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今や、資金調達法として一般的になっている「クラウドファンディング」ってどんな仕組みなの?
最近、ニュースやバラエティ番組などで、「クラウドファンディング」という言葉をよく耳にするようになりました。
まったく利用する予定もないし、興味もないといった人でも、なんとなく意味は理解できるかと思いますが、「クラウドファンディング」とは、「クラウド=群衆」と「ファンディング=資金調達」を掛け合わした造語。
つまり、アイデアやプロジェクトを実行させるために、インターネットを通して資金を調達する仕組みです。
このような仕組みは、インターネットが普及する以前からありましたが、インターネットが一般化されてからは、気軽に、しかもより多くの人から資金を調達できるとあって、個人やベンチャー企業を中心に利用者数が増加しています。
「寄付」だけじゃない。クラウドファンディングの主な仕組み
調達者が大勢の人に呼びかけて資金を募るといった点を考えると、「クラウドファンディング」は単なる「寄付」としてのイメージを持たれがちですが、実際には「寄付」としてだけではなく、物品の提供が必要なサービスや融資とほぼ同じサービスなど、様々な方法で資金を調達できる方法です。
では、「クラウドファンディング」には、具体的にどのような種類があるのでしょうか。
「クラウドファンディング」は、主に金銭的な見返りが必要なものと、そうでないものに分けられます。
金銭的な見返りが不要なクラウドファンディング
- 寄付型
- 購入型
金銭的な見返りが必要なクラウドファンディング
- 融資型
- 投資型
それでは、それぞれのサービスの仕組みをみていきましょう。
金銭的な見返りが不要なクラウドファンディング
まずは「寄付」
クラウドファンディングの中では、比較的イメージしやすい仕組みです。
自分のための資金や利益を確保するためではなく、災害時の復興支援や孤児の支援など、人や社会に役立てるための資金調達を目的として利用します。
当然ながら、金銭や物品などのお返しはありません。この寄付型ファンディングこそが、日本におけるクラウドファンディングの知名度を高めたといってもよく、最も有名な例が東日本大震災時の支援です。
この年に日本で最初のクラウドファンディングサービスが起ちあげられたこともあり、震災後には多くの支援金が集まりました。
続いては「購入型」です。これは企画やアイデアを実現させるために資金を募り、実現した暁には、完成した製品やサービスを出資者に特典つきで提供するといった仕組みです。
基本的には金銭のリターンは行われません。
「購入型」には、主に2つの実施パターンがあります。ひとつは、設定した期限までに目標資金が集まらなければ、プロジェクトが終了する「All or Nothing 方式」
もうひとつは、プロジェクトがスタートできる状況から資金を募集する「All In型」です。
利用するクラウドファンディングサービスによって条件やメリット、デメリットは様々です。
新製品の開発や本や映画の制作、コンサートやイベントの開催、団体設立のための資金調達などに利用されるなど、度々メディアでも話題にもなっています。
知名度や資金力のない個人や、設立間もないベンチャー企業などでも利用しやすく、リスクもほぼゼロなため、多くの人に賛同を得られそうな企画やアイデアが浮かんだら検討してみるのもよいでしょう。
金銭的な見返りが必要なクラウドファンディング
次は金銭的な見返りが必要とされるクラウドファンディングについて。
「融資型」のクラウドファンディングは、別名「c」とも呼ばれ、寄付性の強い上記2つの仕組みと比べると、投資商品としての性質が強いといえます。
クラウドファンディングサービスの提供会社が、資産運用を希望する企業や個人から小口の資金を集め、それらを融資として貸し出します。
こちらは、融資ですので当然ながら返済義務が生じます。
出資者は、返済時の利息を得ることで利益をあげる仕組みです。
さらに「投資型」
これは、非上場企業が持つ未公開株を公開して資金を調達する仕組みです。
投資家は企業の詳細を事細かに調べた上で投資をし、未公開株を取得することができます。
ただし、年間の調達額や投資金額が定められており、調達額は年間で1億円未満。
投資家による投資額は1社に対して年間50万円までです。
出資者の想いを背負った資金調達法
クラウドファンディングは、大まかに以上のような4つの仕組みに分けられます。
一見すると、金銭的な見返りが不要なクラウドファンディングは容易く利用しやすそうに思え、金銭的な見返りが必要とされるクラウドファンディングは、単なる融資や株式の売買のようにも思えますが、見返りが不要であっても必要であっても、出資者は利益の獲得を第一目標とするわけではなく、あくまで応援や支援の意味合いを込めて参加します。
したがって、どんなクラウドファンディングであっても、既存のサービスや、ありきたりな企画などを掲げていては資金の調達は非常に難しいといえます。
また、資金を無事に調達できた場合であっても、出資者からの信頼や期待を背負っていることも忘れないでください。