インターネットは現代のビジネスを支える不可欠な存在です。
メールでのやり取りやデータの共有、さらにはビデオチャットアプリを利用したWeb会議やクラウドソーシングによる業務発注など、インターネットはこれまでに多くの業務の円滑化と効率化を実現させ続けてきました。
業種や業界によって、活用するシステムやサービスは様々でしょうが、その中でも、法人や個人事業主を問わず、多数の事業者が共通して利用するサービスといえば、やはりインターネットバンキングではないでしょうか。
取引先への送金や入金確認、各種税金の支払いや資産運用といった様々な金融サービスをインターネット上で完結できるインターネットバンキングは、事業者の経理業務の効率を大幅に向上させるものです。
すっかりビジネスにも浸透しきったと思われるインターネットバンキングですが、中には経理担当者が毎日のように銀行へ向かい、残高照会をしたり送金したりといった業務を行なっている企業もいまだに多くあるようです。
そこで今回は事業者、特に法人がインターネットバンキングを利用する上で得られるメリットのほか、必ず覚えておきたい注意点についても触れながら解説していきたいと思います。
目次
インターネットバンキングとは?
メリットや注意点に触れる前に、まずはインターネットバンキングがどのようなサービスなのか確認していきましょう。
冒頭でも軽く紹介した通り、インターネットバンキングはインターネットの環境下であれば、時間や場所を選ばずに、入金や振替のほか、口座名義人の情報設定やカード・通帳の利用停止まで、金融機関の各種取引を実行できるサービスです。
また、インターネットバンキングを利用するには、楽天銀行やPayPay銀行のような「実店舗存在せずネット上のみで運営される金融機関」の口座開設が必須だと考えている人もいるようですが、大手メガバンクはもちろん、地方銀行やゆうちょ銀行、信用金庫などでも提供されているサービスですので、利用にあたってネット銀行の口座を新たなに開設する必要はありません。
利用のためには、利用申請をした上でIDを発行してもらいパスワードを設定する必要がありますが、手続きは決して複雑なものではなく、IDも早ければ1週間ほどで発行してもらえるため、利用までの流れはスムーズです。
インターネットバンキングを利用するメリット
では、インターネットバンキングを利用すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
金融機関に足を運ぶ必要がない
最大のメリットは、入金や振替などの経理業務を行うにあたって、わざわざ金融機関へ足を運ぶ必要がなくなるという点です。
インターネットバンキングを未利用の経理担当者であれば、何度も経験したことがあるかと思いますが、ATMや窓口が混雑していると手続きまでに時間を要してしまい、時間も労力も無駄に感じてしまうものです。
また、期日が迫っていることから、焦りを感じた経験を持ちの人もいることでしょう。
一方、インターネットバンキングであれば、例えば入金作業だとパソコンやスマートフォンから数回のクリックと数字の入力だけで完了できるため、多くの時間や手間の節約につながります。
利用手数料の削減になる
インターネットバンキングによる手続きや取引の手数料は、窓口で同様の行為を行うよりも安価、もしくは回数限定で無料に設定されていることが多いという特長があります。
そのため、経費として積み重なると想像以上に嵩みがちな手数料の削減にもつながることに期待できます。
24時間・どこからでも利用可能
パソコンかスマートフォンさえあれば、24時間、国内や海外を問わずどこからでも金融サービスを利用できるという点もインターネットバンキングの大きなメリットです。
出張中などや入金や支払い期日が迫っている場合などでも場所や時間を選びませんので、多忙な毎日の中でも瞬時に対応が可能になります。
会計ソフトとの連携も可能
インターネットバンキングを利用すると、会計ソフトとの連携も可能となるため、自動的に口座の明細を取り込んだり、仕分処理を行うように設定することができるようになります。
これにより、手動入力よりもはるかに効率的になるだけでなく入力ミスなどの心配も解消されることになり、経理業務にかかる時間や労力を大幅に削減することが可能になります。
インターネットバンキングを利用する注意点
法人がインターネットバンキングを利用することにより、主に経理業務の効率化が期待できますが、一方でいくつかの注意点があることも念頭に置いて置く必要があります。
利用はインターネット環境下のみに限られる
当然ながら、インターネットバンキングはインターネットが接続できる環境でなければ利用することはできません。
したがって、災害時や停電時など何らかの事情によって接続障害が発生すると、すべてのサービスが利用不可となるため、その場合は窓口へ足を運ばなければならなくなります。
また、インターネットを利用できる環境下にあっても、金融機関側のシステムメンテナンス時やサーバーダウン時などにも利用はできなくなるので注意が必要です。
ハッキングなどによるデータ流出の危険性
インターネット上での手続きや取引を行う以上、ハッキングなどによるデータ流出や悪用の危険性をはらんでいますので、常に万全のセキュリティ対策を行なって管理しなければなりません。
また、ログインする際に求められるIDやパスワードの厳重管理も不可欠です。部外者へ流出することにないよう徹底して保護するのはもちろん、自社の従業員であっても経理担当の責任者のみに管理を許可するといった対策も必要になるでしょう。
まとめ
今回は、インターネットバンキングの利用によって得られるメリットと注意点について解説しました。
セキュリティ面の不安や、利用はインターネット環境下に限られるといった注意点こそあるものの、インターネットバンキングは経理業務の効率性を確実に向上させるため、時間も労力も大幅に節約できるようになります。
難しい知識や複雑な操作は不要ですので、まだ導入していないようであれば、これを機に検討されてみてはいかがでしょうか。