銀行と上手に付き合うために
避けたい3つのことを解説

資金調達を考える際、多くの経営者がまずは銀行からの融資を検討するのではないでしょうか。
しかし、「銀行は貸し渋りが多い」といわれるようになって久しい昨今。銀行からの融資は期待できない、もしくは実際に門前払いを食らうなどして銀行に対する期待度が低いという経営者も少なからず存在するようです。
「銀行の貸し渋りが多い」理由としては、もちろん銀行側の自己資本比率規制によるやむを得ないものや、融資の焦げ付きリスクを減らすためなどが挙げられますが、もしかすると、銀行側と上手な付き合い方ができていないからかもしれません。
というのも、銀行における融資にあたって話をするのは銀行員。そして審査での最終決定権は主に支店長となります。したがって重要なのは、人対人のやりとり。つまり担当の銀行員や支店長とどれくらい上手な付き合い方ができるかという点も融資においては大切なポイントになるものです。
では、銀行側と上手に接していくためにはどのような点に注意するべきなのでしょうか。
今回は、銀行と上手に付き合うために避けたいことを3つ解説します。

融資審査で最重要視される「信用度」

銀行が融資審査において重要視するのは何よりも「信用度」です。もちろん、経営状態や事業計画等が示された書類の内容も審査にあたっては基準となるものですし、それらも「信用度」をはかるうえでは重要な資料となります。
しかし、その他のもっと単純な「信用度」の獲得に対して、あまり意識されていない経営者も少なくありません。
その点を踏まえたうえで、銀行と上手に付き合うにあたってのNG行為をみていきたいと思います。

銀行と上手に付き合うために避けたい3つのこと

① 横柄な態度で融資の相談に臨む

先にも述べたとおり、融資の相談は人対人の話し合いの場です。そして融資の相談に訪れたということは、「お願い」にうかがっているということになります。
そのような場であるにもかかわらず、担当の銀行員に対して横柄な態度で接している経営者や財務担当者が存在するのが事実。実際に銀行に出向くと、融資相談エリアから、急に怒号や罵声が聞こえてくる場面に遭遇したことがある人もいるのではないでしょうか。
資金調達に対しての焦りや不安がいくらあっても、人対人の話し合いの場において横柄な態度で臨むようなことがあれば「信用度」を獲得できるはずもありません。また、どれだけ経営状態や事業計画等が優れていたとしても、横柄な態度ひとつで、それらの評価までをも落としてしまいかねません。
ですので、融資相談に出向いた際には冷静かつ謙虚な姿勢で臨む。それが銀行からの「信用度」を獲得するための第一歩となります。

② 情報開示の期限を守らない

銀行で融資にあたっては定期的な情報開示を求められることになります。たとえば決算報告。
融資を受けている事業者は、決算後に銀行に対して決算報告をおこなわなければなりませんが、この決算報告、つまり決算書の提出期限となるのは基本的に決算から3ヶ月以内です。
この提出期限の厳守ができなければ、当然ながら銀行からの「信用度」が揺らぐことは言うまでもありません。
また、銀行は決算報告について催促することを基本的に行いません。したがって、提出については各自が期限を正しく把握しておき、遅れないよう対応することが求められます。もっとも、一定期間が経過すると銀行は格付作業の関係上、催促をすることになりますが、催促を受けたのちの提出はやはり「信用度」の低下を招きかねないでしょう。
決算報告も含め、銀行から求められる情報開示については期限厳守。これも「信用度」獲得には欠かせないポイントのひとつです。

③ 自社の業況を定期的に伝えていない

3つめは、自社の業況を定期的に伝えないというもの。
融資を受けた銀行から、定期的な業況の報告を求められることはそう多くはありません。
ただ、定期的な業況の報告が場合は、担当の銀行員から連絡がくることがあります。その際、「業況はいかがですか」などとストレートな質問をされることはほとんどありませんが、これは業況を知りたいサインともいえる行い。言い方を変えれば担当の銀行員とのコニュニケーション不足も意味することになります。
ですので、可能であれば毎月のように試算表を開示する場を設けるなどして、銀行員とのコミュニケーションの機会を増やすと「信用度」の維持につながるはずです。
また、定期的な業況の開示を続けていると、たとえば売上が好調な場合は追加融資、あまり芳しくないようであればリスク軽減の提案をリアルタイムで受けられる可能性もあり、経営にとってプラスに働くこともあります。
ぜひ、定期的に業況の開示を行うようにしてみてください。

まとめ

今回は、銀行と上手に付き合うために避けたい3つのことについて解説しました。
銀行と上手に付き合っていくために必要なのは、とにかく銀行側との間に「信用度」を構築し、維持し続けていくことです。
融資する側とされる側が、良好な関係を結べるよう、「横柄な態度を取らない」「情報開示の期限は厳守」「業況を定期的に伝える」をぜひ実践するようにしてください。