年々、女性による起業は増加傾向にあり、2017年に中小企業庁が発表した「中小企業白書」によれば、2012年時点での起業家数における女性の割合は28.8%。
「女性起業家が大活躍している社会」とは、まだまだ言い切れない現状ではありますが、それでも女性の生き方や社会の変化によって、起業を選択する女性が増えているのは確かのようです。
起業ときくと、何か特別なビジネススキルや経験、人脈や資金力を持っている人だけの世界で行われているようなイメージを持つ女性も多くみられますが、最近では、女性企業家を対象としたセミナーや資金のサポート制度も充実しており、決してハードルが高いものではありません。
また男性起業家が持っていないような知識や経験を活かせる業界も多々あり、女性が大いに成功できるチャンスもひそんでいます。
今回は、起業家を目指す女性が持つべき心構えや、女性が起業する上でのメリットについてご紹介します。
目次
女性が起業する上での心がけ
女性が起業を決意するきっかけには様々なものがあると思います。「毎朝の満員電車に耐えられない」「職場の人間関係に耐えられない」「空き時間を多くつくり充実したプライベートを過ごしたい」「育児や家事と両立させるために自宅で仕事がしたい」など。
動機を明確にする
どれも起業するにあたっての立派な動機にはなりますが、会社の経営はそのようなぼんやりとした動機だけで成功できるほど甘くはありません。
「自分がこれまでの人生で得た知識や経験は活かしたい」「これからニーズの高まる商品やサービスのアイデアが思い浮かんだので、事業を始めてみたい」といったように、具体性のある動機がなければ、起業直後に方向性を見失ってしまい路頭に迷うことになりかねません。
まずは「どうして起業したいのか」。そして「具体的にどうしたいのか」。
動機を明確にすることによって、自ずと起業の方向性が定まるはずです。
ビジネスプランと事業計画書の立案
動機が明確になれば、あとは行動するのみとなりますが、いきなり資金集めに走ったり、人脈を構築しようと焦る必要はありません。
まずはじっくりと、起業から実際に経営が始まった先までを見越したビジネスプランを立てましょう。
自身が展開しようとする事業はどれくらいの市場価値があるのか、これからどれほどの成長可能性があるのかといった需要と供給の動向の分析などの市場調査も欠かせません。
また、企業にあたって必要な資金はどれくらいなのか。貯金や株といった自己資金は、いくらまで開業資金にあてられるのか。足りない資金はどこで調達するのかといった必要資金額を認識することも重要になります。
経営を安定させるためには、1年後、5年後、10年後にどのくらいの利益を得ているのが理想なのかといった未来予想図も忘れずに立てておきましょう。
起業後に資金繰りの悪化や従業員とのトラブルならないよう、経営や財務会計についての知識に自信がなければ、前もって勉強しておくことも必要です。
男性起業家と対等に渡り合える強い意志を持つ
一度起業してしまえば、男性も女性も関係なく同じフィールドで競い合うことになります。
女性起業家だからといって仕事が得やすいわけではありませんし、反対に仕事を獲得しにくいわけでもありません。また大きな失態や言い訳をしても、許されたり優遇されることもないでしょう。
経営の世界に「女性だから」は通用しないことを覚悟しなければなりません。
男性起業家と対等に渡り合えるほどの強い意志を持ちましょう。
女性が起業するメリット
女性ならではのアイデアと経験を活かせる
女性の起業家は、男性の起業家が持っていないアイデアや経験を活かした事業の展開を目指すことができます。
たとえば、化粧品や美容関係などは、男性よりも女性の方が圧倒的に知識もあり、市場の動向にも注視しやすい分野です。
また家事や子育てを経験している女性であれば、母親や専業主婦の視点によるビジネス展開を図ることもできるでしょう。
女性起業家を対象とした資金調達制度の利用
女性だけでなく男性にとっても、起業に向けて最初の壁となるのが資金調達です。
かつては、女性は男性に比べて資金の調達に悩む傾向がありましたが、最近では日本金融公庫の補助金や助成金をはじめ、女性起業家を支援するための資金サポート制度も拡充されて始めています。
十分な自己資金を用意することができなくても、このような制度を上手に使うことで資金調達の悩みも解消され、起業への道も拓けることでしょう。
社会的理解の向上や資金調達サービスの充実などもあり、女性の起業はひと昔前に比べて確実にハードルが下がっています。
起業を目指す女性は、まずは女性ならではのアイデアや経験を活かしたビジネスプランを立ててみることから始めてみましょう。