現金化

クレジットカード現金化のリスクとその理由を解説

ここ最近、クレジットカード現金化の利用によって生じたトラブルを紹介するブログ記事やニュースが増加しているように思います。

クレジットカード現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を現金に換えるという手法であり、キャッシングを利用できない人たちを中心に高い利用率にあるといわれています。

しかしその仕組み上、利用するとトラブルに発展する可能性があるほか、信用情報を傷つけ、クレジットカードの所持ができなくなってしまうといった危険性が潜んでいるのです。

本記事では、クレジットカード現金化の利用によって、具体的にどのようなリスクを背負う可能性が生じるのかについて解説していきます。

クレジットカード現金化とは

クレジットカード現金化とは

先にも述べた通りクレジットカード現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を現金に替えるという手法です。

利用したことがない人からすれば、「どうやってそのようなことが出来るのか」などと疑問を持たれるのではないでしょうか。

そこでまずは、クレジットカード現金化の仕組みや方法について簡単に説明していきたいと思います。

クレジットカード現金化の方法は大きく分けて2つあります。

ひとつは「買取式」もうひとつは「キャッシュバック式」

「買取式」は、クレジットカードで特定の商品を購入し、その商品を売却することによって現金を取得するという方法です。

一方の「キャッシュバック式」は、同じくクレジットカードで商品を購入した際に、特典としてキャッシュバック名目の現金が振り込まれるという方法です。

どちらも、クレジットカード現金化のサービスを提供する事業者を介して行われますが、「買取式」に関しては業者を通さずとも実行することが可能。

そして、購入金額は通常のクレジットカードの支払い期限日に引き落としされるという流れになります。

以上の説明を聞く限りでは、「どこにリスクがあるのか?」と思う人もいることでしょう。

当然ながら、自身で商品を購入し、それをリサイクルショップなどに売却して現金を得る行為には何の問題もないように思えます。

しかし、クレジットカード現金化を提供する事業者の存在や、そもそも行為事態が禁止されていることもあり、実行すれば思わぬトラブルに見舞われるリスクがはらんでいるのです。

次の項で詳しくみていきましょう。

現金化で生じるリスク

クレジットカード現金化で生じるリスク

提供事業者の実態は多くが悪徳金融業者

少し前に、給料ファクタリングと呼ばれる現金調達サービスの違法性が話題となり、いくつかの事業者が摘発されました。

その多くは、利用者から法外な手数料を要求したり、恐喝まがいの対応をするといった悪質なサービス内容が問題視されたものでしたが、クレジットカード現金化の事業者も、給料ファクタリング事業者を同じように、そのほとんどが悪徳金融事業者であるといわれています。

悪徳金融事業者の特徴は、異常性の高いサービスを提供することはもちろんですが、それ以外にも個人情報を同業他社へとたらい回しにしたり、利用を申し込んだにもかかわらず、正しく現金を振り込まずに雲隠れしてしまうといった行為も平然と行うものです。

もちろん、良心的な還元率で現金取得をサポートする事業者も中には存在するようですが、その数わずかであることは間違いないため、利用を避けるべきだといえます。

クレジットカード会社の判断次第では解約措置も

クレジットカードの現金化は、クレジットカード会社が定める規約違反にあたります。ですので、行為が発覚すれば、利用停止もしくは強制解約の措置が取られ、信用情報に傷をつけることにもなりかねないのです。

とはいえ、クレジットカード現金化を利用したからといって、カードの利用明細に「クレジットカードゲンキンカ」などと記載されるわけではありません。

あくまでも商品購入の記載がされるだけですので、それを確認するだけではクレジットカード会社も現金化をしている証拠を掴むことはできないでしょう。

しかし、最近ではクレジットカード現金化の利用率上昇やトラブルの発生が目立つことから、クレジットカード会社の監視も強化されていると聞きます。あまりにも不自然な買い物回数や高額な商品の大量購入など、普段とは異なる使用方法が確認されたりすれば、現金化を疑われる可能性もあるといえます。

自己破産が認められなくなるケースも

クレジットカード現金化は、破産法における不当な債務負担行為に該当する可能性があります。そのため、仮にクレジットカードの利用を要因とする自己破産の申し立てを行ったとしても、現金化の行為が発覚すれば、免責を受けられないケースに陥ることもありますので注意が必要です。

現金化は違法なのか

そもそもクレジットカード現金化は違法か?

 

最後に、そもそもクレジットカード現金化は違法行為に当たるのかどうかについて解説しましょう。

金融庁やクレジットカード会社などが、積極的に注意喚起を続けていますが、実はクレジットカード現金化に関する法律は存在しません。

そのため、提供事業者も利用者もクレジットカード現金化を提供・利用したからといって法的に罰則を受けることは原則として無いのです。

ただし、事業者が出資法に違反するような還元率で手数料を回収していたことが発覚すれば当然、違法行為となりますし、利用者も行為が発覚すればクレジットカード会社から相応の措置を受けることになります。

現金化の行為そのものを罰する法律が存在しない以上、「グレーゾーン」のサービスだということができますが、実行すれば今回紹介したリスクを背負う恐れがありますので、「クレジットカード現金化は利用はしない」のがベストな判断であることは間違いないでしょう。