経営者・社長

「ズル休み」だと断定する前に!
頻繁に休みがちな従業員への対処法とは

「ズル休み」だと断定する前に!頻繁に休みがちな従業員への対処法とは

体調不良や法事などの理由によって従業員が欠勤することは、決して珍しいことではありません。

しかし、もしも毎週のように何らかの理由をつけて欠勤を申し出られるようなことがあると、信ぴょう性を欠いて「ズル休み」を疑ってしまうものです。

経営者や管理者からすれば「本当に体調不良なのか?」などと、理由の真偽を問いただしたくなるものですが、過度に疑って追求することは当該従業員の精神的な負担となり、大きな問題へと発展する恐れも考えられます。

とは言っても、頻繁に欠勤されるようであれば業務の滞りが生じかねませんし、他の従業員の士気の低下を招く可能性も否めず、結果的には業績悪化につながる場合もあるものです。

では、頻繁に休みがちな従業員に対して、会社としてはどのように対処するのが適切であると考えられるのでしょうか。

頻繁に休むのには必ず理由がある

頻繁に休むのには必ず理由がある「高熱が出た」「頭痛・腹痛がする」「身内に不幸があった」など、従業員が欠勤を申し出る際には必ず理由がつけられます。

当然、こういった体調不良や事情は誰にでも生じることですから、年に数回程度の欠勤であれば、多くの会社が許容範囲として認めるものと思われます。

ただ、こうした理由による欠勤が月に2度3度、さらに週1回ペースになるようであれば、虚偽の理由づけによる欠勤、いわゆる「ズル休み」とみなしてしまうのも無理のないことでしょう。

確かに、「仕事をするのが面倒臭い」「友人と遊びたい」などの邪な理由による欠勤が存在することは事実であると同時に、そのような「ズル休み」は社会人としてあるまじき言語道断な行為であることは言うまでもありません。

しかし、中には説明することを躊躇させ、体調不良などの理由づけによってカモフラージュせざるをえない欠勤理由があることも見逃すわけにはいかないものです。

たとえば、職場の人間関係がうまくいっていなかったり、業務上で大きなミスを起こしたことから自信を喪失していたり、プライベートでの悩みやトラブルによって仕事に対する意欲を著しく低下させてしまっているなどの理由もあるでしょう。

そうしたメンタルへのダメージは、うつ病をはじめとする精神疾患へ発展させる可能性を秘めていることもあり、軽視することはできません。

ですので、たとえ頻繁に欠勤を繰り返すような従業員に対しても無闇に追求するのではなく、デリケートな対応が求められます。

頻繁に休む理由をうかがう場を設ける

頻繁に休む理由をうかがう場を設ける冒頭でも触れたように、従業員の度重なる欠勤は業務に支障を与える恐れがあるほか、担当する取引先に不信感を抱かせたり、場合によっては業績悪化も引き起こしかねないものです。

そのため、経営者や管理者からすれば「解雇もやむを得ないのでは・・・」という考えに至ってしまうのも無理はありません。

ですが、ここは一度冷静になって、当該従業員がなぜ頻繁に欠勤を繰り返すのか、その理由をうかがってみるべきだといえます。

その際は、他の従業員に聞かれたくない事情が理由になっている場合も考慮に入れ、社外の場を用意するのが得策でしょう。

理由に応じて適切な対応を

理由に応じて適切な対応を理由をうかがう場を用意できたとしても、過度に「ズル休み」を疑って厳しく追求するような対応は避けたいものです。

まずは近況をうかがうなどして当該従業員にリラックスを促し、その流れから「頻繁に欠勤を繰り返す」理由をうかがうのが理想的です。

ここで「ズル休み」をする従業員が素直に「ズル休みです」と告白することはありえないでしょう。

おそらく「体調不良が続いている」など何らかの理由が述べられるでしょうが、大切なのはその理由に対してどのような対応を取るかです。

たとえば、「体調不良が続いている」のであれば、医療機関での診察や検査をすすめ、その上で「会社としても病状を把握したいので診断書を提出してほしい」など、明確な証明の提示を求めるべきだといえます。

もしも体調不良の繰り返しにもかかわらず通院や診断書の提出を拒むようであれば、残念ながら「ズル休み」の可能性が高いと断定せざるをえません。

さらに、その後も改善されないようであれば、定款に基づき休職勧告や戒告・減給といった懲戒処分も検討する必要があります。

また、他の従業員との関係性の悪化や業務上のミスなどによってメンタルに影響を与え、それにより出社しづらいといった事情があるならば、該当する他の従業員から事情をうかがったり、様子をみながら配置転換を図るといった社内環境への整備も視野に入れるべきでしょう。

まとめ

まとめいずれにせよ、頻繁に欠勤を繰り返す従業員に対しては短絡的に「ズル休み」だと断定して即刻に処分をくだすのではなく、しっかりと当該従業員から理由をうかがうことが求められます。

そのうえで、定款に基づいて休職を進めたり懲戒処分をくだす、もしくは社内環境の改善に努めるといった、それぞれの理由に対して適切な対応をとることが大切だといえるでしょう。