皆さまこんにちは。
トップ・マネジメントです。
4月に入り、新年度が始まりました。
新入社員の入社や新規事業の開始など、新たなスタートをきった企業や個人事業主さまも多いのではないでしょうか。また、事業主として経営にチャレンジされる方もいることでしょう。
相変わらず厳しい経済情勢は続いていますが、皆さまのさらなるご発展を心から願っています。
さて、今月のスタッフブログは「ファクタリングのリピート利用と売掛債権の二重譲渡。違いを正しく把握していますか?」というテーマでお伝えします。
「ファクタリングのリピート利用」と「売掛債権の二重譲渡」について混同した認識を持っていると、思わぬ罰則を受ける可能性がありますので、お読みいただいたうえで違いを正しく把握していだだけると嬉しいです。
目次
錯覚しがちな「リピート利用」と「二重譲渡」についての認識
ファクタリング事業者のホームページを閲覧すると、「リピート利用歓迎」というフレーズを目にすることがよくあります。
一方、私たちのホームページでも注意喚起として記載していますが、「売掛債権の二重譲渡」は、法律で禁じられています。
ファクタリングのご利用を検討される方のなかには、「リピート利用はOKで、売掛債権の二重譲渡は禁止?」と疑問を持たれる方が意外に多くみられるのですが、確かに「リピート利用OK」といわれれば、ひとつの売掛債権を何度でも売却できるように錯覚しても無理はないように思えます。
弊社でも、もちろん「リピート利用」については大歓迎ですし、実際に複数回にわたってファクタリングを利用されるお客様はいらっしゃいます。
しかし、ごく少数ではあるものの、「リピート利用」と「売掛債権の二重譲渡」の意味を混同したまま申し込みを希望されるお客様がいることも事実であり、残念ながら「売掛債権の二重譲渡」に該当するためにお断りせざるをえないケースもあります。
では、「リピート利用」と「売掛債権の二重譲渡」は何が違うのでしょうか。
「リピート利用」と「売掛債権の二重譲渡」の違い
ファクタリングにおける「リピート利用」とは、「一度契約を交わしたファクタリング事業者と再度契約を交わすこと」。この「再度」という言葉のニュアンスが、混乱させてしまう要因になっているのかもしれません。
「再度」とは言っても、同じ売掛債権をもう一度ファクタリング事業者に売却することではなく、別の売掛債権を売却することを指します。
たとえば、4月に発生したA社の売掛債権1,000万円をトップ・マネジメントへ4月中に売却したとします。その後、6月に発生した同じくA社の売掛債権1,000万円を再びトップ・マネジメントへ売却する。この仕組みが、ファクタリングのリピート利用です。
これに対し、「売掛債権の二重譲渡」はその言葉通り「同じ売掛債権を繰り返し利用すること」を指します。
4月に発生したA社の売掛債権1,000万円をファクタリング事業者Zに売却したにもかかわらず、今度はトップ・マネジメントに対しても同じように売却する。この一例が、「売掛債権の二重譲渡」です。
「売掛債権の二重譲渡」で受ける可能性のある刑罰
では、「売掛債権の二重譲渡」が発覚するとどうなのでしょうか。
先にも述べた通り、売掛債権にかかわらず「二重譲渡」という行為は違法にあたります。ある特定のモノを一度売却すれば、当然ながらそのモノは自身の手元から離れることになります。したがって、本来は存在しないはずのモノを再度売却しようとする行為になるわけですから「詐欺罪」。もしくはすでに他に渡っているものを勝手に売却する行為だとみなされ、「横領罪」になりえるのです。
ちなみに「詐欺罪」の判決を受けると懲役10年以下、「横領罪」だと単純横領罪の場合は懲役5年以下、業務上横領罪は懲役10年以下という重たい刑罰を受ける可能性があります。
意図的であろうと、認識不足であろうと、たった一度の二重譲渡によって経営どころか人生に大きな影を落としてしまうことは決して珍しくないのです。
リピート利用における注意点
一方の「リピート利用」については違法行為に該当することはなく、多くのファクタリング事業者が歓迎している傾向にあります。
ただし、いくら合法だからといっても利用については慎重に検討しなければなりません。
確かにファクタリングは、融資に比べると審査の通過率は高く、即日契約や着金も可能であるため、使い勝手のいい資金調達手段です。特に、急な運転資金の調達が必要なケースでは他のどのような資金調達手段よりも有用ですし、ピンチが訪れるたびに利用したいと考えるのも無理はありません。
だからといって無闇に売掛債権の売却を繰り返しているだけでは、いつまでも経っても資金繰りの改善は望めませんし、長期的な視点での資金計画も立てられなくなってしまいます。
ですので、ファクタリングのリピート利用を検討する際には、それが効果的であるかどうかについて、まずは弊社スタッフにご相談ください。現状の資金繰りを分析したうえで、資金繰りにダメージを与えない範囲でのリピートプランをご提案します。