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問題点と改善案を素直に受け入れられますか?経営コンサルタントを利用するにあたっての心構え
経営に行き詰まりを感じた時、または会社の収益をアップさせたいと思った時など、会社がピンチに陥った際に頼りになるのが「経営コンサルタント」です。
「コンサルタント」は、それぞれの業種や業界に対しての深い知識と、積み重ねてきた経験を基にした的確な助言を行えるため、問題を抱える企業や団体にとっては大変心強い存在になります。
しかし、「経営コンサルタント」を雇えば必ず経営が改善されるわけではないことは覚えておかなければなりません。
今回は、「経営コンサルタント」を雇う際の心構えと、上手な活用方法について説明します。
まず確認しておきたいのが「コンサルティング」の役割です。「コンサルティング」とは、「企業や団体などの組織が抱える問題の解決策を示し、経営の発展を助ける業務」のこと。
簡単にいってしまえば「問題に対する相談に乗り、解決へと導く」個人や企業を指します。
つまり、「経営コンサルタント」が行う業務は「企業が抱える様々な問題を浮き彫りにして、経営を改善する」こと。
簡単にいえば「収益が少ない企業や、収益をさらに伸ばしたい企業を、いかにして儲けさせる」かが最大のミッションとなります。
経営者が勘違いしがちなコンサルタントの役割
以上が、「経営コンサルタント」の役割ですが、注目してほしいのが「問題に対する相談に乗り、解決へと導く」という点です。
確かに優秀な「経営コンサルタント」は、多くの企業の経営実態に触れてきた経験と解決に導いてきたノウハウを併せ持つ経営改善のスペシャリストと呼ぶにふさわしい働きぶりをみせるでしょうが、あくまでアドバイスを送る立場であって、実際にコンサルタントが営業や販売といったそれぞれの企業の業務を行うわけではありません。
「経営コンサルタント」が、企業の抱える問題をあらゆる角度から分析して導き出した改善案を基にして、実際に経営の立て直しを担うのは他ならぬ経営者であるということを忘れないでください。
経営者にコンサルタントの改善案を受け入れる度量があるか
苦労して立ち上げ、自らの経営哲学を貫き、日々の成長を願う…経営者にとって、自分の会社というのは我が子のように愛おしくかけがえのない存在です。
そんな我が子のような自社の成長が芳しくなく、業績が悪化する事態に陥った時に、社外の人間に対して問題点をさらけ出し、送られた助言に耳を傾けられる度量はあるでしょうか。
「経営コンサルタント」の業務の大半は、企業が抱える問題点を浮き彫りにするために経営者や役員らからのヒアリングに費やされます。
ここで弱みはみせまいと見栄をはって、実際の経営実態をうやむやにしてしまったり、偽りの収支を提示するようなことがあれば、どんなに優秀なコンサルタントであっても、的確な改善案を提示することができなくなってしまいます。
また、いざコンサルタントからの改善案が提示されたとしても、自らのプライドが邪魔して素直に受け入れられずに、結局契約を解除してしまう経営者がいることも事実です。
「経営コンサルタント」の目的は、企業の問題点を指摘して改善することです。
ですので、時には予想もしていなかった厳しい意見を受けることもあるでしょう。
しかし、それらはすべて我が子である自社を「よりよい企業」へと導くための意見とサポートです。
経営者はコンサルタントとともに問題点と改善案を共有して、素直に受け入れられるくらいの柔軟性がなければなりません。
自社が抱える具体的な問題点と希望を提示できるか
「自社は現状、このような経営状態なので、いつまでにどれくらいまで業績を回復させたい」
経営コンサルタントを上手に利用するためのポイントは、問題点、希望する方向性と期間を明確に提示することです。
問題を抱えている企業の経営者はなるべく早く改善させたいし、経営コンサルタントもスムーズに改善案を提出して、解決へと導き成果を上げたいと思っています。
ですので、経営者はコンサルタントからのヒアリングを受ける以前から、自社と強みと弱み。
さらに、希望する方向性をはっきりとさせておく必要があります。事前に具体的な準備がされていれば、コンサルタントもスムーズにヒアリングが行えるため、迅速な問題点の発見へとつながり、改善案のイメージもつきやすくなりますので、日頃から、経営者自身の考えをしっかりとまとめておくようにしましょう。
コンサルタントとの信頼関係を築く
このように、経営コンサルタントと契約を結ぶにあたって大切なポイントは、経営者がどれだけコンサルタントを信用し、素直に問題点と改善案を受け入れられるかに尽きます。
とはいっても、やはりコンサルタントは社外の人間。
そう易々と信用するのはなかなか難しいというのが本音でしょう。ですので、まずはコンサルタントの人間性を確認し、信頼関係を築くこと。
なにも初対面でいきなり契約を結ぶ必要はありません。
何度も面談を交しながら、優れたコンサルタントであるか。
また、本当に信用できる人間であるかを見極めた上で契約を結ぶことが、効果的な成果を生み出すポイントとなります。