税金

法人が絶対にやってはいけない節税方法を解説します!

アイキャッチ画像

売上から利益を少しでも多く残すために効果的な節税対策。裏を返せば、適切な節税対策をしなければ事業に必要な資金はほとんど残らないと言っても過言ではありません。
事業活動において生じた損金を経費として計上することや控除の活用など、合法的な節税は経営を有利に進めるうえで不可欠な行為です。
しかし、あまりにも「度がすぎる」節税対策を実施すると、資金繰りを逆に圧迫させる可能性が生じるほか、税務署から監視の対象になり、程度によっては刑事罰を受けることにもなります。
では、法人として絶対にやってはいけない「度がすぎる」節税方法には、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

無駄な経費を増やす

経費イメージ画像

まずは、少しでも税金額を抑えようと経費を無理やり増やそうとする行為です。
法人の経費として認められる支出には、「旅費交通費」や「消耗品費」「通信費」「水道光熱費」「広告宣伝費」などがあります。
たとえば、社員が出張の際に使った旅費や宿泊費は「旅費交通費」として、パソコンや事務用品の購入費は「消耗品費」として計上可能です。
事業や業務に関する支出の経費計上は、もちろん合法であり経費額が増えれば増えるほど、税金額を減少させることができます。
ところが、経費があまりにも増えすぎるとどうなるでしょうか。税金額が抑えられるとはいえ、同時に利益まで減少させてしまうことにもなりかねないのです。
節税対策だからといって、不要なモノを購入したり、特に目的のない場所へ出向くなどして経費を増やし、挙げ句の果てに資金繰りを悪化させるケースは珍しくありません。
経費を支出する際に考えなければならないのは、収支のバランスです。税金額が抑えられるからといって、無理やり経費を増やすような支出は避けるようにしましょう。

事業や業務に関係のない支出の経費計上

ゲーム機イメージ画像

事業や業務に関係のないモノの購入といった支出については、そもそも経費として認められません。
経費として認められる費用は以下の通りです。

・売上原価など、その他の総収入金額を得るため直接的に必要な費用
・販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用

極端な例にはなりますが、建設業を営む法人がゲーム機を購入した費用を経費計上することはできず、税務調査などで発覚すれば追徴課税を受ける可能性もあります。当然ながら、一般的な判断からかけ離れてはいても、根拠をもとに事業や業務への関連性を説明できるのであれば経費として認められることもありますが、妥当性は欠くことでしょう。
いずれにせよ、経費として認められるのは、事業や業務に必要な支出のみです。妥当性を見極め、正しく判別するようにしましょう。

個人的な支出の経費計上

タクシー利用イメージ画像

これは、いわゆる「一人親方」の法人によく見られるケースです。
個人的な旅行で支払った交通費や宿泊費などを「出張費」として偽り、会社の経費として計上するのも認められる節税方法ではありません。
このような行為も、上記と同じく事業や業務に関係のない支出の経費計上です。多少なら構わないだろうと甘い考えで繰り返していると、税務調査で説明を求められた際に答えられず、不正と断定されることもあるため絶対に混同しないようにしましょう。

架空の経費計上

領収書イメージ画像

原則として経費は、該当する取引の記録を保管することにより認定されます。
領収書やクレジットカードの利用明細、永久明細、銀行の振込金受取書など、支払いを受けた側が発行する書類がこれにあたります。
しかし、これらの書類を所持していない、または発行すらされていないにもかかわらず経費として計上した場合、脱税と断定される場合があります。
追徴課税はおろか刑事罰として懲役刑を受ける可能性がありますので絶対にやめましょう。

売上の隠蔽

売上減少に見せかけるイメージ画像

経費計上に関するものではなく、売上自体を隠蔽する不正な節税対策もあります。
実際の売上を意図的に隠すのは言うまでもなく不正行為のひとつであり、経費の不正計上とともに法的のみならず倫理的にも問題ある行為です。
また、法人としてだけでなく個人としての社会的信用まで傷つけてしまい、法的問題や経済的損失を引き起こす可能性があることを忘れないでください。

まとめ

まとめ画像

節税は法人経営における必要不可欠な行為であり、節税をしなければ経営は成り立ちません。
しかし、「度が過ぎた」節税対策は、不正行為と断定されることもあります。納税額を抑えられるどころか、資金繰りの圧迫のほか刑事罰や追徴課税といった社会的な制裁を招く恐れがあることを認識しておかなければなりません。
正当な節税対策とは、税法や会計基準に基づいて行われるもので、法的かつ倫理的に適切な方法で税金額を抑える方法を指します。健全な経営を続けるためにも、適切かつ適度な節税対策を心がけましょう。