シリアルアントレプレナーとは？連続起業に欠かせない7つの要素を解説

最近、ビジネスの世界で注目される言葉のひとつに「シリアルアントレプレナー」というものがあります。
シリアル（Serial）は「連続的な」、アントレプレナー（Entrepreneur）は「ゼロから事業を起こす人」という意味。つまり、シリアルアントレプレナー（Serial Entrepreneur）とは「連続的に複数の事業や会社を立ち上げる起業家」のことを指します。
ひとつの事業や会社を立ち上げるだけでなく、その成功や失敗を糧として新たなビジネスに次々とチャレンジしていくシリアルアントレプレナーは、普遍的な価値観にとらわれることなく、社会に新たな価値を提供し革新をもたらす存在だといえます。
シリアルアントレプレナーとして連続的に複数の事業や会社を立ち上げるためにはどのような要素が必要であると考えられるのでしょうか。

リスクを恐れずに適切な対応を講じる能力

起業には必ずリスクが伴うものです。言い換えれば、リスクを恐れているようでは起業することはできません。
シリアルアントレプレナーには、そうした起業に伴うリスクを恐れることなく積極的に新たなビジネスに飛び込む姿勢が求められます。だからといって、無防備に繰り返し飛びこんでいるわけではありません。
リスクによって生じると予想される失敗を、最小限に抑えるための事前対策を十分に講じたうえでいくつものチャレンジを繰り返していくのです。
たとえば市場や競合に対する分析。シリアルアントレプレナーには、市場の動向や競争状況をリアルタイムに分析し、データに基づいてリスクを評価する能力が求められます。感覚的な判断に頼るのではなく、事実に基づいた戦略こそ失敗を最小限に抑える対策のひとつになります。
また、ひとつのプロジェクトに全てを投じるのではなく、複数のアイデアにリソースを分散させる「分散投資」のほか、ハイリスクハイリターンばかりを追い求めるのではなく、失敗の可能性を軽減させるためのバランス調整力も重要です。

失敗を成功へとつなげる学習能力と回復力

単一の起業でも成功するとは限らないなかで、連続した立ち上げとなれば失敗の可能性や回数も必然的に上昇します。
そのため、シリアルアントレプレナーはいくつもの失敗を覚悟したうえで、失敗から学ぶ学習能力と次のビジネスへつなげる回復力を併せもつ必要があります。
具体的には、失敗を単なる後退と捉えるのではなく、その原因を客観的に分析し、それを次のビジネスで活かすことが大切。失敗を成長の機会と見ることができるかどうかが、シリアルアントレプレナーとしての資質のひとつであることは確かです。
さらに、チャレンジと失敗を繰り返すなかでも前向きな姿勢を保つことのできる強い意志も欠かせません。感情的に一喜一憂するのではなく、長期的な目標を見据えた行動力も求められるでしょう。

創造的なアイデアと革新性を生み出す能力

どのようなビジネスを展開するのであれ、市場には常に新しいニーズが生まれていることから、顧客が求める価値を見出したうえで、それに応える製品やサービスを提供していく必要があります。
それを実現させる要素が、創造的なアイデアと革新性を生み出す能力です。
既存のビジネスに飽き足らず、次々と新しいアイデアを形にする。さらに革新性を持って、新たなマーケットを切り開く能力がシリアルアントレプレナーとしての成功につながります。
また、変化する市場やテクノロジーの進化に迅速に察知し、いつでもビジネスモデルを調整できる柔軟性と適応力も重要だといえるでしょう。

人脈の構築と活用を難なく行えるネットワーキング能力

人脈の構築と活用は、ビジネスの成否を左右する要素のひとつです。それゆえ、ネットワーキング能力に長けた人は、連続して複数の事業や会社を立ち上げるシリアルアントレプレナーに向いているといえるのではないでしょうか。
信頼できるパートナーや取引先、投資家、そして顧客など、築き上げた人脈を長期的に活用することは、複数のビジネスを成功させるうえで大きな助けとなります。
そうしたネットワーキング能力を発揮するためにも、業界に関するイベントやカンファレンスといった場へと積極的に足を運び、多くの関係者とつながるべきだといえるでしょう。

資金調達と財務管理に関する知識とスキル

新たなビジネスを次々に立ち上げるということは、その度に必要な資金を確保しなければなりません。また、立ち上げたビジネスが軌道に乗るまでの財務管理も必須です。
そこで求められるのが資金調達と財務管理に関する知識とスキル。
たとえば、必要な資金を得るために、投資家に対して新しいアイデアや革新性を魅力的に伝えられる交渉力も、資金調達にあたって必要となるスキルのひとつとなります。さらには収益を正しく把握し、それを的確にプロジェクトへと投じられる判断力も重要になるでしょう。

高いリーダーシップと優秀なチームを構築する能力

最後に解説するのは、高いリーダーシップと優秀なチームを構築する能力です。
立ち上げ自体はシリアルアントプレナーとしてひとりで実行することはあっても、将来的な成功のためには信頼できる優秀なチームを構築しなければならないでしょう。
そのために発揮するべき能力が高いリーダーシップ。どれだけ優秀なチームが構築できても、効果的にリードできるリーダーが存在しなければ十分に機能できないもの。
チームのパフォーマンスを最大化するためにも、リーダーとして事業や会社としてのビジョンをしっかりと伝えたうえで、各メンバーの強みを理解し適切な役割を与えましょう。優秀なチームがビジネスの成功という大きな目標に向かって進める環境に仕上げるには、リーダーとして高いリーダーシップを発揮できるかどうかにかかっています。

まとめ

以上が、シリアルアントレプレナーとして連続的に複数の事業や会社を立ち上げるために必要だと考えられる7つの要素です。
どれも特別な才能などではなく、経営者としては当たり前に備わっているべき要素であると気づかれた人も多いことでしょう。
これらの要素を備えていると自信を持たれる経営者のみなさま。新たなビジネスに次々とチャレンジするシリアルアントプレナーを目指してみませんか。