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投資初心者にも最適な債券投資とは?メリットとデメリットを詳しく解説

投資初心者にも最適な債券投資とは?メリットとデメリットを詳しく解説

かいせつ「投資」と聞くと、多くの人が「株式投資」や「外国為替証拠金取引(FX)」を思い浮かべるのではないでしょうか。

「株式投資」や「FX」は、パソコンやスマホで気軽に取引が行えるほか、本やネットでも簡単に情報や攻略法を入手できることから、手が出しやすく人気の高い投資手段となっています。

では、「債券投資」はどうでしょうか。

名称こそ知っているものの、「株式投資」や「FX」に比べると少々ハードルが高い投資手段だと思われている人が多いかもしれません。

また、「債券投資」という言葉自体を聞いたことがないという人もいることでしょう。

ですが、実は「債券投資」は数ある投資手段と比べても損失リスクが少ない上にリターンの想定もしやすいため、初心者に適した投資手段だといわれています。

そこで今回は、「債券投資」とはどのような投資手段なのか、また、そのメリットやデメリットなどについても解説していきたいと思います。

債券とは?

債券とは?

そもそも「債券」とはどのようなものなのでしょうか。

債券とは国や地方自治体、民間企業が資金の借入を目的に発行する有価証券のことを指します。

つまり債券は「借用証書」のようなものであるといえ、発行体は債券を投資家に購入してもらうことによってお金を借り入れることが可能になるわけです。

このような債券を購入する手段を「債券投資」とよびます。

債権投資の仕組み

債券投資の仕組み

債券投資の仕組みを理解するには「株式投資」と比較すると分かりやすいかと思います。

債券も株式も、発行体が資金調達を目的に発行するものですが、株式への投資は、あくまで「出資」であり、出資を受けた発行体はその元本を返還する義務を持ち得えません。

投資した銘柄の株価が上昇すれば、その変動に応じて利益を得られますが、下落すれば元本を大きく下回るほどの損失を被る可能性があるものです。

一方の、債券投資は「出資」ではなく「貸付」にあたります。

したがって、発行体はお金を借りた以上、債券を購入してもらった投資家に対してはしっかりと返済する義務が生じるのです。

あらゆる借金と同じように元本が返還されるのはもちろんですが、債券の種類によっては、あらかじめ決められた利率による利子を定期的に受け取れるものもあります。

この仕組みこそが他の投資手段よりも損失リスクが少ないといわれる所以です。

また全額返還される償還日も定められているため、債券投資は計画的な資産運用にも最適な投資手段だといえます。

債券の発行条件

債券の発行条件

次に、債券にはどのような発行条件が設定されているのかをみていきましょう。

1. 額面金額

額面金額とは、債券の券面に記載された金額のことです。

ただし、債券は必ずしも額面金額で発行されているわけではありません。

債券における額面金額は、債券の最低申込単位を指し、発行価格は額面金額の100円当りで表示されます。

2. 償還期日

債券を発行して資金を調達した発行体が、債券の所有者に対して元本を一括返却(償還)する期日を償還期日といいます。

債券によっては利子を受けられるものあり、投資家にとっては償還期日までの期間が資産運用期間となります。

3. 利率(クーポンレート)と利払い日

利子の発生する債券の場合には、額面金額に対する1年分の利子がパーセント表示で示されるほか、利子が支払われる利払い日も示されます。

債券の種類

債券の種類

債券と一言でいっても、その種類は多種多様。では、債券には具体的にどのような種類があるのでしょうか。

ここでは、国内で流通する主要な3つの債券を紹介します。

1.国債

その名の通り、国が発行する債券を国債といいます。

国債は、国の法律で定められた発行根拠に基づいて発行される債券であり、国家が財政破綻しない限り、基本的には償還日まで元本割れすることはないという安心感があります。

また、国債には「利付国債」と「個人向け国債」の2種類があり、それぞれ異なる特徴があります。

利付国債の種類と主な特徴は以下の通りです。

超長期金利

償還期限は20年・30年・40年、金利は固定金利、購入単位は5万円単位

 長期国債

償還期限は10年、金利は固定金利、購入単位は5万円単位

 中期国債

償還期限は2年・5年、金利は固定金利、購入単位は5万円単位

変動利付国債

償還期限は15年、金利は変動金利、購入単位は10万円単位

利付国債は償還期限前であっても、原則としていつでも換金が可能です。

ただし、換金時の時価によっては受取金額が元本を下回る可能性があります。

続いて個人向け国債をみていきましょう。

変動10年型

償還期限は10年、金利は変動金利、購入単位は1万円単位

 固定5年型

償還期限は5年、金利は固定金利、購入単位は1万円単位

固定3年型

償還期限は3年、金利は固定金利、購入単位は1万円単位

個人向け国債は、1万円単位での購入が可能なため、利付国債に比べると少ない予算でも投資が可能になります。

また、金利の下限が0.05%に設定されているほか、発行から1年が経過すれば元本が保証されたまま中途換金できるため、利付国債のように元本割れの心配もありません。

2.地方債

2つめは地方債です。

国債が国の財源を確保するための債務であるのと同じように、地方債は都道府県や市町村などの各地方公共団体が外部から資金を調達することによって負担する債務となります。

地方公共団体が地方債を発行するには、総理大臣もしくは都道府県知事と協議する必要があり、予算に応じた限度額や利率、償還方法などが設定されます。

 社債

国や地方公共団体だけでなく、一般の企業も資金を借り入れる目的で債券を発行することができます。これが社債です。

社債の大きな特徴は、国債や地方債に比べて高い利率が設定されるという点。

社債に限らず、債券には信用度が高ければ利率は低くなり、信用度が低ければ利率が高くなるという性質があるのですが、社債の発行体である民間企業は業績に大きな波が生じやすく、場合によっては倒産によって元本や利息の支払いが行われなくなる可能性もあることから、国や地方公共団体に比べると信用度に欠けるものです。

したがって、社債を保有すれば大きなリターンを期待できるものの、その反面、国債や地方債よりも大きな損失リスクが潜んでいるといえます。

利払い方式による分類

利払い方式による分類

債券は、上記のような発行体による分類のほか、利息の有無によっても2つのタイプに分けられます。

1.利付債

ひとつは「利付債」です。

利付債は「半年ごとに年2回」のように、定期的に利息が支払われる債券のことであり、国内で流通する債券の多くがこれに当ります。

2.割引債

もうひとつは「割引債」です。

割引債は、保有していても利息の支払いを受けることはできませんが、額面金額から利子相当分を差し引いた「割引価格」で購入することができる債券です。

また満期時の償還では購入金額ではなく、実際の額面金額が支払われるという特徴があります。

債券投資のメリットとデメリット

債券投資のメリットとデメリット

では、ここからは債券投資におけるメリットとデメリットを確認していきましょう。

1.メリット

他の投資よりも気軽に運用できる

基本的に、債券投資では購入した債券を保有しているだけで元本の返還と利息の受け取りを約束されます。

株式投資やFXのように、購入または購入予定の銘柄や通貨の値動きを逐一チェックする必要がないほか、市場の動向を予測するための専門知識も不要なため、気軽に資産運用できる投資手段だといえます。

また債権投資では、償還期日のほか、固定金利であれば利率があらかじめ定められているため、利益計算が容易すく資産運用の結果を予測しやすいというメリットもあります。

銀行預金よりも高い利率

今の時代、定期預金の金利がわずか0.01%ほどに設定されている銀行もあるなど、とてもではありませんが預金を活用した資産の増加など期待できるものではありません。

対して、債券投資の利率は1万円単位で購入できる個人向け国債であっても0.05%。

これだけみても、銀行預金よりも債券投資の方がお得なのは明らかです。

銀行預金よりも高い利息を受け取れる上に、元本保証もされるわけですから、銀行へ資産を預けるのであれば債券に投資する方が賢い選択だということができます。

中途売却による利益の獲得も可

債券は、満期まで保有して利益と元本を受け取る運用方法のほか、途中で売却することもできます。

債券も株式などと同じように流通市場で価値が変動するため、保有債券の価値が購入時よりも上がっていれば、その分の売却益を得ることが可能です。

反対に、価値の変動によっては元本割れが起きて大きな損失を受けることもあるので注意が必要です。

2.デメリット

支払不能の恐れ

債券投資では、原則として元本が保証されるとはいえ、発行体の財務状況によっては、利息の遅延や満期に達しても償還金が滞るような「支払不能」が発生する可能性があります。

このような可能性を信用リスクと呼びます。

現時点では、日本の国家財政が破綻することはまず考えられないため、国債の信用リスクはさほど気にする必要はないといえますが、倒産や経営破綻が現実的に起こりうる一般企業の社債に関しては注意が必要です。

価格変動や為替変動による損失の恐れ

債券の価格は常に一定に保たれるわけではなく、市況や金利水準などにより変動を繰り返します。このようなリスクを価格変動リスクと呼びます。

債券は満期を迎える途中でも売却できるため、売却時の実勢価格が購入時よりも上昇していれば利益を得られますが、逆の状況となれば損失を受けることになります。

また、購入や利払い、償還金の支払いがすべて外貨で行われる外国債(外貨建て債券)売買では、為替の変動によって損益が発生するリスク(為替変動リスク)があることも覚えておきましょう。

流動性が影響した売却価格の低下

債券を中途売却しようと考えても、市場規模や取引量が少ない場合や買い手が見つからない場合など、市場の流動性によって債券の売却が出来なかったり希望する価格では売却できなくなる可能性もあります。

まとめ

まとめ

「債券」とは、発行体が資金調達を目的に発行する有価証券であり、「債券投資」とはその債券を購入して保有する投資手段のことです。

償還期限が定められており、期日を迎えれば元本が手元に戻る上、定期的に利息も受け取れることからリスクの低い投資手段だといえ、投資初心者でも気軽に運用できます。

個人向け国債など、1万円単位から購入できる債券もあるので、まずは少額の資金で始めてみてはいかがでしょうか。