ファクタリングと手形割引の違いは?手数料・審査・不渡りリスクを比較

ファクタリングと手形割引の違いは?手数料・審査・不渡りリスクを比較

ファクタリングは売掛金を専門会社に売却する方法、手形割引は受け取った手形を支払期日前に金融機関などへ譲渡する方法です。大きな違いは、取引先が支払わなかったときに利用企業が責任を負うかどうかにあります。

入金が手形の期日や翌月末以降になり、仕入れや給与の支払いが先に来れば、手元の資金は不足します。中小企業の経営者や経理担当者にとって、どちらを選ぶかで変わるのは、負担する費用と負うリスクの大きさです。

この記事では、対象債権、償還請求権、審査、手数料・割引料、会計処理、不渡り時の責任、利用場面の7項目で両者を比較しています。

読み終えれば、自社の債権の種類と負担できる費用・リスクから、どちらを使うかを判断できます。

目次

ファクタリングと手形割引の違いを7項目の一覧表で比較

ファクタリングと手形割引は、どちらも入金前の債権を期日前に現金化する方法です。一方で、取引先が支払わなかった場合に誰が損失を負うかは大きく異なります。

一般的なファクタリングでは、売掛金を回収できないリスクも含めて債権をファクタリング会社に移すため、売掛先が支払わなくても利用企業は原則として負担を求められません。

手形割引では、手形が不渡りになると利用企業が手形を買い戻すのが一般的です。この責任の違いは、審査で重視される相手や会計上の扱いにも表れます。

なお、ファクタリング会社が売掛先の不払いリスクをほとんど負わない契約については、裁判で貸付に当たると判断された事例があり、金融庁も注意を呼びかけています。

対象債権から利用場面までを並べた早見表

ファクタリングと手形割引の違いを7項目で整理しました。表を読むときは、最初に「対象債権」を確認してください。

比較項目ファクタリング手形割引
対象債権売掛金(請求書などで確認できる売掛債権)受取手形(取引先が振り出した約束手形など)
償還請求権償還請求権なしの契約が一般的(償還請求権付きの契約もある)不渡り時に利用企業が手形を買い戻す契約が一般的
審査の中心売掛先の信用力手形の振出人の信用力と、利用企業の信用力・取引状況
手数料・割引料ファクタリング会社が定める手数料(契約形態や売掛先の信用力で変わる)割引率と支払期日までの日数をもとに計算する割引料
会計処理償還請求権なしの買取であれば、売掛金の譲渡として処理するのが一般的(契約の実態により扱いが変わる)割引料を手形売却損として処理する(保証債務の扱いは適用する会計基準により異なる)
不渡り・未払い時の責任償還請求権なしの契約では、売掛先の未払いを原則として利用企業が負担しない不渡りになると手形の買戻しを求められる
利用場面手形を受け取っていない企業、売掛先の倒産リスクを移したい企業手形で代金を受け取っている企業、取引のある金融機関などで割引を受けられる企業

手形で代金を受け取っていない企業は手形割引を使えないため、比較の前提そのものが変わります。手形を受け取っている企業は、「不渡り・未払い時の責任」と「手数料・割引料」をあわせて比べると、費用と負うリスクの両面から判断できます。

会計処理の欄は、一般的な扱いを示したものです。ファクタリングをどう処理するかは、償還請求権の有無など契約の実態によって変わります。

手形割引の保証債務についても、適用する会計基準ごとに扱いの違いがあります。実際の処理は、顧問税理士や公認会計士に確認してください。

手数料・割引料の欄には、具体的な料率を載せていません。料率は契約先や条件によって幅があり、一律の数字で比べると判断を誤るおそれがあるためです。

売掛債権を期日前に現金化できる点は両者に共通

ファクタリングと手形割引は、取引先から将来受け取る代金を、支払期日を待たずに現金に換える手段という点で共通しています。

企業間取引では、商品やサービスを提供してから代金が入金されるまで、1か月から数か月かかることがあります。その間も、仕入れ代金、外注費、給与、税金などの支払いは止まりません。

売上が立っていても、入金と支払いの時期がずれれば手元の現金は不足します。ファクタリングは売掛金を、手形割引は受取手形を期日前に資金化し、入金までの期間の運転資金に充てる目的で使われます。どちらも、すでに持っている債権を譲渡して資金を得る仕組みです。

ただし、金融機関では手形割引を与信取引の一つとして扱い、利用企業ごとに設けた割引枠の範囲で受け付けるのが一般的です。受け取れる金額は、どちらも債権額から手数料や割引料などを差し引いた額になります。

入金までの日数は、審査や手続きの状況次第で前後します。資金化しても、入金と支払いの時期がずれる原因そのものは解消されません。入金のずれが一時的か継続的かを確かめたうえで、利用を検討してください。

ファクタリングと手形割引の基本的な仕組み

ファクタリングは売掛金という債権を売買する取引で、手形割引は受け取った手形を譲渡する取引です。どちらの場合も、利用企業は支払期日前に資金を受け取り、期日に支払われる代金は最終的に譲受人であるファクタリング会社や金融機関が受け取ります。

ファクタリングには利用企業、ファクタリング会社、売掛先が関わり、売掛先が契約に加わるかどうかで2社間と3社間の2種類に分かれます。

手形割引は、手形を振り出した取引先、手形を受け取った利用企業、割引をする金融機関の3者の関係で成り立つ取引です。期日に誰が代金を支払い、誰が受け取るのかという違いは、不渡り時の責任や費用の差を理解する前提になります。

ファクタリングは売掛金を専門会社に売却する資金調達

ファクタリングは、企業が持つ売掛金をファクタリング会社に譲渡し、支払期日前に買取代金を受け取る資金調達の方法です。

取引の流れ
  1. 利用企業が売掛金の買取を申し込み、ファクタリング会社が債権の内容を確認する
  2. 契約を結び、ファクタリング会社が手数料を差し引いた買取代金を利用企業に支払う
  3. 支払期日に売掛金が回収され、ファクタリング会社が代金を受け取る

期日の回収方法は、2社間か3社間かといった契約の形式で変わります。法的には、民法上の債権譲渡を利用した取引です。売掛金という資産を売却して資金を得るため、返済義務を負う借入れとは仕組みが異なります。

ただし、取引の性質は契約書の名称だけで決まるわけではありません。「債権譲渡契約」や「買取契約」という名称であっても、取引の実態から貸付に当たると判断されることがあるため、契約内容そのものを確認してください。

2社間と3社間では売掛先の関与と代金回収の流れが異なる

2社間ファクタリングは利用企業とファクタリング会社の2者で契約し、3社間ファクタリングは売掛先も関与したうえで取引を進める方式です。

2社間では、売掛先は契約の当事者になりません。支払期日には売掛先がこれまでどおり利用企業に代金を支払い、利用企業が回収した代金をファクタリング会社へ送金する流れが一般的です。売掛先に知らせずに進められる一方で、ファクタリング会社から債権譲渡登記を求められる場合があります。

3社間では、売掛先が債権の譲渡を承諾し、支払期日に売掛先からファクタリング会社へ直接代金が支払われるのが通常の流れです。利用企業が代金をいったん受け取って送金する手間はなく、売掛先は債権がファクタリング会社に移ったことを知ったうえで支払います。

売掛先への通知や承諾の取り方、回収の方法は契約ごとに定められるため、実際の手続きは契約書で確認してください。

手形割引は期日前の受取手形を金融機関へ譲渡する方法

手形割引は、取引先から受け取った約束手形を支払期日前に銀行などの金融機関へ譲渡し、割引料などを差し引いた金額を受け取る方法です。

取引には、手形を振り出して期日に支払う振出人、手形を受け取った利用企業、手形を買い取る金融機関の3者が関わります。

基本的な流れ
  1. 利用企業が受取手形に裏書をして、金融機関に割引を申し込む
  2. 金融機関が審査を行い、割引料などを差し引いた金額を利用企業の口座に入金する
  3. 支払期日に金融機関が手形を取り立て、振出人の当座預金口座から手形金額が決済される

裏書とは、手形の裏面に署名などをして、手形上の権利を譲り渡す手続きのことです。手形割引は、法的には手形の売買と解されています。

一方で、手形が不渡りになると利用企業が手形を買い戻す取り決めがあるため、金融機関は手形割引を信用供与の一つとして扱います。

現金化できる債権は売掛金と受取手形で異なる

ファクタリングが対象とするのは売掛金で、手形割引が対象とするのは受取手形です。

同じ取引先への販売代金でも、請求書を発行して後日振込で受け取る場合は売掛金、代金の支払いとして約束手形を受け取った場合は受取手形として扱われます。

売掛金は当事者間の契約にもとづく債権であるのに対し、受取手形は手形法の要件を満たした有価証券です。自社がどちらの方法を使えるかは、取引先からどの形で代金を受け取る予定なのかで決まります。会計上も、売掛金と受取手形は別の勘定科目です。

ファクタリングは請求書をもとにした売掛金が対象

ファクタリングで主に買取の対象になるのは、商品の販売やサービスの提供によって発生し、支払期日がまだ来ていない売掛金です。

請求書は売掛金の内容を示す書類の一つで、請求書そのものが売掛金の存在を証明するわけではありません。ファクタリング会社は、契約書や発注書、納品書、過去の入金記録などとあわせて、取引が実際に行われたかを確認する場合があります。

架空の取引をもとにした請求書は、買取の対象外です。取引先との契約に債権の譲渡を禁止・制限する特約があっても、2020年4月施行の改正民法により、売掛金の譲渡は原則として有効とされています。

ただし、売掛先は譲渡後も元の債権者である利用企業へ支払うことが認められているため、特約の有無によって回収の流れが変わる場合があります。

売掛先との関係も含め、契約書の条項は事前に確認してください。売掛金が実在していても、売掛先の状況や契約条件によっては、買取を断られることもあります。

手形割引は取引先が振り出した約束手形が対象

手形割引では、取引先が代金の支払いのために振り出し、自社が受け取った約束手形を主な対象とします。約束手形は、振出人が支払期日に一定の金額を支払うことを約束する有価証券です。

手形法第75条は、約束手形に記載すべき事項として次の7つを定めています。

  • 約束手形であることを示す文字
  • 一定の金額を支払う旨の約束
  • 満期(支払期日)
  • 支払地
  • 受取人の名称
  • 振出日と振出地
  • 振出人の署名

これらの記載が欠けていると、法律で定める例外を除き、約束手形としての効力が認められません。

実務では、全国銀行協会が規格・様式を定めた統一手形用紙が使われています。手形を受け取った時点で、金額、支払期日、振出人の署名などに漏れや誤りがないかを確認してください。

形式に問題のない手形でも、振出人の信用状況や支払期日までの期間によっては、割引を受けられない場合があります。

手形で代金を受け取っていない会社は手形割引を使えない

手形割引は手形を譲渡する取引のため、代金を手形で受け取っていない売掛金には利用できません。取引先からの支払いが銀行振込や口座振替であれば、自社が持つのは売掛金だけです。売掛金の金額がどれだけ大きくても、その売掛金を手形割引で資金化する方法はありません。

一方、売掛金と受取手形の両方を持つ企業では、債権ごとに使える方法が変わります。同じ取引先でも、取引ごとに振込と手形を使い分けている場合や、手形から電子記録債権(でんさい)での支払いに切り替えている場合があります。

でんさいは手形とは別の制度のため、手形割引とは別の手続きで扱われます。

資金化を検討する際は、売掛先ごとの支払条件を請求書や取引基本契約書で確かめ、どの債権が手形で支払われる予定なのかを整理してください。手形を受け取っていない売掛金を期日前に資金化する方法としては、ファクタリングが選択肢になります。

ただし、ファクタリングも売掛先の状況や契約条件によっては利用できないことがあります。

償還請求権の有無と利用企業が負う責任の範囲

償還請求権とは、債権の支払いを受けられなかったときに、債権を譲り受けた側が、譲り渡した利用企業に支払いを求められる権利です。

一般的な買取型ファクタリングは償還請求権のない契約で、売掛先が支払わない場合の損失はファクタリング会社が負担します。

手形割引では、手形が支払われなかった場合に、利用企業が金融機関から支払いを求められる立場です。未回収のリスクを最終的に負うのは、ファクタリングでは主に買取会社、手形割引では利用企業という違いがあります。

ただし、ファクタリングでも契約書に買戻しや支払いの条項があれば、利用企業が責任を負う範囲は広がるため、契約前に条項を確認してください。

ファクタリングは売掛先の未払いを利用企業に求めない契約が一般的

一般的な買取型ファクタリングでは、売掛先の経営悪化や倒産で代金を回収できなくなっても、その損失はファクタリング会社が負担します。

売掛金を買い取った時点でファクタリング会社が新たな債権者となり、回収できないリスクも一緒に引き受ける仕組みだからです。

償還請求権のない契約であれば、売掛先が支払えないという理由だけで、利用企業が買取代金の返還を求められることは原則としてありません。一方で、利用企業の責任がすべてなくなるわけではない点に注意してください。

契約では、売掛金が実在すること、ほかの会社に譲渡していないこと、売掛先から支払いを拒まれる事情がないことなどを、利用企業が保証するのが一般的です。

保証した内容が事実と異なっていた場合や、2社間契約で回収した代金を送金しなかった場合は、契約違反として利用企業が責任を問われます。売掛先の支払不能による損失と、利用企業側の事情による損失は、扱いがまったく別です。

手形割引では利用企業が買戻し義務を負う契約が一般的

手形割引では、手形を金融機関に譲り渡した後も、手形が支払われなかった場合に利用企業が支払いに応じる責任を負います。この責任には、手形法にもとづく遡求義務と、金融機関との契約にもとづく買戻し義務の2つがあります。

遡求義務とは、手形に裏書をした人が、振出人が支払わなかったときに手形の所持人へ代わりに支払う義務のことです。手形割引では利用企業が裏書をして手形を渡すため、手形法上もこの義務の対象になります。

買戻し義務は銀行取引約定書などで定められ、不渡りのほか、振出人や利用企業の信用状態が悪化した場合に、期日前でも買戻しを求められる内容になっている場合もあります。

手形を割り引いて資金を受け取っても、振出人が支払いを終えるまで、利用企業の責任は残ったままです。買戻しを求められる条件や範囲は金融機関ごとの契約で異なるため、割引を申し込む前に約定書の内容を確認してください。

未払い分を利用企業が負担する契約は貸金業法の対象となりうる

ファクタリングと称する契約でも、売掛先が支払わなかったときに利用企業が買戻しや支払いを義務付けられている場合は、貸付けと判断される可能性があります。

政府は、ファクタリングのうち経済的に金銭の貸付けと同様の機能を持つものを業として行うことは、貸金業に該当するとの見解を示しています。

未回収のリスクを利用企業が負う契約は、経済的には売掛金を担保にお金を借り、期日に返済するのと同じ構造になるためです。

契約書に「債権譲渡」や「売買」と書かれていても、名称や形式だけで判断されるわけではありません。貸付けに当たる取引を貸金業の登録なしに行えば違法となり、手数料が利息制限法などの上限を超える問題も生じえます。

契約前には、買戻し条項の有無、売掛先が支払わなかった場合に利用企業が負う支払義務、ファクタリング会社が実際に負うリスクを確認してください。

審査で重視されるのは誰の信用力か

ファクタリングの審査では主に売掛先の信用力が確認され、手形割引の審査では手形の振出人と利用企業の両方の信用力が確認されます。

審査の対象が異なるのは、代金を回収できなかったときに損失を負う相手が違うからです。

ファクタリング会社は売掛先から代金を回収するため、売掛先が期日に支払えるかを重視します。手形割引を行う金融機関にとっては、振出人が支払わなかった場合に買戻しを求める相手である利用企業の支払能力も、欠かせない判断材料です。

なお、審査基準は取扱会社や金融機関ごとに異なり、ファクタリングでも利用企業の状況がまったく見られないわけではありません。

ファクタリングの審査は売掛先の信用力が中心

ファクタリングの審査は、買い取った売掛金を期日に回収できるかどうかが判断の中心になり、その支払いを担う売掛先の信用力が重視されます。

主に確認される項目
  • 売掛先の経営状況や業歴
  • 利用企業と売掛先との取引の継続性や過去の入金実績
  • 売掛金が実際の取引にもとづいて発生していること
  • 支払期日までの期間

売掛先の財務状況や支払実績によって、回収の見通しに対する評価は変わります。利用企業の業績は審査の中心ではないため、赤字の企業でも利用を検討できる場合があります。

ただし、2社間契約では利用企業が売掛先から代金を受け取って送金するため、税金の滞納や過去の契約での支払い状況など、利用企業側の事情も確認されます。

審査の結果は会社ごとの基準で決まるため、利用企業が赤字でも必ず利用できる、売掛先が大企業なら必ず通る、といった前提は持たないでください。

手形割引の審査では振出人と利用企業の両方を確認

手形割引の審査で確認されるのは、期日に手形代金を支払う振出人の信用力と、割引を申し込む利用企業の信用力の両方です。振出人については、経営状況や過去の手形決済の状況、不渡りの有無などが判断材料になります。

実際の商取引にもとづく手形であることも確認の対象で、取引の裏付けがない融通手形は割引を断られるのが一般的です。利用企業については、決算内容や業績の推移、金融機関との取引の状況が見られます。

手形が不渡りになった場合に買戻しに応じられるかを判断するためで、銀行では融資と同様の与信審査の対象です。取引のある金融機関では、割引の上限額として割引枠を設けている例もあります。

審査の基準や割引枠の設定は金融機関ごとに異なるため、同じ手形でも、ある金融機関では割り引けて、別の金融機関では断られる場合も考えられます。

申し込み時に求められる書類の種類

必要書類は、ファクタリングでは売掛金の存在と取引内容を確認する書類、手形割引では手形の原本と利用企業の財務状況を確認する書類が中心です。

一般的に求められる書類

書類の目的ファクタリング手形割引
債権の内容請求書、取引基本契約書、発注書・納品書など受取手形の原本
取引の裏付け売掛先からの入金が確認できる通帳の写しなど手形の原因となった取引の契約書や請求書など(求められる場合がある)
財務状況決算書や確定申告書(求められる場合がある)決算書、試算表など
会社・代表者の確認本人確認書類、登記事項証明書など登記事項証明書、印鑑証明書など(新規取引の場合)

3社間ファクタリングでは、売掛先が債権の譲渡を承諾したことを示す書面も求められます。手形割引を初めて利用する金融機関では、割引の前に銀行取引約定書の締結など、取引を始めるための手続きがあります。

決算書や通帳の写しは多くの申し込みで求められるため、直近のものを手元にそろえておけば、書類の提出を待つ時間を減らせます。

必要書類は取扱会社や金融機関によって異なるため、申し込み前に公式の案内や担当者に確認してください。

申し込みから入金までにかかる日数の目安

入金までの日数は、ファクタリングでは契約形態、手形割引では金融機関との取引関係によって大きく変わります。

ファクタリング会社の中には、申し込みから書類提出、契約までをオンラインで進められるサービスがあり、2社間契約であれば短い日数で入金を受けられる場合があります。3社間契約では売掛先の承諾を得る手続きが加わるため、2社間より日数がかかるのが一般的です。

手形割引は、すでに割引枠のある金融機関に手形を持ち込む場合、新規の申し込みに比べて短い期間で入金を受けられることがあります。

一方、取引のない金融機関で初めて申し込む場合は、口座開設や取引開始の審査が先に必要となり、入金までに時間がかかります。

書類の不足や審査の状況でも日数は前後するため、資金が必要な日から逆算し、申し込み前に所要日数を確認してください。即日の入金を前提にした資金計画は避けたほうが無難です。

手数料と割引料の決まり方と実際のコスト

ファクタリングの手数料は売掛金の額面に対する割合で決まり、手形割引の割引料は割引率と支払期日までの日数から計算されます。

同じ「〇%」という表示でも、ファクタリングの手数料率は1回の取引に対する割合で、手形割引の割引率は年率で示されるのが一般的です。

表示された率をそのまま比べると、実際の負担を見誤るおそれがあります。費用を比べる際は、手数料や割引料に加えて事務手数料などの諸費用も差し引き、最終的に受け取れる金額で判断してください。

ファクタリング手数料は契約形態や売掛先で水準が変わる

ファクタリングの手数料率は一律ではなく、契約形態、売掛先の信用力、債権額、支払期日までの期間などの条件によって変わります。

手数料は、ファクタリング会社が負う回収リスクや事務の負担に応じて設定されるためです。

主な要因と手数料への影響の考え方
  • 契約形態:3社間は売掛先から直接代金を回収するため、2社間より手数料が低く設定される傾向があります
  • 売掛先の信用力:経営状況や支払実績が安定している売掛先ほど、回収リスクは低く評価されます
  • 債権額:少額の債権は、審査や事務にかかる負担の割合が大きくなります
  • 支払期日までの期間:期日が先になるほど、回収までの不確実性が増します

ただし、これらは一般的な傾向で、実際の料率は個別の取引条件で決まります。ファクタリング会社が「〇%から」と示している下限の料率は、条件のそろった取引に適用される例です。

すべての利用者にその料率が適用されるわけではないため、自社の条件で見積もりを取って確認してください。

手形割引料は割引率と期日までの日数で決まる

手形割引料は、手形の額面金額に年率の割引率を掛け、割引日から支払期日までの日数分を日割りで計算するのが基本です。割引率は、振出人と利用企業の信用力や金融機関との取引状況などをもとに、金融機関が決めます。

同じ手形を持ち込んでも、金融機関や利用企業によって適用される割引率が同じとは限りません。期日までの日数も割引料に影響し、期日が先の手形ほど割引料は大きく、期日が近い手形ほど小さい金額で済みます。

ファクタリングの手数料率と比べる際は、表示の基準の違いに注意してください。手形割引の割引率は年率ですが、ファクタリングの手数料率は1回の取引に対する割合です。

例えば、期日まで1か月の売掛金にかかる手数料率を年率に換算すると、おおよそ12倍の数値になります。

率の数字だけを並べるのではなく、同じ額面・同じ期間で実際に支払う金額に置き換えて比べる必要があります。

手形割引料の計算方法と具体的な計算例

手形割引料の基本式

割引料 = 額面金額 × 割引率(年率)× 割引日数 ÷ 年間日数

例として、額面100万円の手形を年率3%、割引日数30日、年間日数365日で計算すると、割引料は約2,466円になります。

1,000,000円 × 3% × 30日 ÷ 365日 = 2,465.75…円

この数値は計算方法を示すための仮定の例で、実際の適用料率や手取り額を示すものではありません。

実際の計算では、割引日数の数え方(初日と期日の両方を含めるかどうか)、1円未満などの端数処理、金額を一定の単位で区切って計算する付利単位が、金融機関ごとの計算条件に従って決まります。

最低割引料や最低日数を定めている場合もあるため、正確な金額は割引を申し込む金融機関に確認してください。

諸費用を含めた手取り額で実質的な負担を比べる

実質的な負担は、額面金額から手数料や割引料と諸費用をすべて差し引いた、最終的な入金額で比べます。

手数料や割引料のほかにかかる費用
  • ファクタリング:事務手数料、債権譲渡登記の費用、契約書の印紙代、振込手数料など
  • 手形割引:金融機関所定の手数料など(設けられている場合)

同じ額面100万円で比べた例は次のとおりです。数値はすべて仮定で、実際の料率や費用を示すものではありません。

項目ファクタリング(例)手形割引(例)
額面金額1,000,000円1,000,000円
手数料・割引料50,000円(手数料率5%と仮定)2,466円(年率3%・30日と仮定)
その他の諸費用10,000円(仮定)1,000円(仮定)
手取り額940,000円996,534円

見積もりを受け取ったら、項目ごとに差し引かれる金額を確認し、入金額が明記されているかを見てください。

ただし、手取り額が多いほうが有利だとは言い切れません。償還請求権のないファクタリングでは売掛先の未払いリスクを手放せる一方、手形割引では不渡り時の買戻し責任が残ります。費用と、引き受ける責任の両方を並べて判断してください。

会計処理の方法と決算書に与える影響

ファクタリングも手形割引も、債権を譲渡したものとして処理する場合は、売掛金や受取手形を帳簿から外し、受け取った金額との差額を売却損として計上します。

手形割引は手形の譲渡として受取手形を帳簿から外す処理が一般的で、不渡り時の遡求義務を保証債務として認識するかどうかが論点です。

ファクタリングは、債権に対する権利の支配が相手に移ったかどうかによって、売却として処理するか、受け取った資金を負債として計上するかが分かれます。判断の基準は契約書の名称ではなく、取引の実態です。

ファクタリングの会計処理は契約の実態によって異なる

ファクタリングを売掛金の売却として処理できるかどうかは、契約の名称ではなく、売掛金に対する権利の支配がファクタリング会社に移ったかどうかで判断します。

企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」は、次の要件をすべて満たした場合に、金融資産の消滅を認識するとしています。

  • 譲渡した売掛金が、利用企業やその債権者から法的に切り離されている
  • ファクタリング会社が、売掛金から得られる権利を通常の方法で受け取れる
  • 利用企業が、売掛金を期日前に買い戻す権利や義務を実質的に持っていない

これらを満たす取引は、売掛金を帳簿から外し、受取額との差額を売却損として処理します。要件を満たさない取引では、売掛金を残したまま、受け取った資金を借入金などの負債として計上する処理が必要です。

償還請求権が付いている契約でも、支配が移転していれば売却として処理し、遡求に備えた義務を負債として計上する場合もあります。

「買取型」という名称だけで、売掛金を消滅させる処理が一律に認められるわけではありません。

中小企業では中小企業向けの会計ルールを使う場合もあるため、処理の方法は顧問税理士や公認会計士に確認してください。

ファクタリング利用時の仕訳例

売掛金100万円を95万円でファクタリング会社に売却した場合の仕訳例です。金融資産の消滅を認識できる取引であることを前提としています。

借方金額貸方金額
普通預金950,000円売掛金1,000,000円
売上債権売却損50,000円

売却損の勘定科目には、「売上債権売却損」「債権売却損」など、会社ごとに異なる名称が使われています。

2社間契約で売掛先から代金を受け取った場合は、ファクタリング会社へ送金するまで、受け取った代金を預り金などの科目で管理します。

消滅の要件を満たさず負債として計上する取引では、売掛金は残り、受け取った資金を借入金などで処理するため、上の仕訳とは形が異なる点に注意が必要です。

手形割引では割引料を手形売却損として処理する

手形割引では、受取手形を金融機関に譲渡したものとして扱い、額面と受取額の差額である割引料を「手形売却損」として計上するのが一般的です。割引料は、利息ではなく手形を売却したことによる損失として扱われます。

もう一つの論点が、保証債務の扱いです。利用企業は、割引後も不渡りに備えた遡求義務を負い続けます。金融商品に関する会計基準では、譲渡に伴って新たに生じたこの義務を、時価で負債として認識する考え方がとられています。

手形売却損は譲渡によって確定した費用ですが、保証債務は将来支払う可能性に備えて計上する負債の見積りです。

性質が異なるため、両者は分けて考えます。中小企業向けの会計ルールでは、保証債務を計上せず、割引した手形の残高を注記で示す処理が用いられることもあります。

どの基準を適用するかによって処理が変わるため、自社の会計方針を確認してください。

手形割引時の仕訳例

額面100万円の受取手形を割り引き、割引料1万円を差し引いた99万円を受け取った場合の基本の仕訳例です。

借方金額貸方金額
普通預金990,000円受取手形1,000,000円
手形売却損10,000円

保証債務を認識する場合は、この仕訳とは別に処理を行います。保証債務の時価を5,000円と仮定した場合の仕訳例は次のとおりです。

時点借方金額貸方金額
割引時保証債務費用5,000円保証債務5,000円
期日に決済されたとき保証債務5,000円保証債務取崩益5,000円

金額は説明のために置いた仮定です。保証債務の金額の見積り方は、適用する会計基準や手形の状況によって異なります。

貸借対照表や財務指標への表れ方

売却として処理できる取引では、貸借対照表の売掛金や受取手形が減り、その分だけ現預金が増え、負債は増えません。債権を帳簿から外して資金を得るこの処理は、「オフバランス化」と呼ばれる方法です。

手形割引では、売却として処理していても、保証債務を計上した場合はその分が負債に表れます。注記で割引手形の残高を示している場合、金融機関は財務分析でその残高を実質的な借入れとして加えて見ることがあります。

負債として計上する取引では、債権が資産に残ったまま借入金が増えるため、総資産と負債がともに増えます。3つの処理による違いは次のとおりです。

項目売却処理
(ファクタリング)
手形割引負債として計上する場合
売掛金・受取手形減る減る残る
現預金増える増える増える
負債増えない保証債務を計上する場合は増える借入金などが増える

負債の額が増えなくても、手数料や割引料の分だけ利益と純資産は減ります。そのため、負債比率などの指標が必ず改善するとは限りません。

決算書上の数字が変わることと、資金繰りや財務の状態が改善することは別の問題です。利用の頻度や金額も含めて、決算書を読む側がどう評価するかを考える必要があります。

不渡りや売掛先の未払いが起きたときの責任

手形が不渡りになると、手形割引を利用した企業は金融機関から手形の買戻しを求められ、手形金額を自社の資金で支払う必要が生じます。

ファクタリングで償還請求権のない契約を結んでいる場合は、売掛先が倒産しても、回収できない損失を利用企業が負担することは原則としてありません。

ただし、支払不能が起きた後も、利用企業には通知や資料の提供、受け取った代金の引渡しなどの対応が求められることがあります。

二重譲渡や架空の債権など、利用企業自身の行為が原因の場合は、どちらの方法でも責任を問われます。

不渡りが起きたときの買戻しの手順と支払期限

割り引いた手形が不渡りになった場合、金融機関から利用企業へ連絡があり、手形の買戻しを求められるのが一般的な流れです。

不渡り発生後の手順を整理すると、おおむね次のようになります。

  1. 支払期日に手形が決済されず、金融機関から不渡りの連絡を受ける
  2. 金融機関から、買戻しや支払いの請求を受ける
  3. 請求された金額、内訳、支払方法、支払期限を確認する
  4. 手形金額などを支払い、手形を返してもらう

請求額には、手形金額のほか、契約によっては遅延損害金などが含まれます。支払いが遅れた場合に、金融機関が利用企業の預金と相殺する取り決めを設けている契約もあります。

支払期限や請求の方法は金融機関との契約で決まるため、一律の期限はありません。請求を受けたら、約定書と請求内容を照らし合わせ、期限までの支払計画を担当者と確認してください。

買い戻した手形は利用企業の手元に戻るため、その後は振出人に対して手形金の支払いを求めることになります。

買戻しの発生で資金繰りが悪化するおそれ

買戻しを求められると、利用企業は手形金額に相当する資金を予定外に用意しなければならず、運転資金が不足するおそれが生じます。

手形割引で受け取った資金を、すでに仕入れや給与の支払いに使っている場合もあります。振出人からの支払いも見込めない状態で買戻しの資金を確保するため、ほかの支払いを後回しにせざるを得ない事態も起こりえます。

同じ振出人から複数の手形を受け取っている場合は、ほかの手形も続けて不渡りになるおそれがあり、負担はさらに大きくなります。

備えとして、資金繰り表に割り引いた手形の金額と期日を記録し、期日を迎えるまでは買戻しの可能性がある資金として管理してください。

振出人の支払いの遅れや業績悪化の情報を得た段階で、取引のある金融機関に早めに相談すれば、支払方法の調整や資金手当ての選択肢を検討する時間を確保できます。

特定の振出人の手形に資金化を頼りすぎないことも、買戻しの影響を抑える方法の一つです。

売掛先が倒産した場合のファクタリングの扱い

償還請求権のない契約で売掛金を譲渡していれば、売掛先が倒産しても、回収できない損失はファクタリング会社が負担します。

売掛金はすでにファクタリング会社のものになっているため、倒産手続きへの債権の届出や配当の受取りも、原則としてファクタリング会社が行います。受け取った買取代金を、利用企業が返す必要は通常ありません。

ただし、利用企業にも果たすべき対応が残ります。契約によっては、売掛先の倒産を知った時点でファクタリング会社に通知する義務や、取引の記録など回収に必要な資料を提供する義務が定められています。

2社間契約で、倒産前に売掛先から代金の一部を受け取っていた場合は、その代金をファクタリング会社へ引き渡す必要があります。

倒産の連絡を受けたら、契約書の通知条項を確認し、ファクタリング会社へ速やかに連絡してください。償還請求権付きの契約や、契約違反がある場合は扱いが異なるため、契約内容に沿った対応が求められます。

二重譲渡などの契約違反があると利用企業が責任を負う

償還請求権のない契約でも、利用企業自身の行為が原因で損失が生じた場合は、損害賠償などの責任を負います。売掛先が支払えないことによる損失とは、責任の性質が別です。

責任を問われる主な行為
二重譲渡

同じ売掛金を複数のファクタリング会社などに譲渡すること

架空債権の申告

実在しない取引や金額を水増しした請求書で売掛金を譲渡すること

表明保証違反

売掛金に関して契約で保証した内容が事実と異なること

回収金の不適切な扱い

2社間契約で売掛先から受け取った代金を送金せず、ほかの支払いに使うこと

これらは契約違反になるだけでなく、内容によっては詐欺罪などの刑事責任を問われかねません。二重譲渡や架空債権が判明した場合、ファクタリング会社から契約の解除や買取代金の返還、損害の賠償を求められる場合もあります。

意図せず違反しないよう、どの売掛金をどの会社に譲渡したかを一覧で管理し、請求書や入金の記録と照らし合わせておいてください。

ファクタリングと手形割引の違いから考える自社に合う使い分け

どちらを選ぶかは、自社が受取手形を持っているか、費用と未回収リスクのどちらを重視するか、取引先に知られることをどう考えるかで変わります。

手形で代金を受け取っていない企業は、手形割引を選べません。手形を持っている企業でも、割引料の低さを取るか、不渡り時の責任を手放すことを取るかで判断が分かれます。どちらか一方が常に有利になるわけではなく、同じ企業でも債権や時期によって使い分けられます。

手形の取扱いを縮小する金融機関も出ているため、手形割引を使えるかどうかを、取引金融機関の最新の案内で確かめる必要もあります。

手形を受け取っていてコストを抑えたい場合

受取手形を持ち、資金化にかかる費用を重視する企業にとって、手形割引は検討すべき選択肢です。割引料は年率の割引率で日割り計算されるため、期日までの日数が短い手形ほど負担を抑えられます。

条件を比べる際に金融機関へ確認する項目
  • 適用される割引率
  • 割引日数の数え方と最低割引料の有無
  • 割引料以外の手数料
  • 割引枠の上限と空き状況

ファクタリングなど、ほかに使える資金化の方法がある場合は、同じ額面で手取り額を並べると判断できます。

ただし、手形割引が常に安いとは限りません。割引率は振出人や利用企業の信用力によって変わり、条件によっては負担が大きくなる場合もあります。

また、手形割引では不渡り時の買戻し義務が残る点も考慮が必要です。振出人の経営状況に不安がある場合は、費用の低さだけでなく、買戻しが起きたときに自社が支払える資金を持っているかも合わせて検討してください。

売掛先の倒産リスクを手放したい場合

売掛先の経営悪化や倒産による未回収リスクを自社から切り離したい企業には、償還請求権のない買取型ファクタリングが選択肢になります。

売掛先の支払不能による損失をファクタリング会社が負担する契約であれば、信用状態に不安のある売掛先への依存度を下げられる点が利点です。

契約前に契約書で確認する内容
  • 売掛先が支払えない場合に、利用企業が支払いを求められる条項がないか
  • 買戻しを求められる条件が定められていないか
  • 利用企業が保証する事項(表明保証)の範囲

「償還請求権なし」と説明されていても、契約書の条項がその説明と一致しているかを確かめる必要があります。一方で、信用力が低い売掛先の債権であれば、必ず買い取ってもらえるわけではありません。

ファクタリング会社は売掛先の信用力を審査するため、倒産のおそれが高いと判断された売掛金は、買取を断られたり、手数料が高く設定されたりすることがあります。

リスクを手放したい売掛金ほど買取の条件が厳しくなる点も、踏まえて判断してください。

取引先に資金調達を知られたくない場合

取引先に資金調達を知られたくない企業には、売掛先への通知や承諾を伴わずに契約できる2社間ファクタリングが選択肢になります。2社間契約では、売掛先はこれまでどおり利用企業に代金を支払うため、通常の取引の流れはそのままです。

ただし、取引先に知られる可能性がまったくないわけではありません。債権譲渡登記を行った場合、登記の概要は第三者も証明書を取得して確認できる仕組みです。

利用企業が回収した代金を期日に送金しなかった場合などには、契約にもとづき、ファクタリング会社が売掛先へ債権譲渡を通知する場合があります。

契約前に、債権譲渡登記の要否と、売掛先へ通知する条件が契約書にどう定められているかを確認してください。手形割引は、手形を裏書して金融機関に渡す取引で、振出人の承諾を得る手続きはありません。

ただし、手形の裏面には裏書の記録が残ります。どの方法でも、秘密が必ず守られるとは限らない前提で選んでください。

電子交換所での手形交換終了と今後の選び方

全国銀行協会は、2027年3月31日をもって電子交換所での手形・小切手の交換を廃止すると公表しています。

ただし、2027年4月1日から手形・小切手が法的に使えなくなるわけではありません。同協会は、4月以降は電子交換所を介さない決済になるため、金融機関の判断で手形の取扱いが変わる可能性があると説明しています。実際に、手形・小切手の最終振出期限を2026年9月30日とした金融機関もあります。

期日が2027年4月以降の手形の取立受付を終了した金融機関もあり、取扱いの終了時期や受付条件は一律ではありません。手形割引を今後も使う予定がある企業は、取引金融機関の最新の公式案内で、割引や取立を受け付ける期限を確認してください。

受け取る手形が減っていく場合は、売掛金のファクタリングなど、手形以外の資金化方法を含めて見直す時期に来ています。

監修者情報

株式会社トップ・マネジメント
元代表取締役 大野兼司

事業者金融時代に営業職として中小零細企業の資金調達に従事し延べ500人以上の経営者の資金繰り相談を受け、独立し事業者金融業を開業。延べ1000社以上の資金調達を支援してきました。事業者金融を廃業後、2006年に欧米で主流になりつつあったファクタリングに着目し、ファクタリング会社を起ち上げ。現在では日本でも浸透している2社間ファクタリングの仕組みを弊社が作り、これまでに5.5万社以上の中小零細企業の資金繰りを支援して参りました。トップ・マネジメント代表取締役を退任後、現在は合同会社Success Gateにて、これまでに築き上げた金融に関する幅広い知見を活かし、web広告事業や経営コンサルティングを行っています。

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