比較的利用しやすい補助金制度小規模事業者持続化補助金とは?
資金不足に悩まされている経営者の方にぜひ利用してほしい制度が補助金・助成金です。
これらは融資ではないので、資金の調達後でも返済の必要利息の心配もないうえに、担保や保証人を用意する必要ももちろんないため、安心して利用でき、メリットも非常に大きい資金調達法です。
今回は、そんな補助金・助成金制度の中でも、従業員数が数名程度の比較的小規模で事業を行なっている経営者の方の多くが利用している「小規模事業者持続化補助金」をご紹介します。
補助金とは
公募制であるため、支給先が定員数に達し、予算の限度額に達した時点で募集を打ち切られることもあるため、申請期間を迎える数ヶ月まえから入念に準備し、余裕をもって申請する必要があります。
補助金は企業の経済状況の拡大や地域活性への貢献のために支給される資金とされています。
こちらは公募制となっており、助成金のように申請すれば誰でも受給ができるとはかぎりません。申請にあたっては、事業計画書をはじめとする書類の提出や面接を通した厳正なる審査に通過しなければならないため、助成金の申請に比べると手間と時間がかかります。
小規模事業持続化補助金の目的
「小規模事業者持続化補助金」とは、簡単に説明すると、「業務の効率化と利益の拡大を図ることで事業を持続させるとともに、地域の発展を目指す小規模事業者を支援する」ことを目的に支払われる補助金です。
小規模事業者は、いわゆる大手企業のように圧倒的な従業員数や資金面を武器にして経営を行うことができません。
また、経営資源の不足だけにとどまらず、特に地方の小規模事業者などは経営者や従業員の高齢化、もしくは人口現象などの問題を受けて、持続的な経営が困難になっているのも事実です。
このように、近年増加している経営が困難になっている小規模事業者を支援するためにつくられた補助金制度が「小規模事業者持続化補助金」です。
また、それぞれの地域の商工会議所を利用することによって、商工会議所によるサポートを通して、地域の発展を目指すことも目的とされています。
小規模事業持続化補助金の対象
次に、小規事業者持続化補助金を受けられる対象事業者について説明します。
応募要項に記載された対象事業者は以下の通りです。
- 製造業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む商工業者(法人および個人事業主)で常時使用する従業員の数が20人以下
- 卸売業・小売業・サービス業<宿泊業・娯楽業は除く>に属する事業を主たる事業として営む者については5人以下の事業者
つまり、常時業務にあたっている従業員数が20名以下の事業者。
例外として、卸売業・小売業・宿泊業と娯楽業以外のサービス業であれば5名以下ということになります。
ただし、従業員を兼務する会社役員、個人事業主本人、フルタイムで働く従業員の労働時間の4分の3以下であるパート労働者や短期労働者などは上記の従業員数には含まれません。
また、一般社団法人・NPO法人、任意団体など営利企業に該当しない法人や、医師、歯科医師、風俗業や暴力団も対象から外れます。
小規模事業持続化補助金の支給額
「小規模事業持続化補助金」の補助対象経費の3分の2以内で、支給額の上限は50万円と定められています。
ここで注目してほしいのが「補助対象経費の3分の2まで」という点。
補助金は、支給が決定すれば即現金が受け取れるわけではありません。補助金の支給が決定された日以降に、事業を行う上で必要な経費を支払わなければならず、支払い金額と用途が明確に記載された資料を提出し、ようやく支給されます。
支給される金額は、支払い済みの補助対象経費の3分の2。
たとえば、補助対象と認定される経費75万円の支払いを証明した場合、その3分の2の金額である50万円が支給されるという仕組みです。
支払った経費に応じて支給額が決定されるという性質のため、あらかじめ経費の支払いが必要であることをしっかりと理解しておきましょう。
経済産業省の発表によると、補助対象経費として認められるのは「販路開拓や生産性向上に取り組む費用等」です。
具体的には、ホームページの制作費や販売パンフレットの作成費、折込チラシやWEB広告等といったところです。
地道な販路開拓等のために必要な経費か。
販路開拓等の取り組みとあわせて行う生産性の向上のために必要であるか。
補助金の支給を受けるためには、これらの取り組みを明確にする「経営計画書」基にして、地域の商工会議所や商工会のサポートを受けながら取り組むことになります。
「小規模事業持続化補助金」は、支給額の上限が50万円と、規模は小さい補助金でありますが、他の補助金に比べて申請時の書類が少ないといった手軽さから、申請する事業者が増加しており、年々採択率が下がっているのが現状です。
不採択になっても、追加公募の発表により再度申請が行えるといった措置が取られる年もありますが、補助金は政府によって決定された予算の限度額に達した時点で募集を打ち切られるという性質上、申請したすべての事業者が受給できるとは限りません。
確実に補助金を受給するためにも、まずは経済産業省や商工会議所などのホームページをこまめにチェックし、正式に公募が開始される前から、質の高い「経営計画書」を作成しておくといった準備を進めておくようにしましょう。