法人向けのファクタリング会社は、「入金までのスピード」と「手数料の低さ」のどちらを優先するかで選ぶべき先が分かれます。
今すぐ資金が必要ならオンライン完結型、コストを抑えたいなら対面審査にも対応する大手・銀行系が候補になります。
売掛金の入金は2か月先なのに、外注費や給与の支払いは今月末に迫っている。銀行融資は審査に時間がかかり間に合わず、かといって高い手数料は経営を圧迫する。
スピードとコストのどちらを削るかという選択を迫られます。
本記事では、法人が利用できるファクタリング会社12社を比較しました。
読み終えれば、自社の請求書と資金化の期限に合う会社がわかり、申込み前に用意すべき書類まで把握できます。
| 会社名 | 手数料 | 買取可能額 | 契約方式 | 入金までの目安 | 利用対象 |
|---|---|---|---|---|---|
| トップ・マネジメント | 2社間:3.5%~ 3社間:0.5%~ | 30万円~3億円 売掛先1社につき最大1億円 | 2社間・3社間 | 最短2時間 | 法人・個人事業主・フリーランス |
| アクセルファクター | 2社間:1%~12% 3社間:0.5%~10.5% | 30万円~上限なし | 2社間・3社間 | 最短2時間 | 法人・個人事業主・各種法人・非営利法人など |
| ビートレーディング | 2社間:4%~ 3社間:2%~ | 下限・上限なし 買取実績:1万円~7億円 | 2社間・3社間 | 最短2時間ポータル利用時は最短50分 | 法人・個人事業主 |
| PMGファクタリング | 2%~上限非公表 | 50万円~上限なし | 2社間・3社間 | 最短30分平均3日程度 | 法人※現在は個人事業主向けサービスなし |
| QuQuMo | 1%~上限非公表 | 下限・上限なし | 2社間 | 最短2時間 | 法人・個人事業主 |
| OLTA | 2%~9% | 下限・上限なし | 2社間 | 最短即日契約後は即日または翌営業日 | 法人・個人事業主 |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 1.5%~ | 下限・上限なし | 2社間・3社間 | 最短3時間 | 法人・個人事業主 |
| PAYTODAY | 1%~9.5% | 10万円~上限なし | 2社間 | 最短30分 | 法人・個人事業主・フリーランス |
| GMO BtoB早払い | 請求書買取:1%~10% 注文書買取:2%~12% | 1回の合計100万円以上スポット利用は300万円以上※請求書1枚は数万円から対応可能 | 2社間 | 利用審査完了後、最短2営業日 | 法人のみ |
| マイナビブリッジ | 1%~7% | 10万円~1億円 | 2社間 | 500万円以下:最短2営業日 500万円超:1~3週間程度 | 法人のみ |
| Fintoファクタリング | 2%~9.5% | 下限・上限なし | 2社間 | 最短即日 | 法人のみ |
| 株式会社No.1 | 0.5%~15% | 20万円~1億円 | 2社間・3社間 | 最短30分 | 法人・個人事業主・フリーランス |
法人向けファクタリング会社おすすめ12選を比較
法人向けファクタリング会社を比較は、手数料、買取可能額、契約方式、入金までの日数、利用対象の5つのポイントに整理できます。
同じ「手数料2%〜」の表記でも、2社間か3社間か、初回か2回目以降かで実際の料率は変わります。
買取可能額も、1回あたりの下限が50万円や300万円に設定されている会社があり、少額の請求書では申込み自体ができません。
下限料率や最短入金時間は約束ではなく、売掛先の信用力と審査結果で変わります。
1.トップ・マネジメント|大口債権や複雑な資金繰りにも対応

請求書をまだ発行できていない段階の債権も含めて相談したい法人に向く会社です。
公式サイトでは、2社間・3社間に加え、見積書・受注書・発注書を対象とする買取と、専用口座を使う2.5社間の「電ふぁく」を用意しています。買取金額は30万円〜3億円で、売掛先1社あたりの上限は1億円。
手数料は2社間が3.5〜12.5%、3社間が0.5〜3.5%。
3社間では、143社の中堅・大手企業(上場会社を含む)から債権譲渡の承諾を得た実績があります。
見積書・受注書・発注書ファクタリングは、設立から半年以上かつ月商500万円以上の法人が対象です。
契約前には面談があり、Zoomでの実施も選べます。
営業時間は平日10時〜19時のため、月末に資金需要が集中する会社は早めに相談しましょう。
| 運営会社 | 株式会社トップ・マネジメント |
|---|---|
| 手数料 | 2社間:3.5%~/3社間:0.5%~ |
| 手数料上限 | 現行サービスページでは明確な統一表記を確認できず |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 買取可能額 | 30万円~3億円 |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主 |
| オンライン対応 | オンライン契約に対応 |
| 必要書類 | 本人確認書類、売掛金を証明する書類、通帳・入出金履歴など |
| 債権譲渡登記 | 公式記事では「原則必要」と記載。実際の契約条件は要確認 |
| 主な特徴 | 請求書だけでなく、注文書・発注書段階の資金化にも対応 |
2.アクセルファクター|少額債権や審査に不安がある法人向け

30万円といった少額の売掛債権から相談できる会社です。運営はAGパートナーグループで、手数料は2社間1.0%〜12.0%、3社間0.5%〜10.5%。買取下限は30万円で、少額でも取引を断らない方針を掲げ、審査通過率は93.3%と高い水準です。
資料送付から最短2時間で入金でき、全国オンラインで完結します。継続利用すると手数料が下がる仕組みもあり、赤字決算や税金滞納がある債権にも柔軟に対応します。書類が揃わない場合も代替書類を相談できます。
| サービス名 | アクセルファクター |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社アクセルファクター |
| 手数料 | 3社間:0.5%~10.5% 2社間:1.0%~12.0% ※利用額・審査結果によって異なる |
| 入金スピード | 必要書類提出後、最短2時間 |
| 審査時間 | 必要書類提出後、最短30分 |
| 買取可能額 | 最大1億円 |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主※非営利団体も相談可能 |
| オンライン対応 | 申込みから契約・入金までオンライン完結 |
| 必要書類 | 請求書など売掛金を確認できる書類、通帳3か月分、代表者の本人確認書類 |
| 追加書類 | 利用金額や審査内容により、決算書・確定申告書・印鑑証明書など |
| 取引先への通知 | 2社間は不要/3社間は通知または承諾が必要 |
| 債権譲渡登記 | 必須ではないが、審査結果によって必要になる場合あり |
| 対応エリア | 全国 |
| 主な特徴 | すべてノンリコース契約で、経営革新等支援機関の認定を受けている |
3.ビートレーディング|全国対応で実績を重視する法人向け

所在地や債権額を問わず相談したい法人に向きます。
手数料は2者間4%〜、3者間2%〜。買取可能額に下限・上限の設定はなく、注文書買取は10万円〜3億円が対象です。
必要書類は債権に関する資料と通帳コピーの2点で、申込みから入金まで最短2時間。
契約はオンラインでも対面でも選べ、診療報酬・介護報酬・調剤報酬債権にも対応します。
| 運営会社 | 株式会社ビートレーディング |
|---|---|
| 手数料 | 2社間:4%~/3社間:2%~ |
| 入金スピード | 通常申込み:最短2時間 |
| ポータルサイト利用時 | 最短50分 |
| 審査時間 | 通常は最短30分。ポータルサイトでは最短10分との案内あり |
| 買取可能額 | 下限・上限なし |
| 買取実績 | 1万円~7億円 |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主 |
| オンライン対応 | 申込みから契約までオンライン完結可能 |
| 必要書類 | 直近2か月分の口座の入出金明細、契約書・発注書・請求書など売掛金に関する書類 |
| 主な特徴 | 少額から大口まで幅広く相談できる |
4.PMG|高額な売掛債権を資金化したい法人向け

数千万円から億単位の債権をまとめて資金化したい法人の候補です。
買取率は98%(売買手数料2%)で、資金調達可能額は最大2億円まで。2社間・3社間の両方を扱い、契約はオンラインでも書面の捺印でも選べます。
東京・大阪・名古屋・横浜などに拠点があり、対面で条件を詰めることもできます。
審査書類は請求書、通帳コピー、決算書が基本で、2期分の決算書を求められる場合もあります。
買取の下限は50万円のため、数十万円未満の請求書は対象外です。
実際の料率と入金時期は、売掛先の信用力、金額、支払期日、審査結果で変わります。
| 運営会社 | ピーエムジー株式会社 |
|---|---|
| 手数料 | 現行の利用の流れでは1%~ |
| 手数料上限 | 公式自社記事では1%~10%と記載 |
| 査定・見積もり | 最短30分 |
| 入金スピード | 公式ページに最短1.5時間・最短2時間の両方の表記あり |
| 買取可能額 | 公式自社記事では50万円~上限なし |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 対象事業者 | 法人中心 |
| 個人事業主 | 公式自社記事では対応可能と記載。現在の利用可否は要確認 |
| オンライン対応 | オンライン契約に対応 |
| 必要書類 | 請求書、口座の入出金明細など |
| 追加書類 | 別の公式ページでは決算書2期分などの提出にも言及 |
| 債権譲渡登記 | 登記不要で契約できるプランあり |
| 主な特徴 | 財務改善や金融機関対策などの経営支援も提供 |
5.QuQuMo|必要書類2点でオンライン完結したい法人向け

請求書と通帳の2点で申し込める会社です。運営は株式会社アクティブサポートで、2社間ファクタリング専門。手数料は1%〜14.8%、買取金額に上限・下限の設定はありません。
申込みからおよそ10分、見積りに30分、契約・入金に1時間と、最短2時間での資金化を掲げています。契約はクラウドサインを使いオンラインで完結し、事務手数料や登録費は発生しません。取引先への通知や債権譲渡登記も不要です。
買取対象は法人相手で入金日が確定した売掛金に限られ、個人間取引や入金日が未確定の債権は対象外です。下限の1%は条件が整った場合の水準で、初回や少額では料率が上がります。
| サービス名 | QuQuMo |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社アクティブサポート |
| 手数料 | 1%~ |
| 手数料上限 | 非公表 |
| 入金スピード | 申込みから最短2時間 |
| 見積もり時間 | 必要書類提出後、最短30分 |
| 買取可能額 | 上限なし・少額から高額まで対応 |
| 契約方式 | 2社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主 |
| オンライン対応 | 申込みから契約までオンライン完結 |
| 面談 | 原則不要※状況により電話で簡単なヒアリングを行う場合あり |
| 必要書類 | 請求書、通帳・入出金明細 |
| 取引先への通知 | 不要 |
| 債権譲渡登記 | 不要 |
| 対応エリア | 全国から利用可能 |
| 主な特徴 | クラウドサインによる電子契約を採用し、必要書類が2点と少ない |
6.OLTA|手数料を抑えてオンラインで完結したい法人向け

コストを抑えて非対面で資金化できる会社です。手数料は2%〜9%で、上限を9%と明示し、この料率にすべての費用が含まれます。事務手数料などは別途かかりません。買取金額に上限・下限の設定はなく、1〜50万円の少額から利用でき、法人・個人事業主のいずれも対象です。
AIによる自動審査を採用し、書類が不備なく揃ってから24時間以内に見積り結果を回答します。2社間ファクタリング専門で、取引先への通知や債権譲渡登記は不要。一度の申込みで最大5債権をまとめて売却できます。「最短24時間」は審査がスムーズに進んだ場合の目安で、料率は売掛先の信用力で変わります。
| サービス名 | OLTAクラウドファクタリング |
|---|---|
| 運営会社 | OLTA株式会社 |
| 手数料 | 2%~9% |
| 入金スピード | 最短即日 |
| 見積もり時間 | 必要書類が不備なく揃ってから24時間・1営業日以内 |
| 契約後の振込み | 原則即日※時間帯などにより翌営業日になる場合あり |
| 買取可能額 | 下限・上限なし |
| 契約方式 | 2社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主 |
| オンライン対応 | 申込みから契約までオンライン完結 |
| 面談 | 不要※審査状況により電話でのインタビューあり |
| 必要書類 | 本人確認書類、請求書、保有する全金融機関口座の直近4か月分の入出金明細、前年度の決算書または確定申告書 |
| 取引先への通知 | 原則不要 |
| 債権譲渡登記 | 原則不要※利用規定で定める一部の場合を除く |
| 対応エリア | 全国 |
| 主な特徴 | 請求書の全額だけでなく、必要な金額のみの一部買取にも対応 |
7.日本中小企業金融サポート機構|経営支援も相談したい法人向け

資金調達と経営相談を同じ窓口で進めたい法人の候補です。
運営は一般社団法人で、関東財務局長および関東経済産業局長が認定する経営革新等支援機関にあたります。
手数料は1.5%〜、必要書類は2点、審査結果は最短30分、申込みから最短3時間で振込です。
2者間・3者間に対応し、契約はクラウドサインで締結できます。
買取対象は仕事が完了している売掛金で、回収済みや支払いが遅れている売掛金は対象外です。
認定支援機関の確認が要件となる補助金の申請にも関われます。
| 運営法人 | 一般社団法人日本中小企業金融サポート機構 |
|---|---|
| 手数料 | 1.5%~ |
| 審査時間 | 最短30分 |
| 入金スピード | 最短3時間 |
| 買取可能額 | 下限・上限なし |
| 買取実績 | 1万円~2億円 |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主・フリーランス |
| 契約方法 | オンライン・対面・郵送 |
| 必要書類 | 直近3か月分の入出金履歴、請求書・契約書など売掛金を確認できる書類 |
| 取引先への通知 | 2社間は不要/3社間は売掛先の承諾が必要 |
| 債権譲渡登記 | 公式ページで一律の条件を確認できず |
| 主な特徴 | 経営革新等支援機関として経営・資金繰り支援も提供 |
8.PAYTODAY|スピードと手数料のバランスを重視する法人向け

早さとコストの両方を求める法人・個人事業主向けの会社です。運営はDual Life Partnersで、手数料は1%〜9.5%と上限を明示。買取金額に上限・下限の設定はなく、10万円の少額から利用できます。
AI審査を採用し、審査結果は最短15分〜24時間以内にメールで届きます。契約完了後は即日振込で、最短30分での資金化を掲げています。掛け目を設けず、請求金額の100%から手数料を差し引いた額が入金される点が特徴です。支払サイトは最大90日後の債権まで対応します。
売掛先の信用力を重視する審査のため、赤字決算や税金滞納があっても利用できる場合があります。必要書類は法人が請求書・本人確認書類・決算書・通帳コピーの4点です。
| サービス名 | PAYTODAY |
|---|---|
| 運営会社 | Dual Life Partners株式会社 |
| 手数料 | 1%~9.5% |
| 入金スピード | 最短30分※公式FAQでは、必要書類提出後、最短1営業日以内と案内 |
| 審査時間 | 最短15分から、原則24時間以内に結果を回答 |
| 買取可能額 | 10万円~上限なし |
| 契約方式 | 2社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主・フリーランス |
| オンライン対応 | 申込みから契約までオンライン完結 |
| 面談 | 原則不要※必要に応じて電話確認あり |
| 必要書類 | 代表者の本人確認書類、売却する請求書、直近6か月以上の入出金明細、前年度の決算書または確定申告書 |
| 取引先への通知 | 不要 |
| 債権譲渡登記 | 不要 |
| 対応エリア | 全国 |
| 主な特徴 | AI審査を採用し、手数料上限を9.5%と明示している |
9.GMO BtoB早払い|継続的な売掛金の早期資金化に対応

繰り返し発生する売掛金を計画的に資金化したい法人向けで、対象は法人のみです。
手数料は請求書買取1〜10%、注文書買取2〜12%。1回あたりの買取金額は100万円〜5,000万円が目安で、注文書買取は受注金額の最大50%までです。
プランは単発の「スポットタイプ」と1年契約の「継続タイプ」の2種類。
スポットタイプは1回300万円以上、継続タイプは100万円以上が条件です。
継続タイプの2回目以降は証憑類の提出だけで済み、買取実行から最短2営業日で入金されます。
初回は決算書2期分や取引基本契約書などが必要で、即日入金は想定されていません。
| 運営会社 | GMOペイメントゲートウェイ株式会社 |
|---|---|
| 請求書買取の手数料 | 1%~10% |
| 注文書買取の手数料 | 2%~12% |
| 入金スピード | 利用審査完了後、最短2営業日 |
| 初回利用審査 | 最短2営業日 |
| 通常利用の最低金額 | 1回の買取合計額100万円以上 |
| スポット利用の最低金額 | 1回の買取合計額300万円以上 |
| 請求書1枚の金額 | 数万円程度の請求書も合算可能 |
| 上限額 | 公式ページで固定の上限は明示されていない |
| 契約方式 | 2社間 |
| 対象事業者 | 法人 |
| 売掛先の条件 | 法人に対する売掛債権 |
| オンライン対応 | Webで申込み・書類提出が可能 |
| 必要書類 | 決算書2期分、試算表、取引基本契約書、発注書、請求書、検収書など |
| 主な特徴 | 請求書発行前の注文書段階から資金化できる |
10.マイナビブリッジ|法人専用サービスを利用したい企業向け

法人格を持つ企業だけが対象で、個人事業主やフリーランスは申込みできません。
手数料は1%〜7%、買取金額は10万円〜1億円。契約は2社間で、売掛先への通知は行いません。
入金までの日数は金額で分かれます。
500万円以下の新規申込みで最短2営業日、500万円超は1〜3週間程度かかります。
500万円超では、自社名義の専用口座を開設して入金管理と精算を一元化する方式も選べます。この場合、取引先へ振込先口座の変更を依頼することがあります。
乗り換え時は、債権譲渡登記の要否を契約書面で確認してください。
| サービス名 | 法人専用ファクタリング by マイナビブリッジ |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社マイナビブリッジ |
| 2社間の手数料 | 1%~7% |
| 3社間の手数料 | 1%~6% |
| 500万円以下の新規利用 | 最短2営業日 |
| 500万円超 | 1~3週間程度 |
| 継続利用 | 条件によって最短即日の案内あり |
| 買取可能額 | 10万円~1億円 |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 対象事業者 | 法人のみ |
| 個人事業主 | 利用不可 |
| オンライン対応 | オンライン面談・契約に対応 |
| 必要書類 | 請求書、入出金明細、決算書、試算表など |
| 取引先への通知 | 2社間は原則不要 |
| 債権譲渡登記 | 公式自社メディアでは、500万円以上の契約で必要と案内 |
| 主な特徴 | 他社からの乗り換えやABLにも対応 |
11.Fintoファクタリング|上場グループの新しいサービスを使いたい法人向け

上場グループが運営する新しいサービスです。運営はビジョナル(東証上場)のグループ会社であるトラボックス株式会社で、2025年9月に提供を開始しました。対象は法人限定で、個人事業主は利用できません。手数料は2%〜9.5%です。
買取金額に上限・下限の制約はなく、請求書1枚単位の小口から高額案件まで対応します。2社間ファクタリングのため取引先への通知は不要。初期費用・月額費用は0円で、保証人も不要です。信用情報の照会や履歴が残らないため、独立直後や赤字決算でも相談できます。
審査はAIによる自動審査のため、利用不可となった場合は原則として手数料交渉ができません。柔軟な対応を求める場合は他社との比較も一つの方法です。
| サービス名 | Fintoファクタリング |
|---|---|
| 運営会社 | トラボックス株式会社 |
| 手数料 | 2%~9.5% |
| 入金スピード | 最短即日※公式サービス図には最速30分、公式サポートFAQには最短翌日との記載あり |
| 買取可能額 | 下限・上限なし |
| 契約方式 | 2社間 |
| 対象事業者 | 法人 |
| 個人事業主 | 利用不可 |
| オンライン対応 | Webから申込み・見積もり可能※契約までオンライン完結するかは公式ページで明記されていない |
| 必要書類 | 決算書一式2期分、直近4か月分の入出金明細、売却予定の請求書、代表者の本人確認書類 |
| 2回目以降の書類 | 原則として証憑書類のみ |
| 取引先への通知 | 原則不要 |
| 債権譲渡登記 | 公式サイトに明確な記載がないため要問い合わせ |
| 対応エリア | 公式サイトに明確な記載がないため要問い合わせ |
| 主な特徴 | AI審査を採用し、東証プライム市場上場企業グループが運営 |
12.No.1|大口債権と経営支援を重視する法人向け

大口債権の資金化と経営改善の相談を並行したい法人の候補です。
手数料は1%〜15%で、2社間・3社間に対応し、債権譲渡登記は原則ありません。法人向けファクタリングの買取上限は1億円、その他の商品は5,000万円が上限で、300万円以上を対象とする「Easy factor」もあります。
審査は最短30分で、オンライン完結の契約に対応します。
東京本社のほか名古屋・福岡に拠点があり、対面契約も選べます。経営支援コンサルティングも提供しています。
上限の15%は目安とされる3〜10%程度より高い水準です。初回、少額、売掛先の信用力が不明確といった条件が重なると料率は上がります。
| 運営会社 | 株式会社No.1 |
| 手数料 | 0.5%~15% |
| 入金スピード | 最短30分 |
| 買取可能額 | 20万円~1億円 |
| 1億円超 | 個別相談 |
| 契約方式 | 2社間・3社間 |
| 対象事業者 | 法人・個人事業主 |
| オンライン対応 | オンライン契約に対応 |
| 必要書類 | 決算書または確定申告書、請求書、通帳コピー |
| 取引先への通知 | 2社間は不要 |
| その他の費用 | 現行公式ページでは手数料以外の費用なしと案内 |
| 債権譲渡登記 | 現行ページで一律の条件を確認できず |
| 主な特徴 | 他社からの乗り換えにも対応 |
法人向けファクタリング会社を選ぶ7つの比較ポイント
法人がファクタリング会社を比較するときは、買取実績、総費用、契約方式、債権譲渡登記、償還請求権、相談方法、運営会社の情報の7項目を確認します。
手数料率や入金スピードは公式サイトに大きく表示されますが、法人の大口債権では、売掛先の信用力や必要書類、登記費用の負担者によって、最終的な調達額と手続きの重さが変わります。
比較表に載るのは一般的な条件です。表で候補を絞り、中身は見積書と契約書で確かめてください。
買取上限額だけでなく大口債権の買取実績を確認する
「上限なし」「数億円対応」という表示は、希望額の全額を買い取ってもらえる保証ではありません。
買取額を左右するのは、債権額そのものより、売掛先の信用力、支払期日、取引の裏づけをどこまで書類で示せるかです。
同じ5,000万円の請求書でも、上場企業向けで支払期日が30日後の債権と、設立2年の取引先向けで支払期日が90日後の債権では、審査の結果が分かれます。
申込前に確認したいのは4点です。
・最低買取額と買取上限額の両方
・自社の希望額に近い過去の取引実績があるか
・売掛先の業種や規模に制限がないか
・審査に必要な書類と、申込から入金までの日数
高額の買取実績を判断材料にする場合は、その数字が公式サイトのどこに、いつ時点の情報として書かれているかまで見てください。
出典と時点が示されない紹介記事の数字は、比較には使えません。
手数料の下限ではなく最終的な入金額で比較する
「手数料1%から」は、最も条件のよい取引に適用される下限値です。
自社に適用される料率とは限りません。比較するなら、売掛金額からすべての費用を差し引いた後の入金額で並べてください。
見積書で内訳を確認する項目は次のとおりです。
・買取手数料の料率と、その料率が適用される条件
・事務手数料、審査料、出張費などの名目で加算される費用
・債権譲渡登記を行う場合の登録免許税と司法書士報酬
・振込手数料と、掛け目(留保金)の有無
金融庁は、貸金業を行う場合には利息制限法と出資法の上限金利を守る必要があるとしたうえで、買取代金が債権額に比べて著しく低額な取引には偽装ファクタリングの疑いがあると注意を促しています。
料率の高さだけでなく、入金額が債権額に見合うかどうかで見てください。 不明な費目が残る見積書は、契約前に説明を求めましょう。
2社間と3社間のどちらに対応しているか確認する
取引先への通知を避けたいなら2社間、費用を抑えたいなら3社間。
2社間は自社とファクタリング会社の二者で契約し、売掛先への通知や承諾を挟みません。
3社間は売掛先の承諾を得たうえで、支払期日に売掛先からファクタリング会社へ直接入金されます。
回収の手間と未回収リスクを会社側が引き受ける分、2社間の手数料は3社間より高く設定される傾向があります。
売掛先との契約書に譲渡制限特約があるかも、先に見てください。
改正民法では、譲渡制限特約が付いていても債権譲渡の効力は妨げられません。
ただし、特約があると知っていた譲受人や、重大な過失で知らなかった譲受人に対しては、債務者が履行を拒めます。
会社によっては2社間のみ、3社間のみの取扱いです。両方式の対応可否と料率条件を、公式サイトで照合しておきましょう。
債権譲渡登記の有無と解除条件を確認する
債権譲渡登記は、債権を譲り受けた事実を債務者以外の第三者に主張するための手続きで、二重譲渡を防ぐ目的から2社間ファクタリングの条件とされる場合があります。
登記できるのは法人が行う金銭債権の譲渡に限られ、申請先は東京法務局の債権登録課だけです。
登録免許税は、債権個数が5,000個以下なら1件7,500円、5,000個を超えると1件15,000円です。
抹消登記は1件1,000円。7,500円は租税特別措置法による軽減後の額で、ここに司法書士報酬が加わります。
登記の内容は、登記事項概要証明書や概要記録事項証明書として1通300円で誰でも請求できます。売掛先が調べれば、譲渡の事実を把握される可能性は残ります。
抹消も含め、登記の申請は判決による場合を除き譲渡人と譲受人が共同で行います。自社の判断だけでは外せません。
確認するのは、登記の要否、費用の負担者、契約終了後の抹消を誰がいつ行うかの3点です。
償還請求権のない契約か確認する
償還請求権は、売掛先が支払わなかったときにファクタリング会社が利用法人へ買戻しや返金を求める権利です。
この権利のない契約をノンリコースと呼び、未回収リスクは会社側が負います。契約書のどこにどう書かれているかは、ご自身の目で確かめてください。
金融庁は、譲渡した債権の集金が売主に委託され、集金できなかった場合に売主が債権を買い戻す、または売主自身の資金で支払う取り決めになっている取引について、貸金業に該当するおそれがあると示しています。
契約書にノンリコースの規定があるかという形式だけでなく、経済的側面や実態に照らして判断されるとも説明しています。
読む条項は、買戻し義務、保証人、担保、違約金、表明保証の範囲です。担保や保証人を求められる、売掛先の支払能力を自社が保証する内容になっている。
そうした契約は、締結前に弁護士へ相談しましょう。
オンライン完結と対面相談のどちらが適しているか判断する
調達額が小さく、書類が揃っているならオンライン型、債権の内容が複雑または金額が大きいなら対面型という分け方が現実的です。
オンライン型は、申込から契約までをクラウド上で完結させ、来店や面談が不要です。
地域を問わず申し込めて、書類の郵送待ちも発生しません。
ただし審査に使えるのは提出したデータだけです。事情の説明を要する債権では、その背景が評価に反映されにくくなります。
対面型なら、担当者に取引の経緯を直接伝えられます。
契約書を目の前で読み、不明点をその場で質問できる点も違いでしょう。
高額の契約では、請求書や契約書の原本提示、代表者との面談を条件とする会社もあります。
自社の調達額、提出できる書類、説明したい事情。この3つを整理してから、どちらの申込方法に対応しているかを公式サイトで確認しましょう。
運営会社の実績と契約内容の透明性を確認する
商号、本店所在地、代表者名、設立年、固定電話番号が公式サイトに載っているか。商号と所在地は、国税庁法人番号公表サイトで無料で照合できます。
会社の登記事項証明書を取れば、成立年月日や役員も確認できます。
ただし記載される変更履歴には期間の区切りがあり、古い商号変更は閉鎖事項証明書で調べます。
次に契約条件の開示です。
追加費用の有無と必要書類が、契約前に文書で示されるかを見ます。契約書を持ち帰らせない、その場での押印を促す、内訳の説明を避ける。
こうした対応が出た時点で、契約を止める判断ができます。
正規のファクタリングは債権の売買であり、貸金業登録は求められません。
ただし実質的に貸付けとみなされる契約を無登録で行えば違法です。相手の登録の有無は、金融庁の検索サービスで調べられます。
大口ファクタリングの手数料を抑える方法
大口の資金調達では、料率が1%違うだけで負担額が数十万円も変わります。
手数料を抑えるポイントは、ファクタリング会社が「回収できるか」を判断しやすい債権を選び、同じ条件で複数社に見積もりをとることです。
買い取る側は売掛先から代金を回収するため、審査では自社の財務内容よりも、売掛先の支払能力や支払期日までの日数が重く見られます。
金融庁も、高額な手数料を支払うとかえって資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険があると注意を促しています。
ただし、ここで挙げる工夫は手数料の低下を保証しません。条件は債権ごとの審査で決まります。
信用力の高い売掛先の債権を選ぶ
ファクタリングは債権の売買です。
金融庁も、売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスであり、法的には債権の売買契約だと説明しています。
買い取った側は売掛先から代金を回収します。この構造上、自社の決算内容より、売掛先が期日どおり払うかどうかが見られやすくなります。
条件がつきやすいのは、入金の確実性を書面で示せる債権です。
上場企業や大手企業向けの請求書、取引が数年続いて入金の遅れがない企業向けの請求書などが該当します。
規模が大きければ通る、という話ではありません。
過去に支払いが遅れた、支払サイクルが極端に長い、経営状況の悪化が報じられている。そんな事情があれば、大手向けでも提示は渋くなります。
官公庁や自治体向けの債権は信用力こそ高いものの、契約約款に譲渡制限特約が置かれていることが多く、通るかどうかは信用力より契約条項しだいです。
売掛債権が複数あるなら、確実性をいちばん説明しやすいものから相談してください。
支払期日が近い売掛債権を売却する
回収までの日数が短い債権ほど、途中で売掛先の資力が悪化する余地は小さくなります。
買い取る側から見れば、期日まで30日の債権と120日の債権とでは、抱える不確実性が違うわけです。長いサイトの債権では、その分が料率に乗ります。
もっとも、短ければ短いほどよいという単純な話でもありません。
金融庁が紹介する裁判例には、譲渡債権の性質や、債権譲渡日から支払日までの期間の短さから債務者による不履行の可能性は極めて低いとして、貸金業法上の貸付けに当たると判断された事案があります。
リスクが移っていない取引は、そもそもファクタリングと呼べないという判断です。
期日まで90日ある債権を今すぐ現金化すれば、その分の費用を負担します。
必要な支払いが2週間後なら、まだ待てる長期の債権ではなく、直近で入金予定のない債権を優先するほうが合理的な場合もあります。
継続取引の実績が確認できる売掛債権を選ぶ
同じ売掛先から繰り返し入金されている債権は、実在性を示しやすくなります。
買い取る側が確かめたいのは、請求書どおりの債権が本当にあるのかどうか。過去に入金があったという事実は、その答えに直結します。
用意できる資料は次のとおりです。
・入金履歴のわかる通帳やネットバンキングの取引明細
・売掛先との基本契約書
・発注書、注文請書、検収書
・過去の請求書と、その入金が確認できる記録
登記があれば済む、という話でもありません。
法務省は、債権譲渡登記について、この登記により債権の存在や譲渡の有効性を証明するものではないと明記しています。登記をしても、実在性の裏づけにはなりません。
また、新規取引先への債権が一律に断られるわけではありません。
契約書と発注書が揃い、売掛先の信用力が高ければ買い取る会社もあります。実績のある債権と両方を出して、条件を見比べてください。
3社間ファクタリングも選択肢に入れる
売掛先の承諾を得られるなら、3社間も検討できます。
2社間では、売掛先が払った代金をいったん自社が受け取り、ファクタリング会社へ送金します。この受け渡しの間に、資金が他の支払いに混ざったり、送金が遅れたりする可能性があります。
3社間なら売掛先から会社へ直接入金されるため、その余地がなくなります。
法的な位置づけも違います。民法第467条では、債権譲渡を債務者に主張するには通知か承諾が要り、第三者に主張するにはそれを確定日付のある証書で行う必要があります。
3社間で承諾を得ても、確定日付がなければ第三者対抗要件までは備わりません。
承諾を求めやすくする仕組みもあります。
下請中小企業振興法に基づく振興基準は、親事業者に対し、禁止特約を解除していない場合でも、下請事業者の要請に応じて債権譲渡の承諾に努めるよう求めています。対象は下請取引に限られます。
ただし、売掛先へ資金調達の事実は伝わります。3社間にすれば必ず安くなるとも言えません。
複数社から同じ条件で見積もりを取る
A社とB社で違う情報を伝えれば、返ってくる見積もりは比べられません。同じ売掛債権について、同じ内容を伝えてください。
伝える項目は次のとおりです。
・売掛先の名称と業種
・売掛金額と支払期日
・希望する調達額と入金希望日
・2社間か3社間か
・提出できる書類
そのうえで、料率だけでなく追加費用と最終入金額まで書面で示すよう求めてください。
混同したくないのが、相見積もりと二重譲渡の違いです。
契約前に複数社へ見積もりを依頼するのは問題ありません。禁じられるのは、契約後に同じ債権を別の会社へ譲渡することです。
法務省の説明では、同じ債権について複数の債権者から請求を受けたとき、第三者対抗要件を備えた者と備えていない者がいれば備えた側に、備えた者が複数いれば具備時点が最も早い側に弁済されます。
後から譲り受けた会社は回収できず、その損失は自社に向かってきます。
表面上の手数料ではなく振込額を比較する
比較の単位は「%」ではなく「円」です。売掛金額から費用を全て引いた振込額を出し、必要な支払いに足りるかを見ましょう。
計算方法を示すための仮の例を挙げます。
売掛金額3,000万円、買取手数料3%の見積もりが2社から出たとします。
・A社:手数料90万円のみ。振込額 2,910万円
・B社:手数料90万円+事務手数料15万円+登録免許税7,500円+司法書士報酬8万円+振込手数料880円。振込額 2,886万円
同じ「3%」でも、24万円ほど差がつきます。
債権譲渡登記の登録免許税は、債権個数が5,000個以下なら1件7,500円(租税特別措置法による軽減後の額)です。
料率と総額の混同にも気をつけたいところです。
大口ほど、料率が低くても負担する金額は膨らみます。
3,000万円の3%は90万円、5,000万円の3%は150万円。「1%台から」の表示に安心せず、見積書の振込額欄を突き合わせてください。
法人がファクタリング審査で確認されるポイント
融資審査とは、見るところが違います。
銀行融資が自社の返済能力を審査するのに対し、ファクタリングは債権の売買で、買い取った会社は売掛先から回収します。
だから審査の軸は、売掛先の支払能力、債権が本当に存在するか、期日までに問題なく回収できるかに寄ります。
金融庁も、売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスであり、法的には債権の売買契約だと説明しています。
ただし、ファクタリング全般を規制する法律はなく、金融庁も自庁の所掌ではないとしています。統一された審査基準は存在せず、項目を満たしても買取に至るとは限りません。
売掛先の信用力と事業実態
ノンリコースの契約なら、売掛先が払わない損失を負うのは買い取った側です。なのでファクタリング会社は、申込法人ではなく売掛先を調べます。
見るのは、大きく4つで、事業が現に動いているか、支払う体力があるか、過去に遅れがなかったかです。
・商号、所在地、代表者、設立年といった基本情報
・業種と事業内容、取引の規模感
・決算公告や信用調査会社の情報
・自社が把握している支払遅延の有無
売掛先の経営に不安材料があれば、審査は慎重になります。
倒産の兆候が報じられている、支払いが常態的に遅れている。そうした事情は、買取額の減額や見送りにつながることがあります。
なお、各社が何をどう重み付けしているかは公表されていません。
「上場企業なら通る」といった基準が外から見える形であるわけではなく、同じ売掛先でも判断は割れます。担当者に事業内容と取引の経緯を具体的に説明できるよう、手元の資料を整理しておいてください。
売掛債権が実在しているか
請求書は、自社が作った紙にすぎません。
だから会社は、取引の痕跡を複数の資料で突き合わせます。架空債権や水増し請求を弾くための工程です。
請求書のほかに、基本契約書や個別契約書、発注書、納品書、検収書、やり取りが残るメールやチャットの提示を求められることがあります。範囲は会社によって違います。
ポイントは、揃えることより一致することです。
・契約金額と請求金額がずれている。
・納品日と請求日の関係が説明できない。
・入金記録が請求額と合わない。
食い違いが出れば確認は長引き、買取額が削られることもあります。
とはいえ、食い違いに正当な理由があることも多いはずです。値引き、追加発注、検収のずれ込み。理由があるなら、先に書面で説明を添えてください。黙って出して後から指摘されるより、話は早く進みます。
虚偽の書類や改ざんは、契約解除では済みません。実在しない債権を装って代金を受け取れば、刑事責任を問われる可能性もあります。
売掛金の金額と支払期日
債権額と回収までの期間、その両方に妥当性が求められます。
まず金額です。
年商1億円の会社から8,000万円の請求書が出てくれば、ファクタリング会社は取引の背景を確認します。
過去の平均受注額と桁が違う、季節性でも説明がつかない。
そうした場合は、水増しや架空の疑いを検討します。逆に、事業規模に見合った金額なら、説明の手間は減ります。
次に期日です。
支払いまでの期間が長いほど、その間に売掛先の資力が変わる余地は広がります。
同じ金額でも、来月末に入金される債権と4か月先に入金される債権とでは、買い取る側が背負う不確実性が違います。
入金までが遠い債権ほど、審査は慎重になりやすくなります。そして、希望額の全額が買い取られるとは限りません。
債権の一部だけを対象にする、買取額の一部を留保する。
扱いは会社ごとに分かれます。留保があるなら、いつどのように精算されるのかを契約前に確かめてください。
売掛先との取引期間と過去の入金実績
ファクタリング会社が見ているのは、取引関係の長さそのものではありません。この売掛先が実際に払ってきたか、という事実です。
通帳の入金記録があれば、それは一目でわかります。
取引開始がいつで、毎月どの日にいくら入っているか。請求書の額面と入金額が一致しているか。数字が並べば、次回も同じように入る見込みを説明しやすくなります。
逆に、入金額が毎回ばらついている、請求額と入金額が合わない、途中で数か月空いている。
そうした履歴なら、事情の説明を求められます。値引きや相殺があったのなら、その経緯まで話せるようにしておいてください。
新規の売掛先が一律に断られるわけではありません。
実績を示せない分、契約書と発注書で取引を裏づける、売掛先の信用力で補う、という形になります。追加資料を求められて時間がかかる前提で、早めに動いてください。
売掛債権に譲渡禁止特約や問題がないか
確認されるのは契約書の条項と、その債権をめぐる事情の2点です。。
まず譲渡制限特約です。
改正民法では、特約が付いていても債権譲渡の効力は妨げられません。ただし、特約を知っていた譲受人や、重大な過失で知らなかった譲受人に対しては、債務者が履行を拒めます。
だからファクタリング会社は、基本契約書にこの条項があるかを確かめます。
特約があれば売却できない、というわけでもありません。
経済産業省の資料には、資金調達目的での債権譲渡は契約の解除や損害賠償の原因とはならないという法務省の解釈が示されています。
下請中小企業振興法に基づく振興基準も、親事業者に対し、特約の解除の申出を十分尊重するよう求めています。ただし対象は下請取引に限られます。
もう一つが、その債権をめぐる事情です。
売掛先が自社に対して債権を持っていて、相殺される可能性がある。差押えを受けている。返品やクレームで金額が変わる可能性がある。
こうした事情は隠さず申告してください。契約後に判明すれば、契約違反として扱われます。
二重譲渡や架空債権の疑いがないか
契約済みの債権を、別の会社へ持ち込む行為はやってはいけません。
法務省の説明では、同じ債権について複数の債権者から請求を受けたとき、第三者対抗要件を備えた債権者と備えていない債権者がいれば備えた側に、備えた債権者が複数いれば具備時点が最も早い側に弁済されます。
後から譲り受けた会社は回収できず、その損失は自社に向かってきます。
会社側にも調べる手段があります。債権譲渡登記の概要記録事項証明書は誰でも請求でき、その法人を譲渡人とする登記記録が全く存在しなければ、その旨の証明書が交付されます。
記録があれば、対象の債権が先行登記に含まれていないか登記事項証明書で確かめる。法務省が示す手順です。
ただし登記は万能ではありません。2社間で登記を打たない取引もあり、記録に残らない譲渡もあります。だからこそ通帳の動きまで見られます。
意図的な虚偽申告は、民事の賠償にとどまらず刑事責任につながる可能性があります。
法人がファクタリングを申し込む際の必要書類
書類は、何を証明するためのものかで分けると揃えやすくなります。
法人の実在、債権の実在、取引の実績、そして代表者本人。この4つです。ファクタリング全般を規制する法律はなく、金融庁も所管していないとしています。
つまり、必要書類を定めた法令もありません。何を求めるかは会社ごとに違い、契約方式や買取額でも変わります。
大口なら基本契約書や試算表が加わることもあります。申込先の公式案内で一覧を先にもらってください。
商業登記簿謄本・印鑑証明書
登記事項証明書(登記簿謄本)は、だれでも所定の手数料を納めれば交付を請求できます。
最寄りの登記所で、他の管轄の会社のものも取得可能です。
商号、本店、代表者、事業目的、資本金といった法人情報は、ここに載っています。
印鑑証明書は、請求できる人が限られます。
印鑑を登記所に提出している代表者等だけです。書面で請求する場合、窓口でも郵送でも、代理人による請求でも、印鑑カードの提出は必須です。
オンライン請求ならカードの送付は不要です。
代わりに申請人の電子証明書が必要になります。しかも窓口で受け取るなら、その際にカードを持参して提示しなければなりません。
手数料は、登記事項証明書が書面600円・オンライン送付520円・窓口交付490円。印鑑証明書は書面500円・オンライン送付450円・窓口交付420円です。
カードも電子証明書もなければ、印鑑証明書は当日に間に合いません。発行日の期限と原本の要否は、先に聞いておきましょう。
決算書や試算表
融資の財務審査とは、見る目的が違います。ファクタリング会社が知りたいのは、決算書に載る売掛金の内訳と、今回持ち込まれた債権が一致するかどうか。
求められることがあるのは、直近1〜2期の決算書、勘定科目内訳明細書、そして試算表です。その明細書の売掛金の欄に、今回の売掛先の名前と残高が載っているか。まずそこが照合されます。
決算期から半年、1年と経てば、決算書だけでは現在の財務状況が読めません。最新の試算表を求められるのは、この場面。月次を締めていない会社は、その作成から始めることになります。
赤字であれば使えない、というわけではありません。
ファクタリングは債権の売買で、回収の相手は売掛先だからです。債務超過でも買い取られることはあります。ただし債権の内容と合わせた個別判断であって、確約ではありません。事実と異なる数字を出せば、契約そのものが成り立たなくなります。
売掛金を確認できる請求書・契約書・発注書
売る債権そのものを特定する書類です。ここが揃わなければ、審査に進めません。
請求書で見られるのは、債権額、支払期日、売掛先の正式名称の3点です。
そこへ、基本契約書や個別契約書で「その取引が成立していること」を、発注書・納品書・検収書で「実際に納めたこと」を裏づけていきます。
気をつけたいのは、名義の表記です。請求書は「株式会社○○」、契約書は「○○株式会社」。
この程度の違いでも、確認の手間は増えます。屋号と登記上の商号が違う、支店名で請求している。実務では珍しくありませんが、そのままでは同一性を示せません。
まだ検収が終わっていない請求や、これから発生する将来債権。
この扱いは会社によって分かれます。買い取る、条件付きで買い取る、対象外とする。申込前に聞いておけば、無駄足を避けられます。
売掛先からの入金履歴が分かる通帳
過去に入金があったという事実は、書類のなかで最も後から作りにくいものです。だから求められます。
用意するのは、法人名義口座の通帳、またはインターネットバンキングの取引明細です。
売掛先からの入金が、いつ、いくら、どの名義で入ったか。この3点が確認できるものを提出します。
範囲は数か月分から半年、1年分と、会社や取引内容で変わります。
通帳のコピーなら該当ページだけでよいのか、表紙と見開きも要るのか。ネットバンキングならPDFで足りるのか、画面の撮影は不可か。会社ごとに条件が違うので、先に確かめておいてください。
無関係な取引を見せたくない、という気持ちは分かります。
ただ、マスキングの可否は会社の判断です。勝手に塗りつぶす、加工する、まして数字を書き換える。どれも取引全体を疑わせます。事情があるなら、隠さずに相談してください。
代表者の本人確認書類
確認したいのは1点です。契約に押印する人が、その権限を持つ本人かどうかです。
一般に求められるのは、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートといった顔写真付きの書類です。
ファクタリングには業法がないため、使える書類を定めた共通の決まりもありません。何が認められるかは、申込先の案内によります。
先に確かめたいのは、記載の一致です。
登記事項証明書の代表者の氏名・住所と、本人確認書類の記載がずれていないか。
引っ越したのに登記も免許証も直していない。実務では珍しくありませんが、注意が必要です。
ただし2024年10月から、代表取締役等住所非表示措置が始まりました。
申出をした株式会社では、代表者の住所が登記事項証明書等に市区町村までしか載りません。
法務省も、会社代表者の住所を証明できなくなり、必要書類が増えるなどの影響が想定されると注意しています。
この措置を利用しているなら、申込先に先に伝えてください。また、代表者以外が契約するなら、委任状を求められることがあります。
法人がファクタリングを利用する際の注意点
短期の資金繰りは改善しても、中長期の負担は別の話です。この2つを切り分けずに判断すると、後で行き詰まります。
ファクタリング全般を規制する法律はなく、契約の内容は当事者の合意で決まります。
だから手数料の総額、債権譲渡の範囲、取引先への通知の有無は、契約書で一つずつ確かめるほかありません。
金融庁も、高額な手数料を支払うとかえって資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険があると注意を促しています。
契約の法的性質は、形式ではなく実態で判断されます。
個別の契約が有効かどうかを、本記事で断定はできません。疑問が残るなら、署名の前に弁護士へ相談しましょう。
大口調達では手数料の金額も大きくなる
料率が下がっても、掛ける相手の売掛金額が大きいため、負担額は増えます。
大口ほど低い料率を提示されることはありますが、同じ2%でも300万円の債権なら6万円、1億円の債権なら200万円と、1回の取引で出ていく額はまるで違います。
料率の数字を見ているだけでは、この重さは伝わってきません。
さらに登記費用や事務手数料が加わるため、実質的な負担は売掛金額から振込額を引いた差額になります。
料率ではなく金額で確かめましょう。
そのうえで、資金繰り表に書き込んでいきます。
振込額はいつ入るのか、その資金でどの支払いをいつまで賄えるのか、次の入金予定はいつか。
ここまで並べて、はじめて調達額が足りているかを判断できます。1億円を売って9,800万円が入っても、必要額が1億円なら足りません。
継続利用を前提にすると資金繰りが悪化することがある
ファクタリングを毎月使い続けると、資金繰りはむしろ苦しくなります。
手数料の分だけ、翌月に入るはずの資金が目減りするからです。
仕組みは単純です。今月1,000万円の売掛金を手数料5%で売れば、入るのは950万円。
来月その1,000万円が入金されても、それはもうファクタリング会社のものなので、手元には残りません。
だから来月も、再来月の売掛金を売ることになります。売上が横ばいなら、毎月50万円ずつ利益が減っていく計算です。
分けて考えたいのは、一時的な資金需要なのか、恒常的な収支不足なのかです。
前者なら使い道があります。後者の場合、手数料の分だけ収支の不足はかえって広がるでしょう。赤字の補填が目的なら、価格や原価、支払サイトの見直しが先です。
止め時も決めておきたいところです。
何月までに、いくらの入金でこの利用を終えるのか。出口を資金繰り表に数字で書かないまま始めると、来月も同じ判断を繰り返すことになります。
取引先への通知と債権譲渡登記の有無を確認する
「取引先に知られない」は、条件付きの話です。3社間なら、売掛先に通知して承諾が必要となります。
一方の2社間は通知を挟みませんが、知られない保証まではありません。債権譲渡登記をすれば、記録が残るからです。
法務省は、概要記録事項証明書は誰でも請求でき、その法人を譲渡人とする登記記録がなければその旨の証明書が交付されると説明しています。
裏を返せば、記録があることも誰でも確認できるわけです。手数料は窓口・送付なら1通300円です。
2社間で自社が送金を滞らせれば、会社が売掛先へ直接請求する動きに出ることもあるでしょう。
債権譲渡登記をした案件で債務者に譲渡を主張するには、登記事項証明書の交付を伴う通知が要る、と法務省は示しています。通知という手段は、はじめから用意されているわけです。
自社が滞れば、通知が届く可能性はありますので、そこまで織り込んで方式を選んでください。
売掛金を二重に譲渡してはいけない
見積もりは何社に頼んでもかまいませんが、契約は1社だけです。
契約前の相見積もりは、単なる問い合わせにすぎず、債権は動きません。
契約書に署名した時点で、その債権は自社のものではなくなります。同じ債権を別の会社へ売れば、二重譲渡です。
法務省の説明では、同じ債権について複数の債権者から請求を受けたとき、第三者対抗要件を備えた者と備えていない者がいれば備えた側に、備えた者が複数いれば具備時点が最も早い側に弁済されます。
後から買った会社は回収できず、その損失は売った自社に向かってきます。損害賠償にとどまらず、刑事責任を問われる可能性もあるでしょう。
事故は、悪意よりも管理の不備から起きます。
誰がいつどの請求書を売ったのか、社内で一覧になっているか。営業と経理が別々に動けば、同じ請求書が二度出ます。
譲渡済みの債権に印をつける、担当者を一本化する。この程度の運用で防げるはずです。
分割返済を前提とする契約には注意する
売買なら、支払いは一度で終わります。分割で返す仕組みが出てきたなら、売買ではないかもしれません。
債権の売買では、売った時点で自社の役割は終わり、2社間で回収を任されても、入金された代金をそのまま渡すだけです。
金融庁は、譲渡した債権の集金が売主に委託され、集金できなかった場合に売主が債権を買い戻す、または売主自身の資金で支払う取り決めになっている取引について、貸金業に該当するおそれがあると示しています。
契約書にノンリコースとあっても、経済的側面や実態に照らして判断されるとも説明しています。
貸金業には登録が要り、無登録営業は刑事罰の対象です。
利息制限法と出資法の上限金利も適用され、年109.5%を超える利息の契約をすれば、消費貸借契約そのものが無効になります。
確かめたいのは、支払いがどちら向きか。自社が返す側に回る条項、つまり分割返済、利息、担保、保証が入っていないかどうかです。
買取代金が分割で振り込まれる話とは別物なので、混同しないでください。違法性は個別事情で決まります。判断は弁護士へ。
高額な手数料や不明瞭な契約を提示する業者を避ける
見積書と契約書が食い違うだけで、契約を見送る材料になります。
契約直前の引き上げには注意が要ります。審査後に「売掛先の評価が下がった」として料率が上がる、といった話です。
急いでいる相手ほど、その場で受け入れると見込まれています。書面で提示された条件が変わったなら、理由と根拠を文書で求めてください。
金融庁は、買取代金が債権額に比べて著しく低額な取引を、偽装ファクタリングの疑いがある例として挙げています。
確かめるのは3点です。
手数料と追加費用と振込額が契約前に書面で示されているか、契約書を持ち帰って読めるか、質問に文書で答えるか。この3つを断る会社と、無理に契約する理由はありません。
心配な点があれば弁護士へ相談しましょう。金融庁の金融サービス利用者相談室にも相談できますが、金融庁はファクタリングを所管しておらず、業者への監督は行いません。
なお、違法業者の詳しい見分け方は別記事で解説しています。
法人がファクタリングを利用するメリット
法人がファクタリングを選ぶ理由は、大きく4つです。
・入金日前の資金化
・借入ではない性質
・財務状況だけで門前払いされにくいこと
・担保や保証人が原則要らないこと
土台にあるのは、この取引が融資ではないという点でしょう。
金融庁は、ファクタリングを売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスであり、法的には債権の売買契約だと説明しています。
ただし、どれも「可能性がある」までの話です。
買い取るか、いくらで買うかは審査と契約条件で決まります。会社を比べるときは、この4つを前提として押さえたうえで、条件の中身を見てください。
売掛金を入金日前に資金化できる
支払期日を待たずに、請求書を現金に換えられます。金融庁も、期日前に買い取るサービスだと説明しています。
使いどころは、入金より支払いが先に来る局面です。
3月末に納品して、請求は月末締め、入金は5月末。その間に仕入代金の支払いと給与日が2回ずつ来るため、手元の現金が足りなければ5月末までは待てません。
ここで売掛金を売れば、待たずに済みます。
外注費の先払いが常態化している建設や運送、人件費が先に出る人材派遣。業種によって、この時間差の大きさは変わります。
注意したいのは2点。
まず、受け取るのは売掛金額そのものではなく、手数料などを差し引いた額が振り込まれます。
次に、資金化までの日数は会社と審査状況で変わるという点です。オンライン完結で当日という案内もあれば、書類の追加で数日かかることもあります。
「最短」の表示は、条件が揃った場合の日数です。
融資とは異なり原則として負債が増えない
融資との違いは、借りるのではなく売る点にあります。
金融庁は、ファクタリングの法的性質は売買契約に基づく債権譲渡であり、金銭の貸し借りではないため、2社間・3社間で貸金業の登録は要らないとしています。
貸金業ではないので金利の上限規制も適用されません。ただしリコース型は別です。
差し引かれるのは利息ではなく買取手数料で、返済という概念もありません。
国税庁は、金銭債権の譲り受けの際に債権者から徴収する割引料、保証料または手数料について、その名目にかかわらず譲受対価として非課税になるとしています。
買取手数料に消費税が乗らないのは、このためです。
ただし見積書の全項目が非課税とは限りません。債権譲渡登記の登録免許税は税金そのもの、司法書士報酬は役務の対価であり、費目で扱いが分かれます。
貸借対照表から完全に消えるとも言い切れません。会計処理は契約の実態で変わります。自社の決算と税区分は、税理士に確認しましょう。
赤字や債務超過でも利用できる可能性がある
融資とは、審査のポイントが違います。
銀行は自社の返済能力を見ますが、ファクタリングは債権の売買で、買い取った会社は売掛先から回収するからです。
だから審査では、自社の決算より売掛先の支払能力が重く見られます。
赤字が続いている、債務超過に陥っている。それでも、売掛先が期日どおり払う見込みの高い債権なら、検討の余地は残ります。銀行の融資が止まった局面で使われるのは、この構造があるからでしょう。
ただし、必ず使えるという話ではありません。財務以外の理由で進まないこともあります。
税金や社会保険料の滞納が進んで売掛金が差し押さえられていれば、話は別です。
法務省は、債権譲渡を主張すべき第三者として、二重譲受人や差押債権者を挙げています。差押えが先に効いていれば、買い取った会社は回収できません。
「赤字でもOK」の表示は、赤字を理由に一律では断らない、という意味にとどまります。
担保や保証人を原則として必要としない
売るのは債権そのものなので、不動産を差し出すことも、代表者が個人保証を背負うことも、原則としてありません。
融資なら、返せなかったときの備えが要ります。担保も保証も、返済されない場合に備える仕組みだからです。
売買には返済がないので、その備えも要らない。理屈としてはこうなります。
だから、返済を前提とする条項が出てきたら立ち止まってください。
金融庁は、譲渡した債権の集金が売主に委託され、集金できなかった場合に売主が債権を買い戻す、または売主自身の資金で支払う取り決めになっている取引は、貸金業に該当するおそれがあると示しています。
ノンリコースと書いてあっても、実態に照らして判断されるとも説明しています。
担保や保証の要求も、同じ目で見てください。売買に担保が要る理由は、本来ないはずです。
「原則として」と書いたのは、リコース型の商品があるから。金融庁も、金利の上限規制が適用されない範囲からリコース型を除いています。
なお、メリットとデメリットの詳しい比較は別記事で解説しています。
法人向けファクタリングに関するよくある質問
申込前に出やすい疑問を整理しました。共通するのは「一律の答えがない」ことです。ファクタリング全般を規制する法律はなく、金融庁も所管していないとしています。
だから買取上限も審査基準も、各社が独自に決めています。同じ債権を同じ条件で持ち込んでも、1社が断り、別の1社が条件付きで応じる。そんなことが普通に起きます。
以下は一般論として読んでください。ここに書いた条件を満たしても契約に至るとは限らず、逆に難しそうに見えても相談する価値が残る場合もあります。法律・税務・会計に関わる判断は、弁護士や税理士へ。
いくらから大口ファクタリングになりますか?
法令上の統一基準はありません。「大口」は各社が自社の商品説明で使っている言葉であり、規制する法律がない以上、公的な線引きも存在しません。
数千万円以上を目安として扱う説明を見かけますが、それも独自の基準です。年商50億円の会社にとっての5,000万円と、年商1億円の会社にとっての5,000万円では、意味がまるで違います。
比べるなら、言葉ではなく数字で見てください。最低買取額と買取上限額の両方、そして自社の希望額に近い過去の取引実績があるかどうか。「上限なし」の表示は、希望額の全額買取を保証するものではありません。
希望額が大きいなら、申込前に相談を。一部だけの買取になるのか、複数の債権を組み合わせられるのか、複数回に分けられるのか。扱いは会社によって分かれます。
赤字決算や債務超過でも利用できますか?
可能性は残りますが、保証はできません。
買い取った会社が回収する相手は売掛先です。だから審査では、自社の決算より売掛先の支払能力が重く見られます。銀行の融資が止まった局面でも検討できるのは、この構造があるからでしょう。
とはいえ、決算書を見ないわけではありません。直近の決算書や勘定科目内訳明細書、決算期から時間が経っていれば試算表。売掛金の内訳に今回の売掛先が載っているか、事業規模と債権額が一致するか。そこは確かめられます。
判断は各社で割れます。1社で断られても、別の会社では条件が付いて成立することもある。事実と異なる数字を出さず、そのまま提出したうえで、複数社に当たってみてください。
税金や社会保険料を滞納していても利用できますか?
滞納があるだけで不可、とは限りません。ただし差押えが絡むと話が変わります。
売掛金が差し押さえられると、買い取った会社の回収は危うくなります。優劣は対抗要件を備えた先後で決まるからです。法務省も、第三者として差押債権者を挙げています。差押えが先に効いていれば、後から譲り受けた会社は回収できません。
だから審査では、滞納の有無だけでなく、督促の段階、分納の合意、差押えの有無まで見られます。隠しても通帳や納税証明書に残ります。
ファクタリングより先に検討したい制度もあります。国税庁は、国税を一時に納付することが困難な場合、申請により換価の猶予や納税の猶予が認められることがあり、認められれば差押えなどが猶予され、延滞税も全部または一部が免除されると案内しています。
ただし換価の猶予は、納期限から6か月以内の申請が要件のひとつ。期限を過ぎても職権による猶予の余地は残ります。まず税務署の徴収担当へ。社会保険料は年金事務所へ。
銀行融資を受けていてもファクタリングを利用できますか?
併用は可能です。別々の資金調達だからです。
融資は借入で、ファクタリングは債権の売買。契約の相手も違えば、法的な性質も違います。融資残高があること自体が、申込を妨げるわけではありません。
見ておきたいのは3点。まず、売掛債権が融資の担保に入っていないか。法務省は、担保目的で債権を譲渡した場合も債権譲渡登記ができるとしており、譲渡担保も債権譲渡にあたります。銀行に譲渡済みの債権を重ねて売れば、二重譲渡です。
次に、融資契約に財務制限条項や資産処分の制限がないか。最後に、銀行への説明をどうするか。
これらは融資契約書と担保設定契約書を読めば分かります。判断に迷うなら、取引銀行と顧問税理士に先に確認を。後から発覚するより、はるかに安全です。
取引先にファクタリングの利用を知られますか?
方式によります。「絶対に知られない」とは言えません。
3社間は、売掛先に通知して承諾を得る前提の方式なので、知られます。2社間は通知を挟まないため、直接伝わることは原則ありません。
ただし、経路は残ります。債権譲渡登記をすれば、概要記録事項証明書として誰でも記録を請求できるからです。売掛先が調べれば、把握される可能性はあります。
入金口座の変更を求められる契約なら、そこから伝わることも。自社が送金を滞らせれば、会社が売掛先へ直接請求に動くこともあるでしょう。「取引先に知られない」の表示は、通常どおり運べば通知しない、という意味にとどまります。
法人のファクタリングに連帯保証人は必要ですか?
買取型では、原則として求められません。売買に返済がないからです。
融資の保証は、返せなかったときの備え。ファクタリングは債権を売り切る取引なので、その備えを置く理由が本来ありません。代表者の個人保証を条件にされたら、契約の性質を疑ってください。
金融庁は、譲渡した債権の集金が売主に委託され、集金できなかった場合に売主が債権を買い戻す、または売主自身の資金で支払う取り決めになっている取引は、貸金業に該当するおそれがあると示しています。ノンリコースと書いてあっても、実態に照らして判断されるとも説明しています。
「原則として」と書くのは、リコース型の商品があるから。買戻し義務、保証、担保の条項がないか、契約書で確かめてください。
ファクタリング手数料に消費税はかかりますか?
買取手数料には、かかりません。
国税庁は、金銭債権の譲り受けの際に債権者から徴収する割引料、保証料または手数料について、その名目にかかわらず金銭債権の譲受対価として非課税になるとしています。
ただし、見積書の全項目が非課税になるわけではありません。債権譲渡登記の登録免許税は税金そのもの。司法書士報酬や、事務代行・コンサルティング・出張などの役務の対価には、消費税がかかることもあり、費目によって扱いが分かれます。
だから、内訳を見てください。買取手数料に消費税が乗っているなら、どの費目に対する税なのか説明を求める。答えられない請求を、そのまま受け入れる必要はありません。個別の税区分は税理士か税務署へ。
複数のファクタリング会社を利用できますか?
違う債権を違う会社へ売るなら成り立ちますが、同じ債権を2社へ売るのは二重譲渡です。
A社の請求書をX社に、B社の請求書をY社に売る。それぞれ別の債権なので、問題ありません。禁じられるのは、一度売った債権を重ねて売ることです。
法務省の説明では、同じ債権について複数の債権者から請求を受けたとき、第三者対抗要件を備えた者と備えていない者がいれば備えた側に、備えた者が複数いれば具備時点が最も早い側に弁済されます。後から買った会社は回収できず、その損失は自社に向かってきます。
事故は管理の不備から起きます。債権ごとに、譲渡先・金額・契約日・支払期日を一覧にしてください。営業と経理が別々に動けば、同じ請求書が二度出ます。既存契約に他社利用の制限がないかも、あわせて確認を。
個人事業主や設立直後の法人も利用できますか?
対応する会社はありますが、条件は変わります。
業歴が短いと、過去の入金実績を示せません。その分、契約書や発注書で取引を裏づける、売掛先の信用力で補う、という形になります。設立1期目でも、上場企業向けの請求書に契約書と検収書が揃っていれば、検討の対象にはなるでしょう。
一方で、対象を法人に限る会社、業歴1年以上を条件にする会社もあります。個人事業主の場合、屋号名義の口座では入金確認が取りにくいことも。
必要書類も違います。法人なら登記事項証明書ですが、個人事業主は開業届や確定申告書を求められることがあります。詳しい対応会社と条件は、個人事業主・新設法人向けのページで解説しています。
法人向けファクタリング会社を比較して自社に合うサービスを選ぶ
法人向けファクタリング会社を選ぶ軸は、記事で挙げた7つです。買取実績、総費用、契約方式、債権譲渡登記、償還請求権、相談方法、運営会社の情報。
大口では、「上限なし」の表示より、自社の希望額に近い取引実績のほうが効きます。費用は料率ではなく、すべてを差し引いた最終入金額で。1%の差が、大口では数十万円から数百万円になります。
同じ債権について同じ条件で複数社に見積もりを依頼し、書面で振込額を出させる。契約書は持ち帰り、買戻し義務や保証の条項がないか確かめる。迷うなら署名の前に弁護士や税理士へ。急がされる契約ほど、一度止まる価値があります。





