融資

融資審査に通過するために、最低限おさえておきたい3つのポイント

融資ポイント

事業を行ううえで、欠かせない資金調達手段のひとつである融資。
銀行でもノンバンクでも、審査の結果によっては大口の資金の借り入れ可能な点が最大の魅力だといえます。
言い換えれば、融資を希望すれば必ず実施される審査に通過できなければ、希望額の借り入れが実現しないどころか、1円の資金も調達できない結果を招くことになるため、審査通過に向けては事前に入念な準備や心構えをしておく必要があります。
今回は、これから融資を検討される事業主の皆さんに向けて、融資審査に通過するためにおさえておきたい3つのポイントを紹介します。

借入希望額は根拠に基づいて伝える

借入希望額は根拠に基づいて伝える

銀行でもノンバンクでも、融資を申し込む際には必ずといっていいほど、借入希望額を伝えることになります。
口頭のほか、書類やWebサイトフォームなど、借入希望額を伝える方法は様々ではありますが、事前の通知だからといって不明瞭にはせずに、しっかりと根拠に基づいた金額を伝えることが大切です。
たとえば、設備投資費の調達を目的とする場合、その設備の購入費や設置費を明確にしておきます。購入費が500万円、設置費が100万円であるならば、合計で600万円の資金が必要となりますが、この内訳を伝えられるのかが、申し込み段階での大きなポイントとなります。
つまり、申込み時の段階で、見積もりをとるといった明確な根拠を用意しておくことにより、借入希望額に真実味と説得力をもたせられるようになるわけです。
申し込み前に根拠の用意を怠ったまま、借入希望額を“どんぶり勘定”で伝え、いざ審査に臨んだ際に「やっぱり1,000万円が必要です」と伝えたところで、もはや担当者からの信用は得られず、審査通過は非常に困難なものになりかねないでしょう。
借入希望額は、使用用途とあわせて伝え、根拠を示せるよう用意しておくこと。その根拠はできる限り書面で証明するようにします。
融資審査は、申込時から始まっているということを意識しましょう。

必要書類の作成や確認は慎重かつ入念に

必要書類の作成や確認は慎重かつ入念に

融資の申し込み時には、必要書類の提出を求められます。銀行や信用金庫では、決算書(損益計算書)や賃借対照表、試算表、事業計画書など複数の書類、ノンバンクでは決算書のみで申し込み可能になるなど、融資元によって必要書類は様々ですが、共通するポイントは、これらの作成や確認は慎重かつ入念に行うということです。
おそらく多くの企業が、決算業務を税理士に依頼していることかと思います。もちろんそれ自体には何の問題もありませんが、中には審査時に決算書の内容を初めて目にするかのようなリアクションをとる経営者がいると聞きます。
融資審査において、特に重要な書類である決算書は、会社の成績表ともいえる書類であり、売上額や支出額、残された利益などが明確に示されています。それにも拘らず、内容の確認を怠ったまま審査に臨むという行為は、経営者としての責任感に欠けており、融資担当者にも、「本当にこの経営者を信用していいものか」と不安を抱かせてしまいます。
ですので、税理士から決算書を受け取った時点や融資の面談前などには必ず入念に決算書の内容に目を通しておき、正しく損益を把握しておかなければなりません。そして、担当者からの質問に対しては的確に答える、損益や融資の必要性などについて明確に説明できるようにしておきましょう。
また、銀行をはじめとした金融機関では、返済の財源を書類で示す必要もあります。
この場合、主に事業計画書と資金繰り表の数字を根拠として示すことになりますが、これらの書類作成時に必ず意識してほしいのが、両書類の統一性です。
事業内容を示す書類が事業計画書であり、資金の借り入れ後に「何にどれほどの資金を投入して、どのくらいの儲けを得て返済に充てられるのか」ということを示す書類が資金繰り表です。
したがって、両書類の内容の統一性についてはこと細く確認が入るため、内容がチグハグでは、返済の期待度は低いと判断されてしまうわけです。
事業計画書と資金繰り表の提出が必要であれば、作成時に統一性を意識すること。ノンバンクの利用で、資金繰り表や事業計画表の提出が求められない場合であっても、口頭で事業内容や資金繰り計画について説明できるように準備しておくことが大切です。

面談では、嘘や誇張、虚勢無く素直かつ正直に話す

面談では、嘘や誇張、虚勢無く素直かつ正直に話す

融資審査において、書類審査と同じく大事な場面になるのが担当者との面談です。
この場で担当者が知りたいことは、主に融資を希望する理由のほか、事業の現状と先のビジョン、そして返済の可能性。いわば、自社のアピールタイムとなります。
是が非でも融資を勝ち取りたいという強い意思を持って臨むのは構いませんし、担当者に対して熱意を示すことはとても大切です。
ただ、だからといって話す内容に、嘘や誇張、虚勢が感じられるようでは、どれだけ立派なことを伝えても、必要書類の内容が良質であっても審査に通過できる可能性は下がってしまいます。
「事業の現状はどうのか」「どうして今、融資が必要なのか」「なぜ、この借入希望額なのか」「何に使い、どれだけの利益を生んで会社を成長させられるのか」「返済が滞らないといえる根拠はどこにあるのか」など、担当者からの質問の意図を正確に読み取ったうえで、素直かつ正直に答えること。
書類の出来や数字の認識も審査においては重要な要素ではありますが、やはり最後は経営者自身の人間性も審査の対象になることを忘れないようにしましょう。