悪徳ファクタリング会社による売掛金詐取事件
弊社の勉強会に参加して頂いているファクタリング会社A社と取引しているお客様が、悪徳ファクタリング会社T社と 2社間ファクタリング 契約を行ったところ、 債権譲渡通知の留保 を約束して契約を行ったにも関わらず 債権譲渡登記 を行い、 登記事項概要証明書 を売掛先3件に対し勝手に発送。各売掛先から「これは一体どういう事か?」と説明を求められたお客様は、すぐに悪徳ファクタリング会社T社へ連絡し、「ファクタリングしてもらった代金を全額戻すから、各売掛先に対する債権譲渡を撤回して下さい。」とお願いし、売買代金全額をT社銀行口座へ送金した。しかしながら、T社から各売掛先への債権譲渡通知の撤回が行われる事は一切なく、各売掛先は債権者不確知を理由に本来お客様へ支払うべき売掛金を法務局へ供託。T社は供託されたその日の内に、ファクタリング契約時にS社長から予め取得していた 供託金還付請求権 に関する承諾書を用い、売掛先3社が供託した売掛金全額を回収し、その後音信不通。現在に至る。
本件の内容を聞き、ファクタリング業界全体の信用を損ねる行為であると怒りを覚えると同時に、実際に弊社や弊社をご利用頂く経営者の方々も被害に遭う可能性もあると考えるとゾッとする事件です。
第2、第3の被害者の方を出さぬよう、今回ファクタリング詐欺事件を起こしたファクタリング会社T社の手口を検証し、被害に遭わない為の対策まで本記事に掲載していくので、どうか皆様最後までお付き合いくださるようお願い申し上げます。
目次
悪徳ファクタリング会社の詐欺手口全容を公開
悪徳ファクタリング会社T社の概要
こちらは、情報を元に会社登記簿謄本を取得した情報を一部公開致します。
商号:合同会社ト〇〇〇〇〇〇〇〇〇ン
本店:東京都〇〇区
公告をする方法:官報に掲載する方法により行う
会社設立の年月日:平成29年〇月〇日
目的:1.マーケティングリサーチ業 2.各種コンサルタント業 3.ファクタリング業 4.前各号に附帯関連する一切の事業
資本金の額:金1万円
社員に関する事項:業務執行社員 〇〇〇
悪徳ファクタリング会社T社との契約内容
売掛先A社に発生している約300万円の売掛債権の内、10万5千円をファクタリング手数料5千円差し引き10万円で売買
売掛先B社に発生している約440万円の売掛債権の内、10万5千円をファクタリング手数料5千円差し引き10万円で売買
売掛先C社に発生している約140万円の売掛債権の内、10万5千円をファクタリング手数料5千円差し引き10万円で売買
こちらの契約内容を見て頂ければ、ファクタリング会社様やファクタリングを利用した事のある経営者様でしたら違和感に気付くはずです。
もう少し詳しく状況をご説明すると
- T社がファクタリング契約を行う前には、既に別のファクタリング会社が債権譲渡登記を設定していた
- このお客様のファクタリング調達希望額は100万円だったが、T社からは「他社を利用しているので最初はお付き合い程度の金額(30万)からのスタートでしたらファクタリング可能です」と言われ30万のファクタリング契約を行った
- T社のHPは存在せず、後で分かった事だが電話番号もIP電話だった
という内容だったようです。
このファクタリング契約が不自然であるポイント
- 売掛金の売買が商いであるファクタリング会社なのに何故か資本金が1万円
- 他社が優先登記を行っている状態にも関わらず何故か見積額の売買手数料額が安い
資本金とは、その会社の信用力を図る一つのバロメーターと言っても過言はありません。
特にファクタリングという商売では、様々な経営者様から売掛債権を買わせて頂く為の潤沢な資金を持ち合わせていないと成り立ちません。ですので、ファクタリング会社でもノンバンクなどの民間金融機関でも同じですが、お金を取り扱う商売をしている会社の資本金が極端に少ない場合も、騙されたりしない為にも注意が必要です。
ファクタリングは売掛債権を売買するという性質上、買取りを行った売掛債権を他の債権者に取られないようにする為、買取りをした売掛金に対し『債権譲渡登記』という登記設定を行うケースがあります。
この事例の場合、他のファクタリング会社がT社よりも先に債権譲渡登記を行っているので、T社は不利な状態で契約する事となります。にも関わらず、T社の売買手数料は5%とかなり安めに設定されており、とても不自然です。
ファクタリング契約締結後にT社がとった行動
債権譲渡登記は入れない約束だったが
債権譲渡登記は入れませんとお客様と約束したにも関わらず、T社が取った行動は真逆だった。
2番登記(優先順位が2番目の債権譲渡登記の事)で売掛先全社に対し債権譲渡登記を設定した上、 登記事項概要証明書 を売掛先全社に対し送付。
当然、事の事情を知らない各売掛先から「何をやっているんだ?」とお客様は説明を求められた。
お客様が各売掛先に事情を説明したところ、各売掛先から「債権譲渡がされてしまった以上、御社へ支払う訳にはいかなくなってしまった。今月分の売掛金以外にも来月分の売掛金も全額譲渡対象になっとるぞ。今後取引を継続したければ、早急に何とかしてくれ。」と言われたそうです。
T社とのファクタリング契約の解除
各売掛先から注意を受けたお客様は、すぐにT社へ売買代金である¥315,000円をT社の指定する預金口座へ送金。
送金後、債権譲渡登記を外してもらう約束で送金したにも関わらず、T社から「債権譲渡登記は今は外せない。おたくの売掛先から入金があったらその入金分全額を戻す。」と無茶苦茶な事を言われたそうです。
話がコロコロ変わるT社に不安を覚えたお客様は、A社へ相談。
1番債権譲渡登記の設定を行いお客様と取引していたA社は、お客様から事のあらましを聞き、すぐに登記事項概要証明書を各売掛先に対し送付した。その時にA社は、「弊社が登記は1番だから、弊社で買っている売買代金以外のものは、全額社長に戻してあげるから心配しなくて大丈夫ですよ。」と説明。
T社とグルのファクタリング会社K社
A社に任せておけば助かったはずのお客様だったが、想定外の行動をとった。
友人からA社の売買代金分を借入し、買取期日前にA社へ売買代金全額を戻し、A社の担当者にこう言った。
「前に利用していたファクタリング会社のK社から弁護士を紹介してもらえる事になったんだ!だから、御社(A社)の債権譲渡登記は解除してください。」
A社は、「大丈夫になったのなら良かったですね!」とすぐに債権譲渡登記の解除を行った。
A社が債権譲渡登記の解除を行ったので、残っている債権譲渡登記は、売買代金を送金したにも関わらず登記を外してくれないT社のみとなった。
しかも、A社が登記を解除した事により、T社の債権譲渡登記が2番から1番に繰り上がった。
T社と交渉しているはずの弁護士が実は・・・
T社と債権譲渡登記解除の交渉を行っていた弁護士から連絡があり、「もう少しでT社は登記を解除するので安心してください。」と携帯電話へ連絡があり、安心していたお客様だったが月末入金日の当日、売掛先3社は法務局へ売掛金全額を供託した。その供託金は契約時に予め取られていた供託金還付請求権に関する承諾書を使われ、全てT社におろされてしまった。
何故かというと、弁護士が各売掛先ともT社とも交渉の『この字』すらしていなかったからだ。
お分かり頂けましたか?
実は、以前取引していたファクタリング会社K社が紹介した弁護士というのは、実在する弁護士を騙った詐欺師だったです。
1番登記を入れていたA社が邪魔で、お客様に知人から用立てさせたお金でA社へ売買代金を戻し、登記を抹消させ約880万円の売掛金総額を騙し取った。
もちろんお客様へ880万円が戻されることはなく、お客様の会社はこの件が原因で支払い不能に陥り、つい先月倒産してしまったそうです。
実に悪質なファクタリング詐欺事件である。
主犯はT社、共犯者は弁護士を騙った詐欺師と、K社である。
1000万にも満たない金額を詐取する為に、劇団さながらの役者ぶりを発揮するファクタリング会社がいる事にもビックリしますが、何より危惧している事は、似たような話を聞いたのが一度や二度ではないという事です。資金繰りを必要としている中小企業経営者様に、小さい買取額を売買代金として渡し、債権譲渡通知を売掛先へ発送して、売掛金を根こそぎ取りに行く悪徳ファクタリング会社が増えているそうです。一人でも多くの経営者様がこのような被害に遭われないよう、本日はこのような記事を書かせて頂きました。
悪徳ファクタリング会社の手口まとめ
悪徳ファクタリング会社に騙されない為には
- 売掛金の売買が商いであるファクタリング会社なのに、何故か資本金が1万円
- 他社が優先登記を行っている状態にも関わらず、見積額の売買手数料額が安い
など、利用を検討しているファクタリング会社に不自然な点はないか見極める事です。
あとは、以前弊社で書かせて頂いた関連記事をお読み下されば
悪徳なファクタリング会社に騙されず済むと思います。
お読み頂いてもまだ心配な方は、弊社ファクタリング無料相談電話窓口または、弊社オフィシャルサイトよりメールを頂ければ、適切なアドバイスを差し上げておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
(株式会社トップ・マネジメント無料ご相談窓口:0120-36-2005)
ライン@から匿名でのご相談にも対応致しますので、遠慮なく友達登録して頂きご利用くださいませ。
この記事へのコメントはありません。