切手の振出から現金化までの流れ次に、小切手の振出から現金化までの流れをみていきましょう。

口座開設から振出しまで

まず、小切手を振出すためには、振出人があらかじめ銀行などの金融機関に当座預金口座を開設したうえで、審査を受ける必要があります。

なお、受取人はあらためて口座を開設する必要はありません。

審査に通過し、当座預金口座を開設して銀行から小切手用紙が綴られた「小切手手帳」が交付されれば、小切手の振出が行えるようになります。

振出人は、前もって小切手にて支払う金額を当座預金口座に預け入れておき、小切手に以下のような8つの要件を記載します。

なお、この8つは法律で定められた要件ですので、振出す際には必ず漏れなく記載されていなければなりません。

①小切手である旨を示す文字
②小切手金額
③支払い地
④支払人名(銀行など金融機関名)
⑤振出日
⑥振出地
⑦振出人の署名(押印)
⑧支払委託文句「上記金額をこの小切手と引換えに持参人にお支払いください」など。

小切手用紙は交付された時点で、あらかじめいくつかの要件は記載されているため、実際に振出人が記載する事項は、「金額」「振出日」「振出人の署名(押印)」のみです。

受取りから現金化まで

記載要件に誤りがないことを確認した後、振出人は小切手を受取人に渡します。

小切手を受け取った受取人は、その場で記載要件を確認し、問題がなければ金融機関へ持ち込んで現金に換金することが可能になります。

持ち込み先の金融機関は、基本的には支払い地として指定された金融機関となり、振出日の翌日から10日以内に換金しなければなりません。

ただし、何らかの事情によって支払い地に出向くのが難しい場合は、最寄りにある自社の取引銀行でも換金できます。

これを「取引委任」とよびますが、取引委任にて現金化する場合には、取立手数料が発生し、これを負担するのは受取人となります。

ですので、取引委任をする場合は、振出人は受取人に対して前もってその旨を伝えておかなければ、後に大きなトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。

また、支払い地での現金化が原則持ち込み日の翌日にできるのに対して、取引委任では金融機関が手形交換所にて不渡りの有無を確認する必要があるので、持ち込みから現金化までには最低でも3日ほどの時間を要します。

小切手の種類

小切手の種類小切手と一言でいっても、特定の受取人や現金の受け取り方を指定しできるものなど、主に4つの種類があります。

①持参人払込式小切手

一般的に小切手というと、こちらの持参人振込式小切手のことを指します。

持参人振込式小切手の大きな特徴は、「持参人」、つまり「小切手を金融機関へ持ち込む人」が現金を受け取ることができます。

したがって、仮に小切手を紛失や盗難されてしまった場合、それを取得した第三者でも金融機関で現金に引き換えることが可能になるのです。

また、換金可能な金融機関を指定されることもありません。

最も流通量が高く、使い勝手がいい持参人振込式小切手ですが、紛失や盗難されて場合は自己責任となりますので受け取にあたっては注意が必要です。

②線引小切手

線引小切手は、小切手の表面の上部に2本の平行線が引かれている小切手であり、ビジネスでの取り扱いが目立ちます。

線引き小切手には2種類あり、ひとつは特定線引小切手といいます。

特定線引小切手は、2本の平行線の間に金融機関名が記載されており、現金化については記載された金融機関でのみ取り扱っているうえ、指定口座への入金でのみ現金を取得することができます。

もうひとつは、一般線引小切手です。

こちらは、2本の平行線の間が無記載、もしくは「銀行」「Bank」「銀行渡り」と記載されているタイプです。

特定線引小切手と同じく、指定口座への振込でのみ現金を取得することが可能ですが、金融機関を指定されることはありません。

どちらも受取人の口座への振込でしか現金を取得できないため、紛失や盗難にあった場合の不正換金リスクを低下させることができます。

③記名式小切手

記名式小切手は、小切手に記載された「上記金額をこの小切手と引換えに持参人にお支払いください」という文言のうち、持参人という箇所に二重線を引いて具体的な受取人名を記載することで、特定の受取人を指定することのできる小切手です。

線引小切手と同様に、不正換金リスクを避けるのに役立ちます。

④先日付小切手

先日付小切手は、振出日を振出す当日の日付ではなく、先の日付にすることができる小切手です。

振出人が何らかの事情で振出日当日までに当座預金口座にお金を用意できない場合であっても、小切手を振出さなければならない場合で役立ち、現金化を遅らせることができます。

ただし、受取人は振出日が未到来だからといっても換金を拒否されることはなく、小切手を受けとった時点で換金することが可能になります(小切手法28条2項)。

したがって、もしも振出人の当座預金口座が不足していれば受取人は現金を取得することができなくなります。

これを不渡りといい、振出人は不渡りを2度出すと、金融機関から小切手の取引を停止されてしまいます。

小切手の裏書譲渡

小切手の裏書譲渡基本的に、小切手は受取人が金融機関へ持ち込んで現金に換金するものですが、他人に譲渡することも可能です。

他人に譲渡する方法には2つあります。

ひとつは、そのまま他人へ譲り渡す方法。

もうひとつは裏書をしたうえで譲り渡す方法です。

裏書とは、その名の通り小切手の裏面に「被譲渡人にお支払いください」という文言の記載と譲渡人の署名捺印をするものです。

また、譲渡を受けた人がさらに裏書をして他の人へ譲渡することも可能です。

ただし、券面に「裏書禁止」と記載されている場合は、裏書による譲渡はできません。

これにより、特定の受取人を指定しての譲渡が可能となりますが、もしも振出人の当座預金口座の残金が不足していて不渡りとなった場合には、譲渡人が支払わなければなりません。

小切手の振出す際の注意点

小切手の振出す際の注意点 小切手を振出す際の注意点は、やはり事前に当座預金口座の残高を確認して支払い不可となることを避けることでしょう。

前述したとおり、2度の不渡りを出してしまうと金融機関との小切手の取引契約が停止処分となるだけでなく、受取人からの信頼を損うことにもなりかねません。

また、先日付小切手を振出す場合は、振出日を先の日付に変更できるといえども、受取人は振出を受けた当日に換金することが可能ですので、この場合であっても、他の小切手と同様に前もって当座預金口座の残高を確認しておき、もしも記載通りの日付以降に換金をお願いしたいのであれば、事前に受取人にその旨を通知しておくべきだといえます

小切手を受取る際の注意点

小切手を受取る際の注意点 (2)小切手を受取る際の注意点は、受けとったその場で「金額」や「振出人の署名や押印の有無」など、しっかりと記載内容をしっかりと確認することです。

記載内容の確認不足のために、換金が遅れたり、受取額に不足があるといったケースも多々発生しているため、確認には最新の注意を払いましょう。

また、裏書をして他人に譲渡する場合、振出人の当座預金口座の残高不足によって不渡りとなれば、譲渡する側に支払い義務が移る点にも留意しておかなければなりません。

まとめ

まとめ今回は、小切手に関する基本的な知識と現金化までの流れ、そして取り扱いに際しての注意点などをご紹介しました。

小切手は、現金の持ち運びが不要になるだけでなく、受取ることができればすぐに現金化できる、安全性と利便性がとても高い有価証券のひとつです。

その一方で、扱いにあたっては注意しなければならない点がいくつかあります。

小切手を発行する振出人の不備や不手際によっては、不渡りによる銀行取引の停止に陥るリスクや受取人からの信頼を損ねてしまう可能性があります。

また、受取人も紛失や盗難、または確認の不備などによって正しい金額の現金をすぐに受け取れなかったり、最悪の場合には受け取り予定額のすべてを失う恐れもありますので、丁寧かつ慎重に取り扱う必要があります。

小切手自体は金銭として取り扱うことのできない紙切れにすぎないかもしれません。

しかし、振出人も受取人も貴重な資金のひとつとして最新の注意を払いながら振出と受取をしなければならないことを、十分に理解しておきましょう。