起業

応援される起業家とは

応援される起業家とは【起業】

周りから「応援」されていますか?起業家に必要不可欠な「応援される能力」とは

経営が成功している起業の経営者たちのほとんどは、経営や業務に関する実践的な能力に加えて「応援される能力」に長けている

突然ですが、あなたが考える起業家に必要な能力とはなんですか?

「行動力」「リーダーシップ」「アイデア」「資金力」などなど…思いつく能力は人それぞれであり、志の高い人であればそれらがいくつも思い浮かぶことでしょう。

しかし、起業家を目指す人の多くが忘れている、もしくは思いつかない能力があります。

それが、周囲から「応援される能力」 です。

「応援される能力」なんて感情論や他力本願のようなもので、会社経営が上手くいくなら無理もないと馬鹿にする人もたくさんいるでしょうが、はっきり言ってどんなに行動力があっても、どんなに技術力が高くても、この「応援される能力」が欠けていては、経営が成功することはないと言っても過言ではありません。

事実、経営が成功している起業の経営者たちのほとんどは、経営や業務に関する実践的な能力に加えて「応援される能力」に長けているのです。

起業家は孤独です。仲間と協力して起業するケースもありますが、多くの起業家は起業までの道のりから、従業員を雇って経営が軌道に乗り始めるまでの間を一人で闘い続けなければならないでしょう。

だからこそ、周囲からのサポート、そして応援を受けられる能力が大切になります。

では、ここでいう「応援」とは一体何なのでしょうか?

応援と聞くと、どうしても好きなスポーツチームや選手に対して「頑張れー!」などと声援を送ることをイメージしてしまいます。

もちろん、時には自らを奮い立たせてくれるような声援も必要ですし、ありがたいものです。

ただ、これだけでは多くの人が思うように単なる感情論に過ぎないといわれても仕方ありません。

起業家に必要な「応援」とは「起業家としてだけではなく、人間としても周囲からの信頼を得たうえで受ける精神的かつ物理的な支援」のことです。

ここで、ある一人の起業家さんのエピソードをご紹介しましょう

IT起業でWebデザイナーとして働いていたAさんは、35歳になったのを契機、に退職して起業することを思い立ちます。

これまで技術職一筋でやってきたAさんに、経営に関する知識などはほとんどなく、当然イチからすべてを勉強し始めました。

書籍を購入してセミナーに参加し、たった一人で事業計画書を練りに練る毎日。

周囲の反対を振り切って退職したAさんは、やがてその努力の甲斐もあってか、無事に開業融資の審査にも通過し、なんとか開業にまでこぎつけます。

会社員時代に培った技術と経験、それに人脈までをフルに駆使して、起業当初から複数の受注があり順風満帆な経営をスタートさせました。

Aさんが持つ高い技術力と作業スピードは周囲から評価され、面白いように利益が上がり続けます。

わずか3ヶ月ほどで会社員時代の収入を軽く超えてしまったAさん。

ところが、たった一人でここまでやり抜いた自信はやがて過剰なものとなり、ただただ高い利益だけを追求するような経営スタイルへと転換し始めます。

予算の少ない案件に関しては聞く耳さえ持たず、かつての同僚や先輩たちとは距離を置く。

起業当初に案件を紹介してくれた同業者からの相談にも耳を貸さなくなってしまいます。

これまで築いてきた周りとの関係性をシャットダウンし、高い予算を提示するような企業のみを相手取った案件のみをこなす日々をおくります。

傲慢で自分勝手なスタイルを貫き続けるAさんの悪評は、たちまち業界全体にまで広がり、案件は徐々に減少。

これまでつき合ってきた企業にも契約を打ち切られはじめ、波に乗っていた経営が途端に傾きだします。

自らの技術力と高いクオリティに確固たる自信もっていたAさんは、どうして案件が減少していくのかを全く理解できずにいました。

ただただ孤立していくAさん。

その後、倒産への道をまっしぐらに突き進んでいったことは言うまでもありません。

Aさんに欠けていたものとは

これまでの人間関係を遮断して、起業家としても人間としても傲り高ぶってしまったAさんはただただ孤立してしまい、仕事を失ったあげくに倒産にまで追い込まれてしまいました。

確かにAさんは高い技術力をもつ優秀なWebデザイナーです。

本人のこれまでの努力は立派なもので、賞賛されるべきであることは間違いありません。

しかし、過剰になった自信だけを抱えて邁進した結果、周囲からの信頼を完全に失いました。

そう、Aさんは誰からも「応援」されなくなってしまっていたのです。

Aさんの事例からも分かる通り、人間関係が破綻してしまえば「応援」されることはなくなり、周囲からの「応援」がなければ仕事も失ってしまいます。

では、どうすれば「応援」される起業家になれるのでしょうか

たとえ、人間関係が良好であっても「応援」されるとは限りません。

大切なのは、「相手を主体に考えて、思いやる気持ち」です。

それはなにも、相手に対して媚び諂うわけではありません。

利己主義ではなく、「相手を思いやり、相手に価値を与えられる。相手を優先的に考えられる起業家」であればあるほど、「応援」される可能性は高まります。

たくさんの人から「応援」される起業家は、信頼も高く仕事が途切れることもありません。

それこそが、起業家として成功する鍵となるはずです。