ファクタリング

加速する金融オンラインサービスとそれに対するトップ・マネジメントの見解

加速する金融オンラインサービスと、それに対するトップ・マネジメントの見解〜オンライン融資・クラウドファクタリング〜【ファクタリング】

ショッピングや銀行・株の取引など、あらゆるサービスをWeb上で完結させることが当たり前となった近年。さらに、今年に入ってからは新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークやリモートワークを導入する企業が増加するなど、普段の生活から仕事にいたるまで、日常におけるwebの活用がより重要性を増す一方にあります

そんな中、急激な盛り上がりをみせる市場があります。

それが「オンライン融資」や「クラウドファクタリング」などの「金融オンラインサービス」です。

金融オンラインサービスとは、その文字通り金融サービスの利用におけるすべての取引をweb上で完結させられるサービス

従来では、ファクタリングや融資サービスを利用する上で必須であった直接面談を省くことで、申し込みから入金までの流れを、よりスピーディーかつ効率的に進められるとあって企業のみならず個人事業主からも大きな支持を得ています。

スピードと効率性が重視される現代のビジネスにおいて確実に需要が上昇しているクラウドファクタリングやオンライン融資の必要性を認識した提供事業者は数多く、最近では次々と新たな金融オンラインサービスが誕生している傾向にあります。

昨今の金融業界における最重要キーワードともいえる「フィンテック(ICTを活用した金融商品やサービスとそれに係る技術)」の一環ともいえる金融オンラインサービスの隆盛は、企業や個人事業主の今後の資金調達の利便性を高めるとともに、市場はさらに拡大していくに違いありません。

では、加速する金融オンラインサービスの中でも、中小零細企業の事業主の方々にとって最も関わりが深くなるであろう「オンライン融資」と「クラウドファクタリング」とはいかなるサービス内容なのでしょうか。

オンライン融資

オンライン融資

オンライン融資とは、申し込みから審査、入金、返済まで、融資におけるすべての取引をオンライン上で完結できるサービス。金融と経済に大きな変革を与えるフィンテックの一環として誕生したサービスであり、現在ではノンバンクの融資事業者のほか、最近では大手メガバンク各社もサービスの提供を開始しています。

AIの活用で利用者と提供事業者双方にメリット

オンライン融資の最大の魅力は、なんといっても利用にあたって生じる煩雑さの解消実際の入金までの期間が大幅に短縮されたこと。

従来の融資では、銀行やノンバンクを問わず、事前に複数の書類を用意する必要があり、いざ審査に進んだとしても結果が出るまでには長い期間を要しました。特に銀行の融資審査期間は長く、最短でも1週間以上かかってしまうのがネックであり、たとえノンバンクよりも金利が割安になるといっても、急を要する資金調達には不向きであるとの認識が一般的でした。

対するオンライン融資では、提出書類の数が削減されるとともに、利用するサービスによっては審査結果が最短10分で判明入金も2日ほどで完了するという特徴があります。

これは、AIの活用によって銀行口座の入出金情報や普段使用している会計ソフトからデータを抽出、分析することで貸付額や金利といった融資条件を決定づけることが可能となっているためです

最近では、クラウド会計ソフトを導入する企業や個人事業主も増加しているため、財務データを融資事業者と共有すれば中長期的な資金繰りを予測し、自動的に融資条件を算出することもできます。

また、提出された膨大な書類の読み込みや直接面談が不要となることからマンパワーが軽減されるため、提供事業者にとっては大幅なコストの削減にもつながっています。

つまりオンライン融資の提供は、利用者にかかる手間や時間が省けるだけでなく、提供事業者にとっても大きなメリットが得られるのです

信用の蓄積は重視されない

オンライン融資の利用にあたって重視されるのは、基本的に財務データのみであり、そこから算出される将来的な資金繰り予想を基に融資条件を提示します。

したがって、従来の融資で重視されるような利用者と融資事業者との間での深い関係性を築き上げておく必要はなく、初めて利用するサービスであっても、財務データにさえ問題がなければ審査通過は困難ではありません

また信用の蓄積が不要であるというメリットは、融資事業者との関係を深められていないような創業したばかりの企業でも資金調達できる可能性を拡げているといってよいでしょう。

セキュリティ面での不安も

利用者の手間の軽減や時間の短縮、提供事業者のコスト削減などのメリットがある一方で、web上ですべての取引を完了できるという特性上、最も懸念されるのがセキュリティ面の不安です。

もちろん、オンライン融資を提供する各融資事業者は、万全のセキュリティ対策に務めているかと思いますが、いくら対策を整えたとしてもネットワークへの侵入を100%防げるとはいえないため、データ流出の危険性は常につきまとうことになります

ただ、従来の融資で必要となる「紙の提出書類」であっても、従業員による紛失や持ち出しなどの杜撰な管理による流出リスクがあるのも事実。

それゆえ、オンライン融資でも従来の融資でも、セキュリティ面は不安要素としては同等であるといえ、完全なる解消にいたっているとは言い切れないのが現状です。

クラウドファクタリング

クラウドファクタリング

中小零細企業の事業主の方々に関わりが深い、もうひとつの金融オンラインサービスが「クラウドファクタリング」。クラウドファクタリングもオンライン融資と同じく、取引のすべてをweb上で完結できるというファクタリングサービスであり、株式会社OltaのクラウドファクタリングやGMO クリエイターズネットワーク株式会社が提供する、フリーランスや個人事業主向けのFREENANCEなどが代表的なサービスとなっています。

そもそもクラウドファクタリングという名称は、サービスのパイオニアである株式会社Oltaが商標登録しているため、web上で取引を完結させられるすべてのファクタリングサービスがそう呼ばれるわけではありません

ですが、「web完結型」のファクタリングが普及する昨今では、便宜上、そのようなファクタリングを総称してクラウドファクタリングと呼ぶようになってきているようです。

ファクタリングに係る煩わしさを排除

ファクタリングの内容や仕組みについては、すでに当メディアでも説明済みですので本記事では省略しますが、既存のファクタリング、特に売掛先との債権譲渡契約の締結が必須の3社間ファクタリングにおいては、「売掛債権の売却」というサービスの特性上、利用者は売掛先に知られたくないという心理から利用を躊躇するケースが目立ちました

また、債権譲渡契約が不要であり、売掛先にファクタリングの利用を知られることなく契約を交わせる2社間ファクタリングでも、債権譲渡登記やそれに伴う費用の発生など、手間や金銭的負担の増加といった煩わしさがネックになってきました。

クラウドファクタリングは、オンライン融資と同じように申し込み時の提出書類の準備や直接面談も不要です。さらに、現在展開されているクラウドファクタリングの多くは、2社間ファクタリングのみとなっているのですが、債権譲渡登記やその手数料の支払いも必要なく契約が可能となっています。

金融オンラインサービスに対するトップ・マネジメントの見解

金融オンラインサービスに対するトップ・マネジメントの見解

オンライン融資やクラウドファクタリングといった金融オンラインサービスの登場により、事業資金調達にかかる手間や時間は大幅に削減され、一気に利便性が高まりました

今後も、オンラインサービスが未導入となっている各融資事業者やファクタリング事業者の多くが続々と参入していくのではないかと予測できます。

AIの活用やマンパワーの削減が可能な金融オンラインサービスは、利用者と提供事業者の双方に大きなメリットが生まれるのは確かですし、至急の資金需要に対応する圧倒的なスピード感も大きな魅力であり、需要はますます高まることでしょう。

考えるに、この先、人が直接的に対応する金融サービスが完全消滅する可能性はゼロではないはずです。ただ、担当者と対面や会話を通す必要もなく、Web上だけですべての取引を完了させられる金融オンラインサービスのみだけが拡がる金融業界となってしまうことに対して、不安を感じずにはいられません。

果たして、事業や経営の存亡にかかわる融資やファクタリングの審査を、数値のみによるAIだけの判断に任せてよいのか。利用者の人となりの認識や、それぞれの企業が抱える問題点を直接聞き入れた上での契約内容を提案するべきではないのか・・・

残念ながらAIには人間のような感情はありません。感情を持たない以上、利用者が抱える事情や不安を考慮した取引は不可能です。

トップ・マネジメントでは、創業以来、一貫して利用者の方々との面談を通したファクタリングサービスの提供を行ってきました。

Webからのお申し込み自体は可能ですが、AIは未導入ですので、提出された各書類の確認と利用者との面談を必ず行っています(現在はコロナの感染拡大防止のためZoomを使用したweb面談のみを実施中)。

これは、決算書などの数値のみにとらわられず、AIには務まらない人間的な感情を考慮に入れた審査を重視し、それぞれの事情や問題点を考慮した幅広く柔軟性のある契約内容を提案するためです。

今後もフィンテックの発展によって、多種多様な金融オンラインサービスが登場することは間違いありませんし、市場の盛り上がりに対しても大いに期待しています。

しかし、「利用者に寄り添う人間的な資金調達法」の必要性は、どれだけ技術やツールが進歩しても薄れることはありませんし、絶滅させるわけにはいきません
トップ・マネジメントは、これからも変わらずその役割を担っていきたいと考えています。