厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合は85.4%、「完全週休2日制」を採用している企業割合は53.3%となっています。また 「完全週休2日制」を採用している企業の内、企業規模「30~99人」では52.5%という数字が出ています。
参照:厚生労働所「令和5年就労条件総合調査」
一方、日本の経済を支える中小企業や個人事業主には、土日祝日も営業している先が多くあります。また飲食業や不動産業など業種によっても土日祝日を営業としている企業も多くあります。土日祝日に急な資金需要が発生した場合、どのような資金調達手段があるのでしょう。
銀行などの金融機関は、基本的に土日祝日は休みです。民間ノンバンクの中には土日祝日も「受付可能」としている先もありますが、審査に応じてくれるかどうかは分かりません。
「即日資金化」を売りとしている「ファクタリング」はどうでしょうか。よく調べてみると、土日祝日に受付だけでなく、入金まで可能なファクタリング会社は少数ですが見つけることができます。
本記事では、土日祝日でも利用できるファクタリングサービスをご紹介するとともに、土日祝日のファクタリング利用上の注意点などを解説していきます。
ぜひ最後までお読み下さい。
土日祝日でも利用できるファクタリングは存在している!
土日祝日は金融機関も基本的に営業していないために、ファクタリングも利用できないと考える方も多いでしょう。結論から申し上げますと、土日祝日でも利用可能なファクタリングサービスは探すと見つけることができます。
ファクタリング会社が債権を買い取るという業務自体は、金融機関が休みでも問題ありません。ただし買取金額を利用者の銀行口座へ振込されるのは金融機関営業日となります。つまり土日祝日に振込依頼を行った場合、当日中の入金が物理的に不可能です。
ただし最近ではインターネットバンキングの普及も進み、土日祝日でも当日振込・当日入金が可能な金融機関も増えています。このような金融機関を利用できれば、ファクタリングにおいても、相談や審査受付だけでなく、買取金額の入金対応まで土日祝日でも可能になります。
インターネットからの申込が主流となっているファクタリングでは、土日祝日でも申込自体の受付を行っている先が多くあります。しかし土日祝日に申込を受付、その日の内に審査を実施して、最短当日中に入金まで完了できるサービスはまだまだ少ないのが実情です。
土日祝日は金融機関だけでなく、手形交換所なども休みです。土日祝日に営業している中小企業や個人事業主においても、土日祝日に急に資金繰りが不足した場合でも、よく営業日に対応できれば、不渡りなどを発生されることもない、という事情もあるのかもしれません。
急速に市場が拡大しており、顧客獲得競争が激化しているファクタリング業界ですので、今後、顧客利便性を考慮したサービスの拡充も期待できます。土日祝日での対応もその一つで、今後、特に小口買取に特化したファクタリング会社で土日祝日での入金に対応したサービスの登場も期待したいところです。
ただし現状では、基本的に「入金は翌営業日を前提として、ファクタリングを検討する」という姿勢で対応していくことが望ましいと思われます。
土日祝日対応可能なファクタリングサービス選択の5つのポイント
① 土日祝日対応可能のファクタリング会社を探す
まずは土日祝日対応可能のファクタリングサービスを探す必要があります。土日祝日に営業しているファクタリング会社は少ないですが、申込受付自体は行っているという先は比較的見つけることができます。
とはいっても、あくまで「受付」のみ。例えるなら「メールを受信する」のみの状況です。休みの事務所では当然、電話も繋がりませんので、相談なども行うことができません。
どうしても土日祝日にまとまった資金が必要な場合は、土日祝日に入金まで可能なファクタリング会社が最優先となります。公式ホームページをよく確認して、対応可能かどうかを見極めるとともに、一度電話をかけて繋がるかどうか確認してみましょう。もし電話がつながるのであれば、手続きを進めることができるかもしれません。
一方、最悪翌営業日でも間に合うという場合は、手数料条件などを比較して、受付のみ完了させておくとよいでしょう。その際はメールなどで「急いでいる旨」も送信しておくことを忘れずに。
② 入金までのスピードが早い先を選ぶ
土日祝日に受付だけ済ませる場合でも、入金まで希望する場合も、いずれにしても入金までのスピードが早いことは大前提となるでしょう。
ファクタリング会社により審査スピードや入金までのスピードは異なります。当然スピードが早いファクタリング会社のほうが資金調達はスムーズに進みますので、事業に対しても対応が早くできます。
入金までのスピードは、公式ホームページの一番に明記している先も多くなっており、各社の売りとなっています。「最短○○時間」や「最短即日」といった表記を大々的に行っている先であれば、スピードにも自信を持っていると判断できます。
③ オンライン完結型のファクタリングを選択する
土日祝日、もしくは翌営業日の資金化を望むのであれば、オンライン完結型のファクタリングも必須となるでしょう。ファクタリング会社へ訪問するケースや、担当者が出張で対応するケースでは、やはり時間と手間がかかります。特にファクタリング会社の所在地が遠方であれば、即日資金化はかなり困難です。
最近では、多くの先でクラウドサインなどを活用して、申込だけでなく電子契約で来店不要を売りとしているファクタリング会社も増えています。このようなファクタリング会社であれば、必要書類さえ整えば画像化して提出することで、すぐに審査に応じてくれる可能性も高いです。
④ 2社間ファクタリングを利用する
ファクタリングの形式には大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があります。このうち「3社間ファクタリング」では債権売却に対して売掛先の同意を得る必要があります。それだけ時間がかかることから素早い資金調達には不向きです。
対して2社間ファクタリングは、ファクタリング会社と申込者との間のみの契約です。債権売却に対し売掛先の同意は不要で、ファクタリング会社と申込者で合意すれば、すぐに資金調達が可能になります。
ただしファクタリング会社にとっては、3社間ファクタリングに比べて2社間ファクタリングは、リスクが高い取引です。その分、手数料が高く設定されることに注意しなければいけません。スピードを取るか手数料の低さを取るか、現状とよく照らし合わせましょう。
⑤ 債権譲渡登記が不要のファクタリングサービスを選ぶ
スピード重視であれば、債権譲渡登記が不要なファクタリングサービスを選択することも覚えておきましょう。債権譲渡登記とは、その名の通り債権譲渡の事実を登記によりきろくすることです。
債権譲渡登記手続きは債権譲渡登記所として指定されている東京法務局(東京法務局民事行政部債権登録課)で行う必要があります。ところが法務局は土日祝日が休みですので、少なくとも翌営業日の手続きとなってしまいます。そもそも債権譲渡登記は東京法務局以外では行うことができませんので、遠方の事業者の場合、手続きに数日以上かかってしまいます。
以上から、土日祝日の入金、翌営業日の入金問わず、債権譲渡登記が不要、もしくは留保で対応可能なファクタリング会社も、優先条件となります。
土日祝日にファクタリングを利用する際、注意すべき7つのポイント
① 入金は翌営業日となる前提で行動する
これまで述べたように、一部のファクタリング会社では「土日祝日でも入金対応」の先がありますが、まだまだ数が少ないのが実情です。またこのような会社であっても土日祝日はスタッフの出勤数も少ないことも予想されます。
資金が必要な状況次第ですが、可能なかぎり「入金は最短翌営業日となる」を前提として行動するようにしましょう。
② 必要書類を事前に準備しておく
ファクタリング会社により必要書類は異なりますが、いずれにしても事前に素早く必要書類は整えることで、手続きもスムーズに進みます。
基本的に「売掛債権の内容を示す請求書など」「入出金明細(通帳コピーなど)」の2点は、どのファクタリングサービスでも必要となります。その他「決算書・確定申告書」「売掛先との基本契約書」「履歴事項全部証明書」「印鑑証明書」「身分証明書」などは、提出のタイミングもファクタリング会社により異なります。
土日祝日でも営業しているファクタリング会社なら、電話などで詳細を確認するようにしましょう。土日祝日は申込受付のみというファクタリング会社であれば、公式ホームページなどで確認しつつ、可能な限りの書類を整えて翌営業日に備えるのが望ましいです。
③ 申込はできるだけ早めに済ませる
ファクタリングの審査は、基本的に申込受付順に行われます。いわば「早い者勝ち」ですので、申込をできるだけ早く済ませるに越したことがありません。
必要書類が準備できれば、速やかに、できれば午前中に申込を行うようにしましょう。土日祝日に営業しているファクタリング会社であれば、十分当日中の資金化も可能でしょう。
④ 急に資金需要が発生した理由をきちんと説明する
申込を行った後は、「なぜ土日祝日に急に資金が必要になったのか」という理由を説明しましょう。可能であれば電話で直接伝えます。土日祝日に電話がつながらないファクタリング会社であれば、メールなどで翌営業日にすぐ確認できるようにしておくことをおすすめします。
明確に理由を伝えることで、例外的な対応として審査を優先して行ってもらうことも期待できます。
⑤ 高額の買取審査は時間がかかることもある
ある意味当然ですが、ファクタリングの審査は、高額買取になるほど審査に時間がかかります。実績の乏しい高額買取は、ファクタリング会社にとってもリスクが高くなります。
こちらも状況次第ですが、できれば実績のある小口債権から提示することで、審査も比較的スムーズに進むでしょう。
⑥ 条件面を忘れずに確認する
「どうしても早急に資金が必要」と追い込まれた状況においては、スピードだけに目が生きがちです。手数料など他の条件の確認は不十分で、思いもかけない失敗を招くかもしれません。
たしかにスピードは重要ですが、その他の条件面も必ず確認するようにしましょう。冷静になることで、利用しようとしているファクタリングの特色も見えてくるはずです。
⑦ 月初・月末・期末は込み合う傾向がある
ファクタリングは、資金需要が活発になる月初・月末・期末などは相談や申込が多くなり、込み合う傾向があります。また10日・20日・25日といった多くの企業が決済日として設けている日も込み合う傾向が強いです。
ファクタリングの審査は、基本的に申込受付順に行われます。「最短即日」としているファクタリング会社であっても、込み具合によってはかなり時間がかかることもあります。まして土日を挟んだ月末・月初ではなおさらです。
この点も踏まえて、なるべく早めの行動と相談を心がけましょう。
「えんナビ」であれば土日祝日でも入金まで対応可能
土日祝日でも申込受付だけでなく、入金まで対応可能なファクタリングサービスのおすすめ先は「えんナビ」です。「えんナビ」は「株式会社インターテック」が運営するファクタリングサービスです。
「えんナビ」の公式ホームページには「24時間365日、土日祝日も、スタッフが対応させていただきます。」との記載があります。ポイントの第一として挙げており、土日祝日でも入金まで対応可能のサービスとして人気を集めています。
「えんナビ」の買取可能金額は「50万円~5,000万円」と、どちらかといえば少額買取向けのサービスという印象です。この点からも土日祝日に営業している中小企業や個人事業主におすすめのファクタリングサービスといえるかもしれません。
ただし買取までの日数としては、いくつか確認できる公式ホームページでは「最短1日で資金調達」「資金調達まで最短翌日」「ファクタリング実行まで最短即日」といった表記となっています。はたして「最短即日」が可能なのかどうか。直接電話で問い合わせてみたところ「できるだけ早期の対応をさせていただきます」との曖昧な回答のみで、最短即日が可能かどうかの明確な回答は得ることができませんでした。
そのため「えんナビ」での資金化は「最短翌日」と考えておいたほうがよさそうです。つまり週末に利用する場合「土曜日に申込」→「日曜日に入金」という流れが一番早いと思われます。
もちろん「日曜日に申込」→「月曜日に入金」という希望にも応じてもらえるでしょう。特に急いでいる場合は、担当者と念密に打ち合わせして、できるだけ早急な対応を要請しましょう。
<えんナビの概要>
入金までのスピード | 最短1日 |
利用可能額 | 50万円~5,000万円 |
手数料 | 5%~ |
ファクタリング形式 | 2社間・3社間 |
利用対象者 | 法人
個人事業主 |
契約方法 | 書面契約
非対面(オンライン完結型) |
【まとめ】土日祝日でもファクタリングで資金調達は可能
本記事では、ファクタリングを土日祝日に利用できるかどうかを中心に解説させて頂きました。まだまだ数は少ないですが、土日祝日に申込受付だけでなく、入金まで完了できるファクタリングサービスは、いくつか存在しています。顧客獲得競争が激化しているファクタリング業界ですので、今後、土日祝日対応可能のサービスは増えていくことも予想されます。
ただし、土日祝日対応可能だからといって、すべてのケースで資金化可能というわけではありません。審査に合格するのは当然ですが、できるだけ早めの行動を心がける、必要書類は事前に準備する、といった申込者側で注意できる事項も多くあります。
土日祝日に限りませんが、できるだけ早急な資金化を望まれる際には、それなりの行動を心がけるようにしましょう。