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法人税を滞納すれば即差し押さえ? 差し押さえまでの流れと延滞税の発生【税金】

法人税を滞納すれば即差し押さえ? 差し押さえまでの流れと延滞税の発生

「納税」が日本人の三大義務のひとつであることは言うまでもありません。

納税を課されるのは個人だけでなく、法人も対象となることは経営者の方であれば当然理解されているはずですが、もしも滞納してしまった場合はどのような罰則を受けるのかを考えたことがありますか?

今回は、法人が税金を滞納した場合に受ける罰則とのその流れについて解説します。

税金を滞納すれば即差し押さえ?

税金を滞納すれば即差し押さえ?

法人が国や自治体に納めなければならない税金は、法人税の他にも消費税や地方税、源泉徴収税など様々です。

しかし、業績の悪化や設備投資などの資金捻出のために、これらの税金の支払いが困難になり滞納してしまった場合、その状況や期間に応じた罰則を受けることとなります。

中でも、一番の心配事といえば「財産の差し押さえ」でしょう。

経営者の方の中には、税金を滞納すれば「財産を差し押さえられてしまう」と心配してしまう方もいるはずです。

結論から言えば、財産を差し押さえる罰則こそ存在するのは確かですが、税金の滞納が税務署により発覚したからといって即座に差し押さえられることはありません。

「財産の差し押さえ」は、最終的な処罰です。

しかし、だからと言って決して安心するわけにはいかないのが税金の滞納。

「財産の差し押さえ」に至るまでには、以下のような流れを踏むこととなり、

滞納期間が続けば続くほど、重いペナルティ が課されていきます。

財産差し押さえまでの流れ

財産差し押さえまでの流れ

①税金の支払い期限と滞納

納めるべき税額が決定すると、納付期限が設定されます。

主な税金の具体的な納付期限は以下の通りです

・法人税、法人住民税、消費税

 決算から2ヶ月以内

・源泉所得税

 毎月10日(納期特例を受けた場合は7月10日と1月20日の年2回)

税金の支払いが、これら納付期限を1日でも過ぎてしまえばその時点で「滞納」となります。

では、「滞納」が始まるとどのような流れで最終的な処罰である「財産の差し押さえ」へと進むのでしょうか。

②督促状での通知

納期期限から1ヶ月ほど経過すると、まずは税務署から督促状が届き、税金が未納である旨が通知されます。もちろん、督促状が届いたからといって財産を差し押さえることはありませんが、差し押さえまでのカウントダウンが始まっていることは肝に命じておきましょう。

③電話や訪問による催促と調査

督促状による通知があったにもかかわらず未納が続けば、今度は税務署からの電話や担当者による訪問によって支払いを促されます。

また同時に、税務署は預金や株式、不動産などを把握するために財産調査などの情報収集を開始し、財産差し押さえの準備に入ります。

④差し押さえ

その後も、何度か督促状や電話による催促が繰り返されますが、それでも未納が続くようであれば、財産差し押さえの処罰を受けることになります。なお財産差し押さえまでの具体的な期間は決められていませんが、法律上、督促状の送付から10日経てば差し押さえが可能となります。

差し押さえの対象となるのは現金や預金はもちろん、株式や不動産、保険金や売掛金といった、あらゆる財産です。

ただし、たとえば衣服や食料、業務に欠かせない器具といった生活や事業に欠かせないと判断された、いわゆる差押禁止財産は差し押さえの対象外となる場合もあります。

このように、税金を滞納したからといって即座に財産を差し押さえられることはありません。

しかし、だからといって税金の滞納を楽観視することは禁物です。

滞納の発生から財産の差し押さえまでの間にも重いペナルティが課されます。

それが延滞税です。

税金滞納によって課される延滞税

税金滞納によって課される延滞税

税金の滞納による最も重い処罰が財産の差し押さえであることに変わりはありませんが、納付期限を1日でも過ぎれば発生する延滞税の存在も忘れてはなりません。

延滞税は、滞納した税金の支払いが完済するまでの期間に応じて課されます。

利率は2通り(いずれも低い割合が適用されます)

 ・納付期限の翌日から2ヶ月が経過する日まで

  年7.3%か、特例基準割合+1%

・上記以降の期間

  年14.6%か、特例基準割合+7.3%

延滞税は、滞納期間が長くなるほど利率が上がるだけでなく、資金繰りを圧迫する要因にもなりますので注意しなければなりません。

もしも税金を滞納してしまったら

もしも税金を滞納してしまったら

税金は前年度の収益に対して課税されるため、もしも前年度よりも業績が下降し、資金繰りが悪化すれば支払いが困難になる場合があるでしょう。

支払いの意思があるにもかかわらず、やむをえない事情によって滞納してしまうようなことがあれば、まずは落ち着いて顧問税理士や管轄の税務署へ相談しましょう。

税金の支払いが完全に免除されることは決してありませんが、滞納の理由や経営状況などによっては分割や手形での支払いといった救済措置が適用されることもあります。「財産の差し押さえ」という最悪の罰則を回避するためにも、速やかに適切な対応をとることが重要になります。