資金繰りの課題は、多くの中小企業経営者が直面する重要な経営課題の一つです。
特に売掛金の入金サイトが長く、急な資金需要に対応できない場面では、迅速な資金調達方法が求められます。
本記事では、銀行融資に代わる新しい資金調達手段として注目を集めるファクタリングについて、基本的な仕組みから実際の活用事例まで、経営判断に必要な情報を網羅的に解説していきます。
ファクタリングのメリット・デメリット、会社選びのポイント、さらには業種別の活用事例まで、実践的な内容をお届けしますので、資金調達の選択肢を広げる参考にしてください。
目次
資金調達の新しい選択肢「ファクタリング」とは?

ファクタリングは売掛債権を活用した資金調達方法として、近年中小企業の間で急速に普及しています。従来の銀行融資とは異なる特徴を持ち、資金繰りの課題を解決する有効な手段となっています。
ここでは、ファクタリングの基本的な仕組みと、なぜ今注目されているのかについて詳しく見ていきましょう。
▶関連記事:ファクタリングとは?
売掛債権を活用した資金調達
ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで、入金期日前に資金を調達できるサービスです。
通常であれば売掛金の回収まで30日から90日程度待たなければならないところ、ファクタリングを利用すれば最短即日で現金化できます。この仕組みは、売掛債権という確実性の高い資産を活用するため、企業の信用力だけでなく取引先の支払能力も審査の対象となります。
そのため、創業間もない企業や赤字決算の企業でも利用できる可能性があるのが特徴です。売掛債権の譲渡という形式をとるため、帳簿上では負債が増加せず、貸借対照表をスリム化できる効果もあります。売掛金の早期現金化により、新規事業への投資や設備投資など、成長機会を逃さない経営判断が可能になります。
また、取引先からの大口受注時に必要となる仕入資金の確保にも有効で、ビジネスチャンスを確実につかむための選択肢として活用されています。
さらに、ファクタリングは債権の管理業務を委託できる側面もあり、回収業務の効率化や貸し倒れリスクの軽減にもつながります。こうした複合的なメリットから、単なる資金調達手段を超えた経営ツールとして認識されるようになってきています。
銀行融資との違い
銀行融資とファクタリングは、どちらも企業の資金調達手段ですが、その性質は大きく異なります。
最も顕著な違いは、銀行融資が「借入」であるのに対し、ファクタリングは「資産の売却」である点です。銀行融資では、企業の信用力や担保、保証人が必要となり、審査には通常2週間から1か月程度の時間がかかります。
また、借入金として負債に計上されるため、財務指標に影響を与え、今後の融資枠にも制約が生じる可能性があります。一方、ファクタリングは売掛債権という既存の資産を現金化する取引であり、新たな負債は発生しません。審査の重点は利用企業よりも売掛先の信用力に置かれるため、たとえ自社が税金滞納や赤字決算の状況にあっても利用できる可能性が高くなります。
資金化のスピードも大きな相違点で、ファクタリングなら最短即日から数日以内に資金を調達できるため、急な資金需要への対応力が圧倒的に高いといえます。ただし、銀行融資の金利が年1%から3%程度であるのに対し、ファクタリングの手数料は債権額の1%から20%程度と高めに設定されています。
コスト面では銀行融資に劣るため、利用目的や期間を明確にした上で判断することが重要です。
注目される背景と市場動向
ファクタリング市場が拡大している背景には、中小企業を取り巻く経営環境の変化があります。
近年、銀行の融資姿勢は慎重化しており、特に創業間もない企業や業績が不安定な企業にとって、従来の資金調達手段だけでは十分でない状況が続いています。2020年の民法改正により、債権譲渡に関する規制が緩和されたことも、ファクタリング市場の成長を後押ししました。
また、オンライン完結型のファクタリングサービスが登場し、申込から契約まで非対面で完結できるようになったことで、地方の企業でも気軽に利用できる環境が整いました。中小企業庁の調査によると、資金繰りに課題を抱える企業の約4割が、銀行融資以外の資金調達方法を検討しているとされており、ファクタリングはその有力な選択肢として認知度を高めています。
今後も、企業の資金繰り多様化ニーズと、フィンテック技術の発展により、ファクタリング市場は継続的な成長が見込まれています。金融庁も健全な市場育成に向けた環境整備を進めており、より安心して利用できる仕組みづくりが進められています。
ファクタリングで資金調達するメリットを解説!

ファクタリングを活用した資金調達には、銀行融資にはない独自のメリットが数多く存在します。特に資金繰りに悩む中小企業にとって、これらのメリットは経営を大きく改善する可能性を秘めています。
ここでは、ファクタリングの主要なメリットについて、実務的な観点から詳しく解説していきましょう。
▶関連記事:ファクタリングを利用する7つのメリットとは?デメリットや2社間と3社間の違いについても解説
①最短即日で資金化できる
ファクタリング最大の魅力は、そのスピード感にあります。
申込から資金化まで最短即日、遅くとも数日以内で完了するため、急な資金需要に柔軟に対応できる点が大きな強みです。銀行融資では審査に2週間以上かかることが一般的ですが、ファクタリングなら必要書類を揃えて申し込めば、その日のうちに審査結果が出ることも珍しくありません。
オンライン完結型のサービスを利用すれば、来店不要で手続きが完了するため、時間と労力の節約にもつながります。この迅速性により、月末の支払いに間に合わせたい場合や、突発的な設備トラブルへの対応、取引先からの大口受注時の仕入資金確保など、タイミングが重要な場面で威力を発揮します。
特に人材派遣業や建設業など、先行して支払いが発生する業種では、売掛金の回収前に資金を確保できることで、事業継続性が大幅に向上します。
また、審査に必要な書類も、決算書や請求書、取引先との基本契約書など、通常の事業活動で保有している書類が中心となるため、準備の負担も最小限で済みます。
複数のファクタリング会社に同時に相見積もりを取ることも可能で、条件の良い会社を短期間で選定できる点も見逃せません。
②信用情報に影響しない
ファクタリングは融資ではなく債権の売買取引であるため、信用情報機関への登録が行われず、企業の信用情報に一切影響を与えません。
この特性は、将来的な資金調達戦略を考える上で極めて重要です。銀行融資を受けると借入金として記録され、その情報は信用情報機関に登録されます。
一方、ファクタリングを利用しても、それが信用情報に記録されることはないため、並行して銀行融資の申請を行うことも可能です。
実際、短期的な資金需要にはファクタリングを、長期的な設備投資には銀行融資をというように、使い分ける経営者も増えています。この特徴により、将来的により有利な条件で融資を受けるチャンスを残しながら、当面の資金繰りを改善できるという戦略的な活用が可能になります。
また、2社間ファクタリングを利用すれば、取引先に資金調達の事実を知られることもありません。資金繰りの状況が外部に漏れる心配がないため、取引先との信頼関係を維持しながら資金を調達できる点も見逃せないメリットです。
③赤字や滞納があっても利用できる
ファクタリングの審査で重視されるのは、利用企業の財務状況よりも売掛先の信用力です。
そのため、たとえ自社が赤字決算であっても、税金や社会保険料の滞納があっても、利用できる可能性が高いのが特徴です。銀行融資では、決算書の内容や自己資本比率、債務超過の有無などが厳しくチェックされ、財務状況が悪化している企業は審査に通りにくくなります。
しかし、ファクタリングでは売掛先が信用力のある企業であれば、たとえ自社の経営状態が芳しくなくても、債権を買い取ってもらえる可能性があります。
実際の事例では、社会保険料を分納中の企業や、税金の滞納がある企業でもファクタリングを利用できたケースが多数報告されています。資金繰りの悪化により一時的に支払いが遅れている状況でも、売掛債権さえあれば資金調達の道が開かれるのです。
ただし、売掛先の信用力が低い場合や、過去に売掛金の回収トラブルがあった取引先の債権については、審査が厳しくなる傾向があります。
また、複数の売掛債権を保有している場合、審査に通りやすい債権を選んで申し込むという戦略も有効です。
ファクタリングの種類と2社間・3社間の違い

ファクタリングには主に2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという2つの方式があり、それぞれ特徴やメリットが異なります。
自社の状況や資金調達の目的に応じて適切な方式を選択することが、ファクタリングを効果的に活用する上で重要なポイントとなります。
ここでは、両者の違いを詳しく解説していきましょう。
▶関連記事:ファクタリング2社間・3社間とは?資金調達のポイントを徹底解説!
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、利用企業とファクタリング会社の2社間のみで取引が完結する方式です。
売掛先に債権譲渡の事実を通知する必要がないため、取引先との関係に影響を与えずに資金調達できる点が最大の特徴となっています。この方式では、売掛金の回収は引き続き利用企業が行い、入金後にファクタリング会社へ送金する流れとなります。
手数料は3社間ファクタリングと比較して高めに設定されており、一般的に債権額の10%から20%程度となります。これは、ファクタリング会社が取引先から直接回収できないため、回収リスクが高くなることが理由です。
しかし、取引先に知られずに資金調達できるメリットは大きく、特に重要な取引先との関係を維持したい場合や、資金繰りの状況を外部に知られたくない場合に適しています。
審査スピードも速く、最短即日で資金化できるケースも多いのが特徴です。また、売掛先への通知や承諾取得の手続きが不要なため、手続きが簡素化されており、利用のハードルが低い点も魅力といえます。
さらに、オンライン完結型の2社間ファクタリングサービスも増加しており、全国どこからでも利用できる利便性の高さも評価されています。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、利用企業、売掛先、ファクタリング会社の3社間で契約を結ぶ方式です。
売掛先に債権譲渡の事実を通知し、承諾を得た上で取引を行うため、透明性が高く、手数料も比較的低く抑えられる特徴があります。この方式では、売掛金は売掛先からファクタリング会社へ直接支払われるため、ファクタリング会社にとって回収リスクが低くなります。
その結果、手数料は債権額の1%から9%程度と、2社間ファクタリングと比べて大幅に安く設定されています。ただし、売掛先に債権譲渡の承諾を得る必要があるため、取引先に資金調達の事実が知られることになります。また、承諾取得の手続きに時間がかかり、資金化までに1週間程度を要するケースが一般的です。
取引先との信頼関係が強固で、資金調達について理解を得られる場合や、長期的な取引関係を重視する場合には、手数料の安さから3社間ファクタリングが有利な選択となります。特に大口の債権を扱う場合、手数料の差額は無視できない金額になるでしょう。
近年では、売掛先の承諾手続きをオンラインで完結できるサービスも登場しており、従来よりも手続きの負担が軽減されています。
失敗しないファクタリング会社の選び方とは?

ファクタリング会社は数多く存在し、それぞれサービス内容や手数料、対応スピードなどが異なります。適切な会社を選ばなければ、想定外の手数料負担や、トラブルに巻き込まれるリスクもあるため、慎重な選定が必要です。
ここでは、信頼できるファクタリング会社を見極めるための重要なポイントを解説していきます。
価格と相場を見極める
ファクタリングの手数料は会社によって大きく異なるため、相場を理解した上で適正価格かどうかを判断することが重要です。
2社間ファクタリングの場合、一般的な手数料は債権額の10%から20%程度、3社間ファクタリングでは1%から9%程度が相場となっています。手数料があまりに安すぎる場合は、後から追加費用を請求される可能性や、不透明な契約条件が隠されている可能性があるため注意が必要です。
手数料以外にも、事務手数料や審査費用、振込手数料などの名目で追加費用が発生するケースがあります。契約前に総額でいくらかかるのかを明確に確認し、見積書を取得しておくことが賢明です。また、手数料は債権の金額や支払期日までの日数、売掛先の信用力などによって変動します。
同じ債権でも、複数の会社で見積もりを取ると条件が異なることが多いため、可能な限り相見積もりを取って比較することが大切です。
優良なファクタリング会社であれば、手数料の内訳を明確に説明し、疑問点にも丁寧に答えてくれるはずです。
対面・オンラインから選ぶ
ファクタリングの契約方法には、対面形式とオンライン完結形式の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
対面形式の場合、担当者と直接顔を合わせて相談できるため、疑問点を解消しやすく、信頼関係を築きやすいメリットがあります。一方、オンライン完結形式は、来店の手間が省けて時間と交通費を節約できる点が魅力です。
審査スピードもオンライン形式の方が速い傾向にあり、最短即日での資金化を希望する場合は、オンライン完結型のサービスが適しています。
オンライン形式を選ぶ場合は、会社のホームページでスタッフの顔写真や実績が公開されているか・問い合わせ対応が丁寧かどうかなど、間接的な情報から信頼性を判断する必要があります。
実績と信頼性をチェックする
ファクタリング会社を選ぶ際、最も重要なのは会社の実績と信頼性です。
創業年数や取扱件数、資本金などの基本情報を確認することで、会社の安定性をある程度判断できます。創業10年以上の実績がある会社であれば、長期にわたって事業を継続できている証拠であり、一定の信頼性があると考えられます。
会社のホームページで代表者や担当者の顔写真、プロフィールが公開されているかどうかも重要なチェックポイントです。顔の見えるファクタリング会社を選ぶことで、トラブル発生時にも責任の所在が明確になります。
また、業界団体への加盟状況や、反社会的勢力との関わりを断つための取り組みを明示しているかも確認すべき項目です。
複数の会社を比較する
ファクタリング会社を選ぶ際は、複数の会社から見積もりを取って比較検討することが不可欠です。
会社によって手数料やサービス内容、審査基準が大きく異なるため、比較なしに決めてしまうのはリスクが高いといえます。最低でも3社以上の見積もりを取得し、手数料の総額や入金までのスピード、契約条件などを総合的に比較しましょう。
見積もりを依頼する際は、同じ条件で複数社に問い合わせることで、公平な比較が可能になります。また、見積もりの内訳が明確に示されているかも確認ポイントです。
場合によっては、相見積もりを取っていることを各社に伝えることで、より有利な条件を引き出せる可能性もあります。
業種別ファクタリング活用事例を紹介!

ファクタリングは様々な業種で活用されており、それぞれの業界特有の資金繰り課題を解決する手段として機能しています。
ここでは、実際にファクタリングを利用して資金調達に成功した具体的な事例を業種別に紹介していきます。自社と類似する状況の事例を参考に、ファクタリング活用の可能性を検討してみてください。
法人設立後の運営資金調達事例
埼玉県川口市の建設業を営む40歳の男性経営者は、大手建設会社を退職後、会社員時代のコネクションを頼りに起業しました。
退職金を運転資金として考えていましたが、車両購入や設備投資で想定以上のコストがかかり、資金が底をついてしまいました。銀行融資を打診しましたが、月末の外注費支払いに間に合わない状況でした。
知人経営者からファクタリングを教えてもらい、担当者の顔が公開されている会社に申し込みを決めました。結果として、取引先K社の売掛債権128万円を買い取ってもらい、手数料16万4800円を差し引いた111万5200円を調達することに成功しています。
創業直後で銀行融資が間に合わない場合でも、信用力のある取引先との売掛債権があれば、ファクタリングによる迅速な資金調達が可能です。
入金予定日の資金調達を実施した事例
神奈川県横浜市の情報通信業を営む27歳の男性経営者は、初取引先のA社から仕事を受注し納品を完了させましたが、入金予定日になってもA社からの入金が確認できませんでした。
問い合わせたところ、A社が資金ショートしていることが判明し、各種支払いが困難な状況に陥りました。
この経営者は2社間ファクタリングを利用し、他の取引先からの売掛債権115万円を買い取ってもらうことで、手数料15万円を差し引いた100万円を調達しました。創業2年という規模の企業でしたが、税金の滞納もなくスムーズに審査が通ったのです。
情報通信業では、予期せぬ入金遅延や取引先のトラブルに備えて、ファクタリングという選択肢を持っておくことが重要です。
給与支払い時の資金繰り改善事例
東京都世田谷区で人材派遣業を営む54歳の女性経営者は、過去に取引を重ねた企業から大量の派遣社員採用依頼を受けました。
しかし十分な調査をせずに契約を交わしてしまい、入金予定日の前日にその企業の破産手続きの通知が届きました。派遣社員の給料約1700万円を自社で調達する必要に迫られました。
同業の経営者に相談したところファクタリングを紹介され、すぐに申し込みを行いました。結果として、他の取引先からの売掛債権を活用し、2社間ファクタリングで1700万円を調達することに成功しました。社会保険料を分納中という状況でしたが、手数料204万円で資金調達を実現できたのです。
人材派遣業における従業員への給与支払いという企業の最重要義務を果たすためにも、ファクタリングは強力な選択肢となります。
資金調達のファクタリングならトップマネジメントへ!

株式会社トップ・マネジメントは、創業16年の実績を誇るファクタリング専門会社として、中小企業の資金繰り課題解決をサポートしています。
豊富な商品ラインナップから、お客様の状況に最適なプランを提案し、業界最安水準の手数料で迅速な資金調達を実現します。
2社間ファクタリングや3社間ファクタリングをはじめ、見積書や受注書でも資金調達が可能な独自サービス「受ふぁく」、広告・IT企業専門の「ペイブリッジ」、専用バーチャル口座を活用した「電ふぁく」など、多様なニーズに対応できる体制を整えています。
最短即日での資金化も可能で、急な資金需要にも柔軟に対応いたします。建設業、運送業、製造業、人材派遣業、情報通信業、介護業など、幅広い業種での豊富な導入実績があり、一人ひとりの状況に合わせた最適なプランを提供します。
資金繰りにお困りの場合は、まずは遠慮なくトップ・マネジメントまでご相談ください。
-
事業者金融時代に営業職として中小零細企業の資金調達に従事し延べ500人以上の経営者の資金繰り相談を受け、独立し事業者金融業を開業。
延べ1000社以上の資金調達を支援してきました。事業者金融を廃業後、2006年に欧米で主流になりつつあったファクタリングに着目し、ファクタリング会社を起ち上げ。
現在では日本でも浸透している2社間ファクタリングの仕組みを私が作り、これまでに5.5万社以上の中小零細企業の資金繰りを支援して参りました。






